「イーサン・コーエン作品の中でもかなり特殊で過激だ」映画『ドライブ・アウェイ・ドールズ(原題:Drive-Away Dolls)』物語結末までネタバレと海外の反応評価を紹介します。レズビアンのヒロイン2人がドライブ旅行に向かうが、車に隠されたあるものを狙うチンピラに付け狙われるコメディ寄りのスリラー映画です。しかし過激な下ネタ、編集のチグハグさなど粗が目立つとして評価は低めです。
もくじ
映画『Drive-Away Dolls』はどんな映画?
2024年2月23日に全米公開された84分間の作品映画『ドライブ・アウェイ・ドールズ(原題:Drive-Away Dolls)』は「ファーゴ」「ノーカントリー」「バスターバラード」のイーサン・コーエンが監督と脚本を担当、「哀れなるものたち」のマーガレット・クアリー、「Cat Person」のジェラルディン・ヴィスワナサンが主演のスリラーコメディ映画。
1999年、まだ性に開放的とは言えない時代のアメリカでジェイミー(マーガレット・クアリー)とマリアン(ジェラルディン・ヴィスワナサン)2人のレズビアンのドライブ先で起こる出来事と、2人の車に隠された荷物を狙うマフィアを描いています。
イーサン・コーエン監督作品ということもあり期待値が高い作品でしたが、恋人同士ではない2人の友情と恋愛模様から行き当たりばったりのドタバタ劇、レズビアンの過激な描写、下ネタの数々に拒否反応を起こす人も多く、海外の評価はメタスコア56点、IMDb 5.8/10となっています。
映画『Drive-Away Dolls』物語ネタバレと海外の反応評価まとめ
1999年フィラデルフィア
バーでサントス(ペドロ・パスカル)という男が緊張した面持ちでブリーフケースを抱えて誰かを待っていた。バーのウェイター(ゴードン・マクドナルド)に追い出されたサントスが歩いているとウェイターが店を出て追いかけてきてブリーフケースを要求されるが、サントスが要求を断ったため首を刺されてブリーフケースを奪われる。
その頃、若いレズビアンで奔放な性格のジェイミー・ドブス(マーガレット・クアリー)は、恋人の女性警察官スキー(ビーニー・フェルドスタイン)を差し置いて、友人のカーラ(アニー・ゴンザレス)とセックスに耽っていた。
一方、ジェイミーの親友でレズビアンのマリアン・パラヴィ(ジェラルディン・ヴィスワナサン)は、新年パーティーに参加するが、そこでジェイミーがステージで浮気をぶっちゃけているのを見た恋人のスキーにぶん殴られているのを目撃する。
家に戻ったジェイミーは、マリアンがタラハシーにいるエリスおばさん(コニー・ジャクソン)を訪ねる計画を聞いてマリアンを説得し、一緒に旅行することになる。
車屋の怪しい指令とは
ジェイミーとマリアンはカーリー(ビル・キャンプ)の車屋に立ち寄り “Love is a sleigh ride to Hell(愛は地獄行きのソリ) “と描かれた車を、貸す代わりに指定された場所に届けろと言われて了承する。
彼女たちが去った後、カーリーのもとをマフィアのアーリス(ジョーイ・スロットニック)とフリント(C.J.ウィルソン)、二人のボスであるチーフ(コルマン・ドミンゴ)が車を買いに訪れるが、3人が望んでいる車はすでにジェイミーとマリアンに渡したことを伝え、帰るように諭すがカーリーは叩きのめされたあと、マフィアたちは二人の追跡を始める。
泣き叫ぶスキーを見捨てて早速旅に出たジェイミーとマリアンは夜にモーテルを借りて休もうとするが、マリアンが “The Europeans “を読んで過ごそうとすると、ジェエイミーが女の子をナンパして部屋に連れ込んできたため、マリアンは受付の脇で読書する羽目になる。
ジェイミーの仕打ちに少し怒っていたマリアンだったが、立ち寄ったレストランで若い女子サッカーチームを見つけ全員で乱行が始まる。まだ殻を破れず一人取り残されたマリアンのためにジェイミーはキスの仕方を教えるが、マリアンは混乱して外に飛び出してしまう。
外を歩いているマリアンは警察に職質されて逮捕されてしまう。残されたジェイミーは別の女の子をナンパして楽しもうとするがマリアンのことが頭から離れずいまいち乗り切れず一人でモーテルに戻る。
ティファニー・プラスターキャスター(マイリー・サイラス)という謎めいた人物が登場する。
マフィアのアーリスとフリントはスキーの家を訪れてジェイミーの居場所を聞こうとするが、スキーは二人を叩きのめしたあと、ジェイミーとマリアンはフロリダに向かっていると教える。
怪しいトランクの中身
ジェイミーがマリアンを警察署に迎えにいき、再び旅を再開させるが途中でタイヤがパンクしてしまう。二人が停車してトランクを開けると、中にはドライアイスと一緒に入っているサントス(冒頭でウェイターに殺された男性)の頭部と、生前彼が持っていた謎のブリーフケースを発見する。ブリーフケースの中身は大量のディルドだったため、ジェイミーは笑い、マリアンは絶句する。
ジェイミーとマリアンはホテルに立ち寄る。夕食中にジェイミーはマリアンにレズビアンとして適切な性体験をさせたいから一緒に寝たいと申し出てマリアンは承諾する。夜、マリアンは初めてのオーラルセックスの快楽に感動する。
