「狼vs殺人鬼vsハンター、これは面白い!」インディーズんがら海外で大絶賛された映画『デストラップ/狼狩り』物語結末までネタバレと海外の感想評価をまとめて紹介。危険な狼を追跡していたハンターは、複数の女性の全裸死体を発見する…この森には危険な人間と狼がいる。三つ巴の戦いの果てにあるのは!?
もくじ
映画『デストラップ/狼狩り』物語結末までネタバレ
ジョセフ・メルソー(サワ)と妻のアン(サリヴァン)、娘のレニー(ハウエル)は、人里離れたカナダの荒野で毛皮の罠猟師として細々と暮らしている。
ジョセフは聡明な娘レニーに罠の仕掛け方、獲物の追跡方法、仕留め方、皮を剥ぐ方法など厳しい環境で生き抜くサバイバル術を教え、アンは家で洗濯や水汲みなど家を守っていた。
ある日、ジョセフとレニーが罠を調べると、罠にかかっていた動物が足だけの状態で見つかる。罠にかかった足以外全て食べ尽くされているのを見たジョセフは、この森に危険な狼が迷い込んでいることに気がつき、レニーだけ家に帰宅させるとジョセフは狼の捜索を行う。森の奥深くで狼を見つけたジョセフはライフルで狼を撃つが狼は逃げてしまう。
狼がいた場所で人の手が落ちていたのを見つけた彼は、狼の追跡を続け森を進む。
荒野でレニーとオオカミを追跡する長い一日の後、ジョセフは新しい足跡を見つけ歩いていると、そこには裸にされ、儀式のように円形に並べられた若い女性たちの全裸死体に出くわす。この森には危険な狼の他に、殺人鬼も潜んでいるようだ。
狼と殺人鬼のいる森
ジョセフは家に戻るが、自分が見たことを家族には告げず、狼を撃ち損ねたとだけ伝える。翌日、ジョセフは狼を狩りに行くとアンに告げ、単独で森に入っていく。
昼頃、アンとレニーが川で洗濯をしていると、狼に襲われかけるが銃を発砲して怯んだ隙に家に逃げ込む。
翌朝、森に出たレニーとアンはジョセフと一緒に見た足だけ残された罠を見つけ、2人はいまだに帰らないジョセフと、この足を残した危険な狼について、地元の警察署に向かい警察官のバルト(ガブリエル・ダニエルズ)とルーシー(ローレン・コクラン)に報告する。
しかし彼らは、オオカミは都会の法律が適用されない野生の森の中で、自然の摂理に従っているだけで何もできないこと、そしてジョセフのいる土地は連邦政府の土地で、オオカミを報告すれば連邦政府の捜査が始まるが、立入禁止区域になった場合、ジョセフたちは家を失うことになると言われ、アンはさっさと警察署を立ち去る。
血だらけの男
ある夜、レネは森から悲鳴を聞いたアンが外に出て捜索すると、庭に傷ついた見知らぬ男ルー(スタール)が倒れているのを発見する。アンはすぐに彼を小屋に連れ帰り治療を行い、意識を取り戻したルーは自身を写真家で撮影中にオオカミに襲われたと説明する。
一方、警察官のバルトは森の道で乗り捨てられた車を発見。森の中へ捜索に向かったバルトはジョセフが見た、女性の全裸死体を見つける。すぐにルーシーに応援を呼ぼうとしたバルトは、ジョセフが仕掛けた通常よりも巨大で強力な熊用の罠にかかってしまう。
アンは食料確保のため、ルーとレニーを小屋に残して森に入り、罠にかかったウサギを仕留める。心細くなったアンがジョセフに無線で呼びかけると、離れた場所で無線器の音を聞き、探し回ったアンはジョセフの遺体を見つけてしまう。
ジョセフの遺体に近づいたアンはルーが彼を殺したことに気が付き、慌てて小屋に戻る。
その頃、バルトの相棒ルーシーがバルトの車を発見、死にかけていたバルトが拳銃を空に向かって撃つ発砲音を辿ってルーシーに自分の位置を見つけてもらうことに成功する。ルーシーはすぐに自分の車に戻って無線で救急車を要請する。
エンディングネタバレ
自宅に戻ったアンが銃を構えながら小屋に戻ると、隠れていたルーに首を絞められて気絶してしまう。
アンが目を覚ましたことに気付いたルーは、アンをレイプしようとするが、アンは落ちていた動物用の罠でルーを殴って逆ルーを気絶させる。
アンはレニーの部屋に行くが、すでにレニーはルーによって殺されており、アンは涙を流す。
その頃、救急隊が到着したときには、バルトはすでに死亡し、女性の遺体も発見される。ルーシーはアンの家の方角で黒煙が燃え広がっているのを見つけ急いで向かう。
