もくじ
映画『Devils』作品情報
基本情報
- タイトル: Devils
- 監督: キム・ジェフン
- 公開年: 2023年
- 上映時間: 1時間45分
- ジャンル: クライム、スリラー
- 制作国: 韓国
- 主なキャスト: ジャン・ドンユン、チェ・グィファ、オ・デファン
- 評価: IMDbスコア 6.2/10
- 興行収入: 全世界で$816,172
ストーリーあらすじ紹介
この映画は、殺人犯に兄弟を失った刑事ジェファンが、犯人ジンヒョクを追い詰める過程で発生した事故により、彼の体が犯人と入れ替わるという衝撃的な展開を追います。ジェファンは、殺人者の体に閉じ込められたまま、家族を守り、体の入れ替わりの秘密を解明するために必死の追跡を続けます。
主要キャラクターの紹介
- ジンヒョク(演:ジャン・ドンユン): 主人公ジェファンと体が入れ替わる殺人犯。
- ジェファン(演:オ・デファン): 兄弟を殺された刑事で、ジンヒョクを追う。
主演ジャン・ドンユンの紹介
ジャン・ドンユンは、1992年7月12日生まれの韓国の俳優です。
彼のキャリアは、革新的で感情的な演技により、多くの観客を魅了してきました。ジャン・ドンユンは、2018年の『美しい日々』や2022年の『プロジェクト・ウルフ・ハンティング』などの作品で注目を集め、特に『Mr. Sunshine』(2018年)では、その演技力と魅力で高い評価を受けました。
彼はこれまでに2つの賞にノミネートされており、その才能と存在感は、韓国映画業界において重要なものとされています。ドンユンは、繊細かつ力強いキャラクターの演技を得意とし、観客を引き込む独特の演技スタイルを持っています。
主演デファン・オの紹介
オ・デファンは、1979年8月5日生まれの韓国の俳優で、彼の演技は多彩で深みのあるものです。『Once Again』(2020年)、『Flu』(2013年)、『Defendant』(2017年)など、多くのテレビドラマや映画に出演してきました。彼は特に『Veteran』(2015年)での役柄で知られ、その演技は2つの賞を受賞し、さらに1つのノミネートを受けています。オ・デファンの演技は、その自然体でリアルな表現が特徴で、観客に感情的な影響を与えることが多いです。彼の演技は、韓国映画業界における彼の地位を確固たるものにしています。
海外の評価(ネタバレなし)
映画『Devils』は、国際的な視聴者から様々な反応を得ています。以下は、IMDbとメタスコアからの主な評価の抜粋です。
- IMDbでのユーザーレビューは、ジャン・ドンユンの演技を賞賛する声が多く、特に彼のキャラクター変化の表現が評価されています。
- 一方で、一部のレビューでは映画の編集やストーリーテリングに対する批判もあり、映画の完成度については意見が分かれているようです。
- メタスコアでは、映画のユニークなコンセプトとサスペンス要素が高く評価されており、韓国映画特有のダイナミックなアクションシーンにも注目が集まっています。
- 一部の批評家は、映画のストーリー展開に予測可能な要素があると指摘していますが、全体的にはポジティブなレビューが多いです。
- また、映画の興行収入は、その魅力的なキャストと興味をそそるストーリーラインにより、良好な結果を収めています。
タイトルの意味や象徴
映画『Devils』のタイトルは、映画の中心的なテーマである最悪のサイコパスであるジンヒョクを「悪魔的な存在」と象徴しています。主人公が直面するシリアルキラーたちを、まさに「悪魔」と例えることで、彼らの残虐さや非人間性を強調しています。また、このタイトルは、善と悪、そして正義と復讐の間の曖昧な境界線を示唆しており、映画全体のトーンとテーマを反映しています。
映画『Devils(2024)』物語ネタバレ
