映画『落下の解剖学』物語ネタバレと海外の感想評価まとめ「完璧な法廷映画」




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「150分間スクリーンから目を離せなくなる」映画「落下の解剖学」物語エンディングまでネタバレ解説!海外のリアルな感想評価を紹介!ある日突然夫が死亡する事故が起きるが、目撃者は盲目の息子と犬、世間は彼女を殺人鬼と決めつけるが…

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映画『落下の解剖学』物語ネタバレ

グルノーブル近郊の人里離れた山間のシャレー、作家のサンドラ(サンドラ・ヒュラー)夫のサミュエル(サミュエル・テイス)、視覚障害を持つ息子のダニエル(ミロ・マチャド・グラナー)、盲導犬のスヌープの三人と一匹で暮らしている。サンドラがインタビュアーと会話をしていると、上の階で仕事をしているサミュエルがサンドラたちに当てつけのように大音量で音楽を流していた。

ゲストが帰り、ダニエルが散歩から戻ると、屋根裏部屋の窓の下でサミュエルが死んでいた。ダニエルは母を呼び、駆けつけたサンドラは警察を呼ぶ。

検死の結果、サミュエルの死因は頭の致命的な衝撃によるものだが、頭部の怪我と、発見された落下位置が一致しないため、致命的な一撃を受けた後に落下したのではないかと推測する。

サンドラの元に旧友の弁護士ヴィンセント・レンツィ(スワン・アロー)が訪れる彼女はダニエルの悲鳴を聞くまで寝ていたこと、転落は偶発的な事故だと伝えるが、ヴィンセントは、検死の報告を見ており、落下の位置がおかしいこと、落下時と怪我が一致しないこと、客観的に見て裁判所はそんなことは信じないだろうと伝える。
サンドラは、サミュエルが以前薬の過剰摂取で嘔吐してたことがあり、あれは自殺未遂だったのではないかと説明するが、ヴィンセントはサンドラの腕のあざを見て、誰が見ても格闘したあざに見えてしまうと指摘するが、サンドラはこれはキッチンカウンターによくぶつかるからだと反論する。

場面は変わり、警察署
ダニエルは警察の調べのなかで、ダニエルが散歩に出る直前まで両親は喧嘩はしておらず、落ち着いて話をしていたと証言するが、ダニエルがその会話を聞いた場所については矛盾したことを話す。この事故は街で話題になりサンドラの弁護を担当するヴィンセントは起訴されていないため事件ではないと伝えるが、後日、鑑識がダニエルの家を訪れ、検視の結果でサミュエルが地面に倒れる前に頭部に傷があったのは暴行の可能性があり、血痕が見つかったこと、数々の証言の矛盾点、そして、サミュエルが死ぬ前日にサンドラとケンカした際の録音があったことを伝え、サンドラを正式に起訴すると発表する。

裁判

裁判で、サンドラの弁護団は、精神科医の記録を元にサミュエルは日頃かつて自殺未遂を起こしたことがあること、そのような精神状態で屋根裏部屋の窓から偶発的に落下した事故死だと主張、しかし検察側はサンドラが鈍器で殴ったあと、3階のバルコニーから突き落とした殺人事件だと主張する。

録音された喧嘩の中で、サミュエルは自分の作品を盗作し、不倫まで行い、自分の人生を支配していると非難し、互いの口論がピークに達した時、何かが暴れ暴力が行われている音声が流れるが、誰が誰を殴っているのかは明らかではない。

その後、録音の中でサンドラの不貞に対する話が出たため、サンドラはサミュエルの死の前年に女性と不倫関係にあったことを認め、検察側は、サミュエルの大音量の音楽は、サンドラがバイセクシャルで女性インタビュアーとの浮気に対する嫉妬であり、そこで検察側はサンドラが彼を殺したと主張。さらに彼女の作品には、彼女の個人的な出来事や葛藤を自身の物語に書き込んでいると指摘東し、彼女の著書を読み上げ、改めてサミュエルを殺害したことが、彼女の最新作の脇役の思考を反映したものである可能性を指摘する。

サンドラは、サミュエルも作家でこの録音は執筆のために録音されただけであり、この切り取った音声が2人の結婚生活の本質を表しているわけでもないことを前提に、暴力の音声シーンで壁にグラスを投げつけ、サミュエルの顔をひっぱたいたことを認めるが、腕のあざはサミュエルにつかまれたせいで、それ以外の暴力はサミュエルにされたものであると反論する。

裁判の中で、ダニエルは4歳の頃、夫サミュエルの不注意による事故で視覚障害者となってしまったこと、妻はドイツの売れっ子小説家、夫はフランス系大学講師の小説家の卵だったこと、二人の確執は金銭面だけでもなく言語による壁、悲惨な結婚生活、不穏な母子関係なども証言や記録により明かされていく。

裁判の行方は並行なままだったが、閉廷前に裁判長が週明けにダニエルが証言したいと願ったため、来週月曜までダニエルの証言に影響を与える人物がいないよう、厳格な規則を設け、サンドラに週末は家を空けてもらい、彼とスヌープを監視するために、法廷監視員のマージ(ジョニー・ベス)と一緒に過ごすように命令する。

