映画『タロット/TAROT(2024)』物語結末までネタバレと感想




「AIに丸投げした独創性に欠けた劣化ファイナルデスティネーション」2024年5月に全米公開された映画「タロット/TAROT」の物語結末までネタバレと感想を紹介します。大学生が隠されたタロットカードで遊んだ結果逃れられない死を予告されてしまう恐怖を描いたホラー作品ですが、どこかで見たことある内容だなと思ったらまんま例の映画でかなりの低評価を受けています。

スポンサーリンク




映画『タロット/TAROT』物語ネタバレ

大学仲間のヘイリー(ハリエット・スレーター)、グラント(アデイン・ブラッドリー)、パクストン(ジェイコブ・バタロン)、ペイジ(アヴァンティカ)、エリーズ(ラーセン・トンプソン)、マデリン(ハンバリー・ゴンザレス)、ルーカス(ウォルフガング・ノヴォグラッツ)は山脈の別荘を貸し切ってエリーズの誕生日パーティーを行っていた。

酒を飲み尽くし暇になったヘイリーたちは屋敷を探索を始める。7人は地下で手描きのタロットカードを見つけ、リーディングや占いに詳しいヘイリーは不吉な予感を感じながらも一人づつ占い始める。(スピリチュアルにおけるリーディングとは、出たカードの意味を読み取り相手に伝えること、不吉か幸運かはその人それぞれ違うため、不運であれば回避する方法、幸運であれば避けるべき行い、やるべき行動などを指示したりする。余談だが読み手(占い師)の技術や霊力によって結果や意味が変わってくることが多いため、事前にSNSなどで口コミを調べた方が良い。ちなみに筆者の母はリーディング能力を持っているが、紹介でしか占わない。)

ヘイリーはまずエリーズを前に引いたカードは「大神官」のカード、そして「はしごに注意しろ」とリーディングする。

続けてマデリンは「吊るされた男」のカード、「マデリンの星魚座、危険から逃げる傾向にある」

ペイジは「魔術師」のカード、「彼女の未来に変化が訪れる」

ルーカスは「隠者」のカード、「巨万の富と可能性のある愛(ルーカスとマデリンはお互いに好きであることが示唆されている)を授かる」

パクストンは「愚者」のカード、「思いがけない方法で友人を助ける」

グラントは「悪魔」のカード、「親しい人を失うかも」と伝えると、グラントは馬鹿馬鹿しいとその場を立ち去ってしまう。

最後にヘイリーが自分のカードを引くが、彼女は「死」のカードを引くのだった。

パーティーは終了し、皆が就寝すると地下に戻されたタロットの箱が光を放ち始め、過去、地下で行われた凄惨な出来事がフラッシュバックしタロットカードに秘められた悪意が解き放たれたことが示唆される。

タロットが予告した死

一行は屋敷を出た帰り道、隠者のカードで巨万の富を得ると言われていたルーカスがガソリンスタンドでスクラッチカードで700ドルを当て歓喜する。

帰宅後、恋人であるペイジとの電話を終えたエリーズが家の屋根裏のハシゴが降りているのに気がつき何気なく屋根裏に登ってしまう。そこでエリーズはカードに描かれた大神官の幻影を見て驚いた表紙に梯子から落ちて廊下に倒れ込む、屋根裏から覗く大神官は梯子に手をかけると何度もエリーゼの背中に梯子を落とし続け、体を貫かれたエリーゼは死んでしまう。

ヘイリーは落ち込むペイジのために一緒の部屋で横になりながら、ヘイリーがタロットカードをするようになったのは母親が癌になったときに元気づけるためだったと話し、ペイジも元気付けるためにタロット占いを始めるも何度カードを引いても結果は「死」だった。

その頃マデリンを自宅まで送ったルーカスが歩いていると、タロットで見た「隠者」がルーカスのいく先々で現れ始める。君が悪いルーカスが足早に地下鉄のホームに向かうが、再び目の前に現れた隠者の影に怯えたルーカスが誘導されるがまま扉を開けて進むとそこは線路の上で、足元にはルーカスは今日死ぬと書かれた新聞の見出しを見た瞬間背後から走ってきた列車に惹かれて死んでしまう。

スポンサーリンク

呪いのタロットはなぜ生み出されたのか?