殺人課のスンヒョン刑事は相棒を待たずに連続殺人グループが潜むアジトにたどり着くと、独りで探索を開始してしまう。スンヒョンの相棒ジェファン(デファン・オ)が到着しアジトに向かうと、スンヒョンはグループの一味に待ち伏せされ重傷を負わされて倒れていた。スンヒョンは死ぬ前にジェファンに殺人には”4人”関わっていると告げ死んでしまう。
捜査が難航している警察に、連続殺人グループのリーダーのジンヒョク(ジャン・ドンユン)の居場所について匿名の電話が入る。すぐにジェファンは後輩の刑事ミンソン(ジェホ・ジャン)と行動を開始してアジトに突入する。
彼らの前で、殺人グループのリーダーミンソンが死体を切り刻んでいたのを発見するが、ミンソンはブレーカーを落として警察の目をくらました隙に車で脱出する。唯一ジェファンとミンソンが車で追いつきカーチェイスを繰り広げ、ミンソンの車を横転させることに成功する。
しかしミンソクは無傷で森の中に逃走、単独ジェファンが彼を追い詰めタックルするが二人一緒に崖の下に転がり落ちてしまう。
何日もの間2人の捜索が行われるが、2人は見つからずにいたが、ある日、警察署に一台の車が突っ込み、警察が車の中を調べると、運転していたのはジンヒョク、そして手錠に繋がれ気絶しているジェファンがいた。
刑事✖️殺人鬼の人格が入れ替わる
目を覚ましたジンヒョクは、自分の姿を鏡で見て混乱し泣き叫び警察に鎮痛剤を打たれている。逆にジェファンは冷静で寡黙の状態で医師は一種のショック状態なのだろうと診断する。
しかし、ここで、殺人鬼ジンヒョクの体の中に刑事ジェファンが、ジェファンの中にジンヒョク、2人が入れ替わってしまっていることが明かされる。そのことから、ジンヒョク(ジェファンの体)は冷静に、殺人鬼としての身分が消え去り警察官になっている現実を受け入れ、冷静を装っていたが歓喜していた。
事情聴取に現れたミンソンに対し、ジェファン(ジンヒョクの体)は、崖に落ちた後、ジンヒョクに謎の病院に連れて行かれ、何か処置をされて2人の人格が入れ替わったことを伝える。ミンソンは信じられないが、先輩であるジェファンの言葉に妙な真実味があることで少しだけ信用する。
その後、ミンソンはジンヒョク(ジェファンの体)がジンヒョクであるかどうかを確かめるため、色々試し、ジェファンの言うとおり2人は入れ替わった可能性が高いと確信し、ジェファンたちが処置されたと言われる病院跡地に捜査に向かう。
夜、ジンヒョク(ジェファンの体)がジェファン(ジンヒョクの体)を訪ね、取引を持ちかける。このまま穏やかに過ごし、ジェファンの妻や娘に危害を加えない代わりに、お前の半生を全て話せという脅しだった。ジェファン(ジンヒョクの体)はどうすることもできず、自分の人生を語り録音を開始する。
殺人鬼からの依頼とは
刑事ジェファンの肉体を手に入れたジンヒョクは、職場や家庭でジェファン役を演じ、周囲に溶け込み始め、殺人鬼ジンヒョクの肉体のジェファンは拘置所に送られる。
そこで彼は壁に頭を打ち付け傷つけ出血させると、救急車の中で暴れ脱走する。家族と幸せに暮らしているジンヒョクを見つけるが、ジンヒョクも庭に潜んでいるジェファンを見つけ、携帯電話を投げつけると、その携帯に電話をかける。
電話でジンヒョクは体を返して欲しければ、2週間以内に殺人グループの残りの3人を連れてこいと指示する。そして、グループの1人目の仲間の居場所を伝えるのだった。ジェファンはミンソンに電話をかけ2人で、メンバーの潜伏先であるホームレスの住む林に向かう。
グループメンバーは一人目は老人だった。ジェファンとミンソンは彼を捕まえると、彼らがメンバーたちと何をやってきたのかを白状させ、その全てをカメラに記録する。メンバー逮捕をきっかけにミンソンはジェファンを信じるようになる。
2人はなぜ入れ替わったのか?