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エンディングネタバレ「自殺か、他殺か」

マージがダニエルの叫び声で部屋に入ると、犬のスヌープが白目をむいて倒れていた。ダニエルが犬に大量のアスピリンを飲ませたと伝え、なんとか吐かせることに成功しスヌープは息を吹き返す。

マージがなぜこんなことをさせたのかと尋ねると、裁判でサンドラがサミュエルが自殺未遂をした話を初めて聞いて、かつてスヌープが倒れてしまった出来事を思い出し、スヌープがサミュエルの嘔吐物を食べたのではないかと疑い、わざとスヌープにアスピリンを飲ませたのだと言う。スヌープはダニエルの思った通り吐いた後、ふらふらと異常行動を繰り返し、大量に水を欲しがるようになる様子をマージと見た後、スヌープがかつて倒れた時、父サミュエルも異常行動があり、大量の水の代わりに大量のお酒を飲んでいたこと、線と線が繋がったこと、父は偶然落下して死んだという母親の証言は嘘ではないことが証明できたと伝える。

しかし、両親を愛していたダニエルにとっては、何が正解なのか、正しいのかわからず悩む。そこでマージから何が真実なのかわからないときは、自分にとって何が真実なのかを決めればいいのだとアドバイスされる。

月曜日、ダニエルは何があったのかを証言し、最後にサミュエルと一緒にスヌープを動物病院に連れて行ったとき、父親が「愛する者が死ぬことを覚悟し、自分の人生が続くことを知る必要がある」と話したと証言する。

ダニエルの証言により、サンドラは無罪となる。サンドラは帰宅すると、スヌープと一緒に眠りにつく前に、サミュエルと二人が写った写真を見つめる。

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海外の感想評価まとめ

9/10
ゾクゾクする
この映画の世界、登場人物、そのニュアンスにどれだけ引き込まれるかによって、あなたの体験が大きく左右されるからだ。その核となるのは不可解な死である。
特に第1幕の終わりまでは、観る者に多くのことを要求する、観やすい映画ではないが、すべての展開の仕方、脚本の展開、テーマ的アプローチの道筋と行き着く先は、実に魅力的だ。未知の事実へのアプローチにおいて、最もリアルな人間映画のひとつである。派手な映画的スペクタクルを目指しているわけではないが、考えるたびに灰白質に働きかけるものをたくさん提供してくれる。
それぞれの家の中で何が起きているのかは、本当にそこに住んでいる人にしかわからない。真実。半分の真実。「Anatomie d’une chute(シュートの解剖学)』は、常に到達できるわけではない真実を探し求める壮大で現実的なエクササイズであり、誰もが不確かだが必要なゾーンでの意識的な意思決定を強いられる。サンドラ・ヒュラーは史上最高の演技を披露している。時代。ゾクゾクする。

9/10
転倒の解剖学
見終わった後、多くのことをこの映画から得た。二人の登場人物に影を落とし、欠点と美点を持つ複雑な人間性を表現している。
技術的には目立たないが、テーマとストーリーとしては十分だ。これは完璧な長期戦の心理犯罪だったのだろうか?あのラストシーンが物語っている。最後の法廷での子供のシーンは、あの弁護士がひっくり返そうとしても、破滅的で決定的だった。彼でさえ、あの瞬間に結論を知っていた。カタルシスだった。
とても破壊的で力強い映画だった。あの素晴らしい台詞をもう一度吸収するために、ぜひもう一度観たい。

8/10
法廷ドラマの奥深さと面白さ
『落下の解剖学』は、複雑な刑事事件を通して、私たちがいかにして真実という概念を作り上げるかという曖昧さを探求するフランス映画である。
この映画は有罪か無罪かという問いに答えることを拒否し、むしろ人々が部分的で偏った情報に基づいてどのように独自の物語を構築するかを検証している。
この映画は、ジェンダー、メディア、個人的な動機が、事実の解釈にどのような影響を与えるかを示している。唯一の目撃者である被告人の息子は、何が本当に起こったのかわからないことを認め、何を信じるべきかの選択を迫られる。被告人に個人的な恨みを抱いていると思われる検事もまた、確かな証拠ではなく、思い込みや憶測に頼っている。この映画は、人間の心理と社会力学を研究した、説得力のあるニュアンスの作品である。演技も演出も良いが、もう少し短くてもよかったかもしれない。法廷でのシーンは繰り返しが多く、長すぎる。

9/10
待ちに待ったリーガルドラマ
『落下の解剖学』は、2時間半にミニシリーズ1本分のストーリーを詰め込んだ、夢中にさせる法廷ドラマだ。
映画祭で高い評価を得た理由がよくわかる!まさに私が何年も見たいと思っていた法廷ドラマだ。これこそ、他のすべての映画が生きなければならない犯罪ジャンルのスタンダードだ。思慮深く、複雑で、感情的。脚本は驚異的で、2時間の法廷を描くにはかなりの度胸が必要だが、うっとりとさせられる。
真実は決して確かではなく、その真の結末を決定する力は観客に一任されている。
サンドラ・ヒュラーは、最初から最後まで観客の心を掴んで離さない圧倒的な演技を見せているが、正直に言えば、この作品に登場する全員が素晴らしい。私が映画で観た中で最高の子役の演技がある。犬でさえ、生涯忘れられない演技をした!張りつめたサスペンスと最後の瞬間まで説得力のあるこの映画は、存在の混乱と、しばしばとらえどころのない真実の本質そのものに取り組む、頭を使うパズルのように進んでいく。