幼い頃、マリアンが初めて女性に性的に興味を持った隣人の裸体の夢を見ていると、突然フリントとアーリスが現れてブリーフケースと一緒に二人を誘拐する。
マフィアの3人は倉庫にジェイミーとマリアンを連れていくと、チーフが二人の前でブリーフケースを開き中に入っていた大量のディルドについて説明する。
このディルドは有力な政治家の逸物を型取ったディルドで、政治家の特殊性癖を暴露しようとしたサントスは口封じに殺され、みんながこのブリーフケースを血眼になって探していると説明する。
エンディングネタバレ
横でアーリスとフリントが口論を始め、フリントがキレてアーリスとチーフを射殺し逃げ出してしまう。
残された二人は、ホテルに戻ってディルドを使ってセックスをした後、ディルドの持ち主のチャンネル議員(マット・デイモン)に電話してディルドとサントスの首を使って脅迫して、バーで100万ドルを受け取る約束をする。
チャンネル議員(本当にマット・デイモン)と無事に取引を終えた二人がバーの外に出ると、二人を追いかけてきたスキーとばったり遭遇する。その様子を見ていたチャンネル議員が二人を口封じのために銃を抜いて近づくが、スキーが隠し持っていた銃でチャンネル議員を撃って撃退する。倒れた議員がサントスの首が入った箱を落として皆の前に晒し、パニックを引き起こし翌日大々的にニュースになる。
チャンネル議員のニュースを見ていたジェイミーとマリアンがホテルを出発した後、ベルボーイが二人の忘れていった紙袋の中身(チャンネル議員のディルド)を見て言葉を失う表情で物語は終了する。
映画『Drive-Away Dolls』海外の反応評価まとめ
ここからは映画『ドライブ・アウェイ・ドールズ(原題:Drive-Away Dolls)』を観た海外の反応評価を紹介していきます。
IMDb 5.8/10
4/10
遠くへ行け
映画『Drive-Away Dolls(2024)』の予告編を観た後、犯罪捜査コメディを期待していたのだが、映画を観たら何か違っていて、良い意味ではなかった。
この映画は面白さよりもショックを与えようとしているように感じた。
将来性はあったが、ダラダラしたストーリーテリングと、面白いけどすぐにモヤモヤしてしまう2人のキャラクターで台無しになってしまった。マーガレット・クオリーとジェラルディン・ヴィスワナサンは才能があり、相性もいいのだが、問題はもっとうまく脚本を書いてほしかった。名前は伏せるが、他の役者もほとんど活躍しない。この映画は大失敗だ。
3/10
本当に好きです。
私は何でも笑ってしまうので、トイレのユーモアや不必要な下品さが無茶苦茶な映画でも、面白ければ好きな部類に入る。前作での3人の主演女優の活躍が大好きで、映画『Drive-Away Dolls(2024)』にも期待していたのだが、とてもがっかりした。
ストーリーには可能性があったが、説得力のない演技と稚拙な編集のせいで、映画はかなり混乱し、私はストーリーの展開に興味を失い、登場人物の誰に対しても思いやりを持つことができなかった。比較的短い上映時間よりもずっと長く感じた。
映画の主役である切断されたペニスは本当に面白くなかった。あまりにも長く続き、映画を安っぽくしていた。ジョークは計算されているようで不自然だった。
忘れられる映画だ。
3/10
なんてショッキングな失望なんだ!
独創的なコメントではありませんが、映画『Drive-Away Dolls(2024)』を観た後、私は本当に、観に行った時よりも頭が悪くなってしまったような気がしました。この映画は大失敗で、公開されたことに本当にショックを受けている。私を引き込んだのは、コーエン兄弟の映画に対する40年来の愛情だった。イーサン・コーエンの作品なら、コーエン兄弟のあまり知られていない作品(『INTOLERABLE CRUELTY(原題)』や『BURN AFTER READING(原題)』など)のように、爽やかで楽しい時間を過ごせるだろうと思ったのだ。私が手にしたのは、ばかげたテーマの寄せ集めであり、そのどれもがよく練られておらず、娯楽性もなかった。
この84分の映画は、ジェイミー(マーガレット・クアリー)とマリアン(ジェラルディン・ヴィスワナサン)という、偶然にもレズビアンである(しかし「付き合っている」わけではない)2人の友人を描いている。
マーガレット・クオリーという本当に最低な女優が出演していなければ、これらのシーンは少なくとも面白かったかもしれない。彼女のまともな演技は以前にも見たことがあるが(『NOVITIATE』、『ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD』)、ここでの彼女の野性的なエネルギーは抑えきれず、一般的なものだ。
彼女のすることは、この映画の歪んだ現実でさえも、何ら現実に根ざしているとは感じられない。大胆な演技でありたいのだが、その代わりに愚かであり、実在の人物を見ているような気が一瞬たりともしなかった。一方、ヴィスワナタンはわずかながら説得力があり、唯一応援したくなるキャラクターだ。
イーサン・コーエンの作品とは思えないほど、レズビアンを侮辱し(むしろ「解放」を意図していると思われる)、深い失望を与えている。避けるべきだ!