ルーカスが死んだこと調書を受けたヘイリーは、エリーズとルーカスの死がタロット占いと関係があるのではないかと疑い調査を始める。かつて彼らがタロットを見つけた場所で過去に事故があったこと、そしてアルマ・アストロム(オルウェン・フエール)という女性が、タロットについて何かを知っているのではないかと突き止め訪問する。

ヘイリー、グラント、パクストン、ペイジ、マデリン残された5人はともにアルマの家をを訪ねるが、アルマは5人を追い返そうとする。しかしヘイリーが屋敷で見つけたタロットカードで友人が死んでいることを説明すると突然扉が開かれ五人は家に招かれる。

アルマはこのタロットカードを使ってリーディングをした人は全員死んでいる、アルマはロンドンで起きたある連続死の唯一の生き残りだと話す。

さらに、このカードは1700年代、裕福な伯爵が妻と子供が重い病気にかかっていたため、占星術師(サンチカ・ミラノヴィッチ)にリーディングで家族を救ってほしいと依頼するが、占星術師が何度リーディングを行なっても「死」しかカードが出せなかった。結局、伯爵夫人と子供が死んでしまい、伯爵は占星術師を逆恨みして彼女を魔女だと非難し、占星術師の娘を絞首刑にしてしまう。

怒り狂った占星術氏は自分自身を生贄に魂をタロットカードに封じ込め、呪いのタロットカードで伯爵と配下全員のリーディングを行い伯爵たちはタロットカードの結果通りの恐ろしい死を遂げることになったという。

話を終えたアルマは呪いを解くにはタロットカードを破壊するしかないと伝える。

スポンサーリンク

タロットの死から逃れる方法とは?

帰りの車の中でタロットカードを破壊しようと話し合っていると、橋の上で車が急に停車してしまう。タロットの呪いかと驚く彼らの前で、車の窓ガラスにハングマンの絵が浮かび上がりるとマデリンが次は自分だとパニックに陥り車を飛び出して道路を走り出す。

ヘイリー、グラント、パクストン、ペイジがマデリンを追いかけるが、ヘイリーは橋の上にいた悪霊の手で文字通り首を吊るされて殺されてしまうのを目の当たりにする。

残されたヘイリー、グラント、ペイジが屋敷に戻ってタロットをぶっ壊そうと覚悟を決めるが、死を恐れたパクストンは彼らを見捨てて家に向かって歩き出す。

しかし帰り道でパクストンは狂ったように笑う「愚者」につきまとわれ慌ててエレベーターに逃げ込むが、エレベーターが開くたびに近づいてくる「愚者」に襲われてしまう。

スポンサーリンク

エンディングネタバレ「タロットを壊せたのか?」

ヘイリー、グラント、ペイジの3人は屋敷の地下で無事にタロットを見つけさっさと暖炉に投げ込み安堵するが、どんなに燃やされてもタロットは燃えることなく残り続けたため、どうすれば良いのか困っているとアルマが駆けつけ、降霊術を行いタロットの作者である占星術師を呼び寄せると言う。

魔法陣を描いたアルマが降霊術を行うと、4人の目の前でタロットカードが次々引かれ始めアルマの目の前に「剣の6」のカードが引かれると、アルマは三人に向かって「ごめんなさい」と呟くと闇の中に引き摺り込まれ文字通り6本の剣に突き刺されて絶命してしまう。

吹っ飛ばされたアルマを追いかけた三人だったが、ペイジだけが「魔術師」に囚われてしまい、「魔術師」の舞台のアシスタントとして登場したペイジは箱の中に閉じ込められると生きたまま真っ二つにされて殺されてしまう。

ヘイリーとグラントは隠れていたが窓わか「悪魔」が現れ、グラントは窓から引き摺り出されてしまう。すぐさま「死」の怪物が現れるとヘイリーに襲いかかるがヘイリーは屋敷内を死に物狂いで逃げまくる。

結局生き残っていたグラントに助けられたヘイリーは呪いを解くために占星術師にリーディングを行い「死」のカードを引くと、怒りの形相の占星術師に対し自分自身の母の死に対する悲しみを捨て去り、娘に対する自分の悲しみを捨てるように提案する。

するとタロットカードと占星術師の魂が燃えて黄泉の国に消え去っていく。

一瞬だけ占星術師と娘が薄暗い森の中で手を繋いで歩いている様子が映し出され、親子は無事にあの世で再会したことがわかる。

ヘイリーとグラントは手をつないで歩いていると、車に乗ったパクストンが現れ2人を出迎える。パクストンは確かにエレベーターで「愚者」に殺されかけたが間一髪ルームメイトのが扉を開いたため生き残ったのだと説明する。

車の中でヘイリーは “運命なんてクソ食らえ “と呟き物語は終了する。

スポンサーリンク

まとめと感想「信じられないぐらい同じ展開」

全体的に暗闇が多く、理不尽な死の恐怖に怯える若者、暗闇の中でひたすら怖がらせてくる怪物たち、テンポ良く進む物語、全体的にホラー作品として見応えもあるし怖かった。しかし全体的に有名なホラー作品と同じ展開と脚本に既視感と違和感が残り続け、演出で怖がらせることに成功しているものの、血生臭い演出が排除されているため、リアリティに欠けてイマイチ盛り上がらず。最終的にあっっさり強引にエンディングを迎え、ラストにコメディオチとい中国に配慮した内容になんとも奇妙な気持ちになる作品。