10/10
素晴らしい
この映画は150分あるが、退屈したり気が散ったりすることはなかった。脚本は教えられ、演出は興味をそそる。例えば、少年が2人の弁護士から同時に尋問を受け、常に首を前後させてそれぞれの弁護士を交互に見るシーンなどは、非常に巧妙だ。
この映画はほぼ半分が英語なので、字幕が苦手な人も試してみるといいだろう。
アナトミー・オブ・ア・マーダー』はもう何年も見ていないので、参考になる部分があるかどうかはわからない。しかし、素晴らしい映画だとは思わなかったことは覚えている。
しかし、この映画には素晴らしいの一言に尽きる。

10/10
転倒の解剖学
この映画は、2時間という上映時間の中で多くのことをやろうとすると期待はずれになる、という法則の輝かしい例外である。この映画は、プレミンジャー監督の前作『アナトミー』以来最高の、手に汗握る法廷ドラマであるだけでなく、悲惨な結婚生活や不穏な母子関係を最も鋭く考察している。
共同脚本家であり監督でもあるジュスティーヌ・トリエットは、私の忍耐に過度な負担をかけることなく(退屈することはなかった)、これら3つのテーマそれぞれを感動的かつ説得力のある描写で表現しており、私の考えでは、最も有望なキャリアの到来を予感させる。私は間違いなくトリエット監督の次回作を楽しみにしているし、願わくば彼女の過去の作品も鑑賞したい。主役のサンドラ・ヒュラーは、オスカーを手にするかもしれない。
この映画には、『サウンダー』以来の犬の演技もある。A評価だ。

9/10
サンドラ・ヒュラーとミロ・マチャド・グラナーの見事な演技
グルノーブル近郊のフレンチアルプスのシャレーと、グルノーブルの法廷を舞台にした近過去の法廷ドラマ。同じく小説家である夫の死で起訴された女性小説家の捜査と裁判を描く。
サミュエルの死亡状況から捜査が開始される。サミュエルは落ちたのか?押されたのか?飛び降りたのか?頭に負った大きな傷の原因は?当局は最終的にサンドラを殺人罪で起訴する。彼女の弁護士であるヴァンサン・レンツィ(スワン・アロー)は、サンドラと以前から因縁があり、サンドラの役割について確信が持てないようだ。裁判は信憑性のある結末を迎える。
リーガル・ドラマが好きなら、『Anatomy of a Fall(原題)』はお薦めだ。


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考察「サミュエルは他殺か?自殺か?」

稚拙な文章のせいで混乱させてしまったらごめんなさい。とりあえず言えることはこの物語の中でサミュエルは自殺もしくは事故と処理されてはいるが、実際のところは曖昧で残念なことに、サミュエルに本当に何が起こったのか、すっきりとした説明はないまま終わってしまう。

サンドラは自分自身の有罪か無罪かについて確信を持っているかもしれないが、彼女の言い分を本当に信用することは誰にもできてはいない。例えば、血痕と検視結果から、サミュエルが転落する前に凶器で殴られた可能性が高いと冒頭で証明されているにもかかわらず、最終的に他殺ではないとされてしまった。しかし同時にサンドラが検察官の主張する彼を殴り殺した後、体を持ってバルコニーから突き落とすとは考えられない、体重80キロの男を女性が?無理だろう。と言うように。血しぶきと死体の落下の両方を完全に説明できる説はない。

だからこそ、最後のダニエルは、自分の証言が母親の有罪か無罪かを左右する最強の要因になりうるとわかっているが、マージに助言を求める様子から心の底から母を信用できていないこともわかる。冒頭でダニエルが矛盾した供述をしたのは母を守るために嘘をついたようにも見えるが、彼も両親の知られざる一面を知ったことで揺らいだだけかもしれない。

この感覚が落下の解剖学が面白いと世界で称賛される所以なのだろうか、最後までモヤモヤし続けてしまった文系でガラスのハートの私にはストレスでしかなかったが、見終わった後、この映画が150分もあったことを知り、監督の思惑通りこの作品に集中して感情移入し、曖昧な証言を信じては裏切られ悩み混乱して緊張感が緩まないままあっという間に見終わってしまっているのだ。この映画は完璧なのだろう。微塵も、たったの一瞬ですら目を離すことなく、他のことに気を取られなかったのだ。

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2件のコメント

記事ありがとうございます。
エンディングネタバレのところ、
両親を愛していたサミュエルではなく、
ダニエルではないですか?
間違っていたらすみません

コメントありがとうございます。
ダニエルですね。
誤字脱字を気をつけるようにしても
まだまだ未熟でした。
ご指摘ありがとうございます。

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