もくじ
映画『コンクリート・ユートピア』作品情報
公開日: 2023年8月9日
ジャンル: アクション/アドベンチャー/ドラマ
制作国: 韓国
上映時間: 129分
興行収入: US$28.9百万
メタスコア評価: 未定
監督: オム・テファ
主要キャスト: イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン
ストーリー概要(ネタバレなし)
この映画は、壊滅的な地震に襲われたソウルでのサバイバルを描いています。唯一無事だったアパートメント「インペリアル・パレス」に集まる人々と、そこで起こる人間ドラマが中心です。限られた資源と安全を巡る葛藤や人間関係が、リアルに描かれています。
主要キャラクター紹介:
- イ・ビョンホン演じるヨンタク: アパートの住民代表で、危機管理能力に長けたリーダー。
- パク・ソジュン演じるミンソン: 公務員で、ヨンタクの助手として安全管理を担当。
- パク・ボヨン演じるミョンファ: ミンソンの妻で、看護師。温かい心を持ち、極限状態でも冷静に負傷者をケア。
- キム・ソンヨン演じるクマエ: アパート婦人会の会長。
- パク・ジフ演じるヘウォン: 学生で、災害を生き延びた生存者。
- キム・ドユン演じるドギュン: 最初は協力的でないように見えるが、信念を持ち続ける正義感ある人物。
監督オム・テファの紹介
オム・テファ監督は、2013年の映画『イング・トゥ・ギ』や2016年の『バニシング・タイム: ア・ボーイ・フー・リターンド』で知られています。彼の作品は、深い人間ドラマと緻密なストーリーテリングで高い評価を受けており、『コンクリート・ユートピア』もその傾向を継承しています。彼の映画作りのアプローチは、現実とファンタジーの境界を曖昧にすることで、観客に強烈な印象を与えます。
主演イ・ビョンホンの紹介
イ・ビョンホンは、1970年生まれの韓国を代表する俳優です。彼は『J.S.A. 共同警備区域』や『ア・ビタースウィート・ライフ』、『グッド・ザ・バッド・ザ・ウィアード』など、数多くのヒット作に出演してきました。彼の演技スタイルは、感情の深い描写とキャラクターへの深い理解に基づいており、『コンクリート・ユートピア』でもその才能が発揮されています。
映画『コンクリート・ユートピア』物語ネタバレ
ソウルの多くの人々が、高層価格のマンションに移り住み贅沢をするという淡い夢を抱いている。
冬のある日、唐突に大地震が起き、周囲の多くの高層ビル群は全て崩壊していくが、ミンソン (パク・ソジュン)が目を覚ますと、妻ミョンファ(パク・ボヨン)と二人で住んでいるマンションだけが崩壊を免れていることに気がつく。
崩壊から数日
当初はまともだった。マンションの崩壊から免れた生き残りの人たちにも食糧を分け与える余裕があったからだ。余裕があったからだ。
しかし、ある日、ミンソンの家を親子が訪ね助けて欲しいと懇願され、仕方なく一室を貸す羽目になる。徐々に物資が乏しくなり、お金が意味をなさなくなり、売人たちは周辺を散策して店を開くが、物々交換のみだとわかるとミンソンは大事な時計を渡して交換することになる。
ある日、マンションの一室の前で人が刺され、火事が発生する事件が起きる。狼狽える野次馬をどけてヨンタク(イ・ビョンボン)が消火ホースを伸ばして消火活動を行い、英雄扱いされる。
マンションの管理組合員が集まり話し合いを行い、何百ものマンションが崩壊したのに、このマンションだけが生き残ったのは我々が選ばれたからだ!と盛り上がり、このマンションを束ねるリーダーが必要ということになり、やはりヨンタクがリーダーとして決まる。
崩壊数ヶ月後、新たなリーダー誕生
そして、リーダーとなったヨンタクは住民たちを説得し、崩壊した土地から生き残った住民たちに対し、マンションの住民以外誰もこのマンションには住まわせないと決断し、ミンソンの家を間借りしていた親子も追い出すと、ヨンタクが避難民全員に対し説明し、次々と反対意見がでて暴動が起き、マンション内に入り込もうとするが、住民全員で暴力的な方法で抑え込むことに成功する。この際、気弱みにえたヨンタクが矢面に立ち血だらけになってこのマンションから出ていけ!と皆を鼓舞したため、彼への英雄扱いがより増していく。