一方アンは、大音量でウォークマンを聴きながら、気絶したルーを両手で縛り上げ、生きたまま皮を剥ぎ始める。音楽によって悲鳴はかき消され、ルーはジョセフとレニーから教わった動物の捌き方をルーに対して行っていく。
小屋の黒煙はルーが証拠隠滅に起こした火事で、煙を辿って到着した警察官たちが小屋に向かうと、中から返り血を浴びたアンがルーの顔の皮を持って現れる。
警察官が小屋に突入すると、そこには生きたまま生皮を剥がされ生き地獄を味わい、呻き声を上げるルーの姿があった。
静かに小屋を出たルーは手を洗うと玄関に腰を下ろす。
ウォークマンの大音量の音楽が停止すると同時に物語は終了する。
エンディングクレジット中はラストとは真逆に森の静かなせせらぎが聞こえ続けている。
海外の感想評価
ここからは2020年12月18日にアメリカで公開されたインディーズ映画『デストラップ/狼狩り』(原題:Hunter Hunter)の海外の感想評価を紹介していきます。
IMDb 6.4/10
6/10
悔しいが良い
誤解しないでほしいが、私はこの映画が好きだった。
ただ、答えのない疑問が多すぎる。まず、なぜこの家族はオオカミのことを心配していたのか?私はオオカミが何年も前に彼らの息子を殺したか、似たようなことをしたのではないかと思った。でも違う!背景がまったくない。オオカミは基本的に彼らの食べ物を盗んだだけのように見える。
第二に、死んだ女の子に偶然出くわしたとき、なぜ夫は警察に通報しなかったのか?それどころか、家に帰って一言もしゃべらない。
翌朝、彼は罠を手に犯行現場に戻った。茂みに隠れてオオカミが戻ってくるのを待つつもりだったのか?それとも犯人が戻ってくるのを待つつもりだったのか?また、もし警察が現れたらどうするつもりだったのだろうか?彼は第一容疑者になっていただろう。
それに、狂人が忍び寄っているのに、なぜ妻と子供だけ残して家を出るんだ?最後に、犯人はどうやって父親を殺したのか?父親は完全なワル・ハンタータイプに見えた。女性を食い物にする殺人鬼が父親を殺害し、足に小さな切り傷を負っただけとは信じがたい。
また、エンディングでなぜ母親は犯人を窓から撃たなかったのか?彼女はきれいに撃つことができたのに、それをしなかった。その結果、娘は死んだ。
必ずしもその方が良い結末になったとは思わないが、その方が賢明だったことは確かだ。とはいえ、この映画は確かに強烈で、全神経を集中させた。ずっとハラハラドキドキしていた。でも、もう少し映画が長ければよかったと思う。残り20分くらいで本当に良くなってきた。とにかく…。
近年で最も記憶に残るエンディングのひとつ
人里離れた荒野を舞台に、ダークで不吉なオーラに包まれ、不吉なスコアが緊張とサスペンスを神経を逆なでするレベルまで簡単にエスカレートさせる『デストラップ/狼狩り』は、死の臭いが漂い、恐怖とパラノイアの骨身を凍らせる作品だ。
ショーン・リンデンが脚本と監督を手がけた本作は、展開がゆっくりだが効果的で、物語の前半は、木々の間に潜む脅威への恐怖と不安で観る者の心を掴み、難なく魅了する。筋書きの上では大したことはないが、周囲の緊迫した雰囲気がその強度を持続させるのに役立っている。また、ステルス・キャメラワークと重苦しいスコアも、この映画の無気力な雰囲気に拍車をかけている。
しかし、地元の警察官に関する小ネタは、本筋に何の付加価値も与えず、鑑賞体験もあまり豊かにしないので、なくてもよかったかもしれない。役者たちはそれぞれの役柄に全力を注いでおり、演技の土台となるキャラクターにもっと肉付けしてほしかったのは確かだが、それでも彼らの肉感的な描写は力強くぴったりで、中でもカミーユ・サリヴァンが最も印象的だった。
全体として、『デストラップ/狼狩り』は冷徹なアプローチでストーリーをスクリーンに映し出し、残酷で不穏で悲惨なイメージを詰め込んでいる。脚本はプロットも人物描写も薄いが、前提を引き出し、不吉な雰囲気を設定することで、恐怖を徐々に効果的に展開させ、ラストに最高のシーンを残している。一見の価値あり。
2024年アメリカ公開映画
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