良かった点

・恐ろしいタロットの怪物たち

・そんな怪物たちを恐ろしく魅せた暗闇の効果的な使い方

・テンポの良い展開と死に様

・手に汗握る演技

・中学生向けにはちょうど良い

悪かった点

・ファイナル・デスティネーションの丸パクリ

・7人は多すぎ

・予告以上の恐怖がないやんけ

・お約束なエンディングと中国人

・強引なエンディング

・大人が見るには陳腐すぎる

・・・・・・・・・・

ファイナル・デスティネーションを知っているだろうか?

奇跡的に飛行機墜落事故を逃れた若者たちに死神が現れ理不尽に殺されていく内容で、偶然逃れることができても死ぬ運命は変えることができないというもので、何をしても死亡フラグになってしまいとにかく可哀想で恐ろしい作品だった。特に死に様が大体壮絶で若い頃見るのがきつかったが、1、2あたりは見て面白かった。

絶対に逃れられない死、というホラー界に新たな衝撃を与える展開は本当に面白く、死ぬのは分かっていても死に抗って生き延びようとする姿と、逃れられない死との命懸けの鬼ごっこは最高だった。と思う。

が、忘れた頃に、同じ映画が出てきた。それが本作「タロット」。

このタロットカードで遊んだ人は「予言通りの逃れられない死」が待っている!!!!!!

っていう展開に

ん?

それ見たことあるな・・・

と思っていたがまさかのそのまんまの展開が待っているとは誰もが驚いたはず。

似てる程度なのに、にわかうるせーとか言われそうだけど、一番最初に死ぬ女の子なんて、ファイナル・デスティネーションで非常用のハシゴが顔面を貫くヤベェシーンよろしく背中をハシゴで貫かれて死んじゃうシーンとか、この辺からあれ?逃げられない死、ハシゴ、、死神の代わりにタロットカードの怪物になっただけじゃね?と思い始めたらもう最後、口の中は完全にファイナル・デスティネーション。

全体的なテンポは良いし、サクサク人が死んでいくのも良いんだけど、登場人物が多すぎて誰1人にも感情移入することなく終わってしまった。登場人物が大学生7人は多すぎじゃね?

いや、本当に。

あとさ、それほど残酷ではないのにPG13ってどうなの?

逃れられない死から逃れるために必死に逃れる展開は好きで、真っ暗闇の中浮かび上がるタロットカードの怪物たちの顔だけが浮かび上がる演出なんて最高に怖くて最高だった。しかし、肝心な残虐な死のシーンは最悪と言ってもいい。

なぜなら、この作品で「血」が出てこない。

暗闇が多いのも原因の一つだと思うが、この映画で赤色を見た記憶がない。

背中をブッ刺されるシーンや剣をブッ刺されたり、特に舞台の上で魔術師に生きたまま真っ二つにされるシーンはあっても、内臓や血液の描写は一切ないので猛烈に違和感があったし物足りなかった人は多いはず。

せめてあんな痛そうなノコギリでギコギコするんなら肉に食い込むシーンぐらいは見せてほしかったな。

しかし、キャストの演技は見事なもので、痛々しさは伝わってくる。それだけにもったいないなと。

エンディングが一番イラっとした。

最後の最後にさ、エレベーターで「愚者」に襲われたはずの中国系アメリカ人が登場してさ、俺が生き延びたのは友人が扉を開けてくれたからさ!って笑いながら登場してエンディングはコメディなノリになるんだけど、最終絶叫計画(screamovie)って覚えてる?あれ大好きなんだけど、最後の最後にこの映画のノリで終わらせるから全てが台無しになった感じ。(最後に中国系アメリカ人が生き延びるって、なんとなく中国のウケを狙っている感じがして少し苦手)

その少し前のラストに向けてのオチもなんとなくなぁ

タロットカードに呪いが込められていてさ、占星術師が呪われたタロットカードを使った結果領主を殺したり、主人公たちを苦しめる呪物なら、主人公が逆にタロット使って占星術師にリーディングして反撃!とかすると思ったら最後は対話で浄化エンド、、、なのも少しもやっと。

トーク・トゥ・ミーのような呪いに触れたら最後、「誰にもハッピーエンドは訪れないエンド」で振り切ったA24ってやっぱり凄い制作会社なんだなと。

関連



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

error: Content is protected !!