男たちが採集に出かけた資源を分け合う独自の文明を築き上げ、ヨンソクを担ぎ上げるマンションの婦人会の会長クムエ(キム・ソニョン)がしゃしゃり出て仕切り出し、新たな規則が作られる
・このマンションには住民だけが住むことができる。
・食事は配給制、量は寄与度によって変わる。
・このアパートで行われることは全て、民意である。
・従わないやつは追い出す。
その日から、男たちは周囲の物資探検、女たちは配給の手伝い、ヨンタクのリーダーシップのもと、自分たちの団地が秩序を保とうとしている一方で、厳しい寒さの中、難民たちが生き残れるはずもなく、外に物資探索に向かったミンソンは、外で寒さと飢えで死んでいる人たちがいる現実を噛み締める。しかし、生きるためには探索して物資を補給するほかなく、男たちは毎日歩き、外の世界が荒廃していることを見ないようにして暮らしていくが、徐々に他のマンションから物資が見つからなくなってくる。
ある夜、ミンファンが、あの日助けたが規則によって外に出されてしまった親子が他の一室に匿われているのを見つけて安堵する反面、バレたら危険だなと緊張する。
その日もヨンタク率いる探索チームが物資を探していると、銃で武装した先住民が現れ一触即発となる。ヨンタクが話に応じている間にミンソンが背後から襲いかかり、ヨンタクたちが男性を殴り殺したあと、物資を全て奪っていく。物資を集めている最中、殺された男性の横でなく妻と娘の姿を見たミンソンは、何も見なかったことにするのだった。そして、彼らは集めた物資でお祝いを大々的に開くのだった。
盛り上がっている最中、音に惹かれ現れた避難民は、このマンションの住民のヘウォン(パク・ジフ)だった。保護されたへウォンに対し、隣人のヨンタクは、自身の秘密を握るへウォンの存在が許せないようだった。
ある日、マンションの住民の一人が殺される事件が起きる。密告を受けたヨンタクはミンファンが見かけた避難民を匿っていることを知り、自ら探し出すとその親子を他の住民が見守る中、極寒の外に追い出す。ミンファンの訴えで動いたミンソンは、ヨンタクに直訴するが、逆に彼の暴力に屈してしまい、ソンミンもヨンタクの指示に従い、マンション内に住む避難民探しと追い出し作業を延々と続けることになる。
避難民を助けたのに殺されたドヒョンは納得がいかず、皆が集まる前でビルから飛び降り自殺をする。その様子を見ていたミョンファはヘウォンから、ヨンタクが団地の誰も知らない秘密を隠している可能性があることを知る。
男たちが資源探しに出かけている最中を狙い、ミョンファとへウォンヨンタクのアパートに忍び込み、冷凍庫の中から本物のヨンタクの死体を見つけ、ヨンタクのふりをしていたのは、実はモ・セボムというタクシー運転手で、ヨンタクを殺してヨンタクになりきっていたのだ。
一方、資源を探していた男たちは、追い出した避難民たちの襲撃にあい、一人死亡、多くの負傷者が出るが、なんとかヨンタクたちは遺体を連れて戻る
皆が広場に集まったタイミングで、ミョンファは、隠していた彼の身分証と本物のヨンタクが隠された冷蔵庫を見せ正体をバラす。
エンディングネタバレ
追い詰められたセボムは、へウォンを瓦礫から突き落として殺すと、自分がヨンタクに大金を支払ったので、このアパートの正当な所有者は自分だと主張し叫ぶ。そこに銃で武装したミンソンが現れセボムに銃を向け、出ていくように求めるが、結局セボムに銃を奪われミンソンは殺されそうになる。
そのタイミングで、突然探索中にヨンタクたちに襲いかかった暴徒が現れると、マンションを奪い取ろうと襲いかかる。
銃を持ったセボムは変わらず団地を守るために次々に銃で暴徒を殺して対抗する。ミョンファとミンソンは部屋に戻るが、侵入してきた暴徒に襲われ負傷しながらも部屋を脱出する。
外に出ると、暴徒の持ってきた爆弾で息の根を止めようとするが、セボムは爆弾を恐れず外に捨て、多くの負傷者を出す。その行為によって、住民から再び指示を得たセボムは歩いて自分の部屋に戻ると倒れて死亡する。
マンションを脱出したミンソンとミョンファは近くの教会に避難するが、先ほどの襲撃で腹部を刺されたミンソンは負傷し、翌朝息を引き取る。