3/10
大きなスイングと大きなミス
この手の映画は、ほとんど主演2人のカリスマ性と相性に頼っている。うまくいくか、いかないかは人それぞれだろう。私には合わなかった。序盤に期待させる場面はあるものの、思ったような展開にはならない。
こんなことを言うとは思わなかったが、コーエン流のユーモアは、この作品では「バカバカしい」方向に一段階上がりすぎている。残念なことに、そのせいで、この映画の優しさと感情をターゲットにした部分が、強引で未発達なものに感じられた。
全体として、この映画のマーケティングとプロモーションは少し不手際があったように感じた。決して「逃走中」の猫とネズミの映画ではなかった。どちらかというと、軽くて、洒落た、キュートなラブストーリーだ。
唯一の長所は上映時間が短かったことだが、それさえも時には退屈に感じた。
4/10
マーガレット・クオリーとイーサン・コーエンの大ファンだが、この「映画」は大失敗。
イーサン・コーエンの映画で、私はコーエン兄弟との初期の作品の大ファンだが、彼らの茶番コメディはあまり好きではなく、この作品もまた、そんなおバカコメディのジャンルの1つだ…。
悪い点:面白くない。一度も笑わなかった。これが(私にとって)重要なのは、これが「コメディ」であるはずだからだ。しかし、ユーモアとはかなり個人的なものなので、おそらく他の人は爆笑するのではないだろうか?
もっと悪いのは、スリルがないことだ。スリルなんて1分たりともない。これは間違いなく保証できる!
これは長編映画というより、安く作られたテレビ映画かストリーミング映画のようだ。たった1時間17分しかないのに、私は退屈してしまった。(コロナ時代の名残?)
では何なのか?失敗した)くだらない「コメディ」だ。真に迫った登場人物が(まったく)いない。このような茶番劇であっても、登場人物は共感できるか、少なくとも共感できる何かを持っていなければならないのに、それが全くない。残念だ…。
おそらく、コーエン兄弟の初期の茶番コメディ(例えば『Brother where art thou』)のファンにしか向いていないのでは?注意:この映画には到底及ばない!3点
1/10
時間の無駄
いやぁ、なんだかなぁ。つまらないし、くだらないし、全く面白くない。
期待してなかったけど、ひどかった!この映画は文字通り、ずっと面白いと言われ続けてきた人が書いたような感じがする。
退屈な脚本、笑えないジョーク、退屈な登場人物、同じく退屈な筋書き。マーガレット・クオリーは好きだ。いい女優だとは思うが、なんということだ、彼女は南部訛りができない。
この映画全体が意味不明でくだらない。
メタスコア 56/100
まとめと感想
こういったシンプルなドタバタコメディは好き、でも物足りない。と言うのもヒロイン二人を好きになってきたぐらいで物語が終わってしまうので、もっと観たい!と言う物足りなさである。
正直に言うとこの映画はジェイミー(マーガレット・クアリー)とマリアン(ジェラルディン・ヴィスワナサン)この2人だけで物語を進めるべきだった。
2人のレズビアンがドライブ旅行、知らずに乗っていたトランクの中身をマフィアが追ってくる。知らずに楽しむ2人と血眼になって追いかけるチンピラの動向を楽しめると思っていたが、ちょっと思っていたのとは違う。
2人とも魅力的で、野生的なジェイミーと、おとなしいマリアンと性格が違う2人がこの旅でどんな面白い体験をするのか楽しみだったのだが、チンピラが展開を邪魔する異物にしかなっていないためだ。
というのも、チンピラ2人は一体どんな手を使って二人を追うのか?何をするのか?などワクワクさせるようなこともなく、ノーカントリーの殺し屋のように「こいつはやべぇ奴きちゃったな…」と思わずヒロインを心配するようなスキルも演技力も魅力もないチンピラのまま、、唐突な仲間の裏切りによってさっさと映画から退場してしまうのだ。
え?これで終わり?お前らの存在意義ってなんだったの?と散々映画のテンポを阻害しておきながら、それで終わりかよ・・・とイライラする存在だった。
しかし、だからこそヒロイン二人がめちゃくちゃ魅力的に映るし、裸体も大量に出てくるし、女性同士の絡みもある。下ネタも過激で見応えもあるしこれは大歓迎。ずいぶん思い切った体当たり演技するなぁとこの先何があるのかな?楽しみだなと思っているうちにあっさりと物語が終わってしまうため、もっと二人の物語を見たかった!という物足りなさを感じた。
唐突で突拍子もない展開もあるが、二人の元気なヒロインが楽しそうに旅行を楽しむ映画ってだけで十分楽しい作品。
2024年アメリカ公開映画
ネタバレ↓