グループの二人目のメンバーは肉屋の男だった。ジェファンは肉屋を拘束しようと追い詰めるが、謎の幻覚と頭痛が発生し逆に殴られて気絶してしまう。目を覚ますとジェファンは豚のように逆さ吊りされ、肉屋は他の被害者と同じように切り刻むと伝えると、包丁で腕を切りつけ始めるそのショックでジェファンは、過去の記憶を一気に思い出す。
一緒に崖に落ちたあと、ジェファンは近くの病院跡地でジンヒョクを自白させるため、拷問を行っていたのだ。殴る蹴るの暴行、電気ショックなどあらゆる手で痛めつけるが、ジンヒョクは態度を変えず、舌を噛み、ジェファンの蘇生処置をさせ、俺はお前を操れるとジェファンを嘲笑うだけだった。
何も情報を得ることができなかったジェファンは密かに科学に詳しい同僚を訪ね、ジンヒョクにはどんな拷問も効かず情報を吐かせることができないから助けて欲しいと伝える。同僚は過去にCIAが使っていたタブーのテクニックを教える。まず、大量の薬剤を複合した液体を大量に与え意識を朦朧とさせたあと、ジェファンはジンヒョクに対し、”お前はジェファンだ””お前は他のメンバーを見つけなければならない”と何度も何度も伝え、再び薬品を投入し、同じことを伝え続け、要するに情報を得るため、”ジンヒョクにだけ”、互いの人格を入れ替えたように”思いこませる暗示をかけた”のだ。
肉屋に吊り下げられていたジンヒョクはショックですべてを思い出し、笑い出す。そして拘束を解いたあと、肉屋を殺す。その後、何も知らないミンソンが現場に到着するが、ジェファンと思い込み不用意に背中を向けたミンソンの背中を刺して殺害する。
現場に到着したジェファンはジンヒョク(人格を取り戻している)に会い、ジンヒョクはまだ人格がジェンファンのままのように振る舞い、ジェファンを騙し内心ほくそ笑んでいた。
エンディングネタバレ「最後に笑うの誰だ」
ジンヒョクは最後のメンバーであるヨハンを訪ね気絶させ拘束する。そこにジェファンが現れヨハンから自白させようとするが、突然ジンヒョクは笑い出し人格を取り戻していることを白状すると同時に、ジェファンは背後からヨハンに深々と包丁を刺されて重傷を負う。
警察に包囲されたジンヒョクは警察の前に飛び出し両手を上げながら、ある程度事情が伝わっているのを知った上で自分がジェファンだと伝え、生き延びようとするが、死んでいなかったジェファンが背後から現れ、警察に撃たれながらジンヒョクの心臓に包丁を突き立ててジンヒョクを殺害する。
海外の感想評価IMDb 6.2/10
6/10
犯罪が好きだ…
南朝鮮の映画作家が作る硬派な映画で、編集や映像的な解決策や浮き輪の選択が少し不器用であることを除けば、この映画もちょっと好きだ。
南朝鮮のZ世代が大好きな、血と血糊を多用したアクション・ホラー映画のようなダークな「顔面対決」のつもりだったのだが、南朝鮮人が先天的に受け継いできた文化的儀式が、西洋的な方法でマインド・インディペンデントで信じられ、心を揺さぶられるような作品を作るのを妨げているのかもしれない。それがここで起こっている。
また、殺人鬼たちがなぜ殺人鬼になったのかについての洞察や裏話が欠けていることも、この作品にもっと多くのものをもたらすことができたはずだ。だから、西部劇を垣間見ることで、素晴らしさと同時におふざけもたくさん見えてくる。
6/10
FACE/OFFとFREAKY FRIDAYの出会い。
ジョン・ウー「フェイス・オフ」にインスパイアされたこの心理学的にひねくれた映画は、挑戦的な方法で再発明するというコンセプトを最大限に消費している…。
キム・ジェフンのプロットは予測可能だが、与えられた扱いはユニークで、後半は印象的な体の入れ替わりというトリッキーなコンセプトで賢くギアをシフトさせる…。
チャン・ドンユンは、十分にワイルドで同じようにアグレッシブな印象的な演技を披露しているが、彼のタイムリーな変身は、成熟した繊細な役柄も難なくこなせるという強いメッセージを送っている…。
一方、ホ・デファンは主役を正当化するために控えめな演技を続けている…。
全体的に、エンターテインメントを約束する、価値あるBLOODYアクション・スリラーだ…。
まとめ「フェイス・オフオマージュの良作」
フェイス・オフだ!
と途中でツッコミを入れたが、それでも本作は全体的に面白い。もちろん暗示を教えた同僚がさっさと警察内部に報告していれば、迅速に事件解決に繋がったと思うし、そもそも、すでに自白させてるんだから…とか野暮なツッコミを入れたくなったが、全体的にこの先はどうなるのか?他の殺人鬼はどうするのか?など先が気になってあっという間に終わってしまった。
逆に言うと物足りない。殺人グループメンバーも一癖あるようであまりなかったり、サイコパスな黒幕ジンヒョクも演技も見事だし最高に際立っているが、彼の背景などは語られなかったし、そんなに人を殺しまくっている様子もなかったので、「悪魔を見た」ぐらい鬼畜に感じられず物足りなさを感じた。
予告だともっと血みどろの印象で、最近のゴア表現マシマシの韓国映画を期待したんだけど、全体的に猟奇的さは少なめ、血も少なめ、痛みもあまり少ない、という点も少し評価低め。
IMDbや世界的な評価が60点と言うのも納得な内容。面白いんだけどなぁ!
2024年アメリカ公開映画
ネタバレ↓