泣いていたミンソンを見つけたのは、別の生存者で彼女たちについていったミンソンは、新たな崩壊したマンションのコミュニティに移り住み、新たな人生を歩もうとするのだった。
海外の感想評価IMDb 6.8/10
レビュー2: 肯定 タイトル: “生き残りの戦いに隠された深いメッセージ – コンクリート・ユートピア” 評価: 8/10
『コンクリート・ユートピア』は、単なる災害映画を超え、人間の本質と社会の脆弱性を巧妙に描き出しています。イ・ビョンホンの演技は圧巻で、彼のキャラクターYeong-takは緊急事態におけるリーダーシップの難しさと倫理的ジレンマを見事に体現していました。映画は、極限状況下での人間関係と社会的秩序の崩壊をリアルに描写し、観客に深い思索を促します。特に、サバイバルの中で浮き彫りになる人間の良心と利己主義の間の戦いは、この映画の核心をなしています。
レビュー3: 肯定 タイトル: “コンクリート・ユートピア – 壮大なスケールと人間ドラマの融合” 評価: 9/10
『コンクリート・ユートピア』は、壮大なスケールの中で人間性を掘り下げた傑作です。オム・テファ監督の繊細な手法は、破壊されたソウルの風景を背景に、登場人物たちの心理的な葛藤を巧みに描き出しています。イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨンの演技は非常に説得力があり、彼らのキャラクターは観客に深い感情移入を促しました。物語は、単なるサバイバルのドラマではなく、社会の崩壊と再生についての深い洞察を提供しており、その複雑なテーマは観客に強烈な印象を残します。
タイトル: “理想郷からの転落 – コンクリート・ユートピアの不協和音” 評価: 4/10
『コンクリート・ユートピア』は、混乱と絶望の中での人間性の探求を試みましたが、その過程で映画は自らのメッセージを見失ってしまったようです。サバイバルの緊張感と人間ドラマのバランスが取れていないため、物語は散漫で断片的に感じられました。特に、イ・ビョンホン演じるYeong-takのキャラクターは、リーダーとしての悲劇的な堕落を描くはずが、彼の動機や変貌が不明確で、感情移入が困難でした。映像面では優れているものの、ストーリーの深みや登場人物の多様性に欠ける点が目立ち、本作は単なるカタストロフィー映画に留まってしまったと感じられます。
タイトル: “理想と現実のはざまで失われたポテンシャル – コンクリート・ユートピア” 評価: 3/10
『コンクリート・ユートピア』は、その題材に対する野心に反して、結果としては単調で予測可能な映画に終わっています。オム・テファ監督の映画作りのアプローチは革新的であると期待されましたが、この作品では新鮮味に欠け、テーマの深堀りに失敗しているように感じます。キャラクター開発も不十分で、特に主要人物の心理的変化が表層的で説得力に欠けました。緊迫感あるシーンの構成も、結果的には観客の関心を引き留めるには至らず、物語のポテンシャルを活かしきれていないと感じられます。
酷評レビュー2: タイトル: “表面的なキャラクターと進行の弱点 – コンクリート・ユートピア” 評価: 2/10
『コンクリート・ユートピア』は、その壮大なビジュアルとは裏腹に、内容的にはがっかりさせる作品でした。登場人物たちは一面的で、彼らの行動や決断の背後にある動機が十分に掘り下げられていません。これにより、映画は感情的な深みや複雑さを欠いており、観客を物語に引き込むことに失敗しています。また、物語の展開に一貫性がなく、場面のつながりが不自然で強引な印象を受けます。全体として、『コンクリート・ユートピア』は、映画としてのポテンシャルを生かしきれず、物語の深みとリアリティに欠ける残念な作品でした。
「コンクリート・ユートピア」まとめと感想
『コンクリート・ユートピア』の全体評価として、この映画は、高い期待を背負いながらも、最終的に多くの点でその潜在能力を活かしきれなかった作品であると結論づけられます。映画は、緊急事態における人間性の探求という、非常に強力で興味深いテーマを扱っているにもかかわらず、そのテーマを深く掘り下げることに失敗しています。
まず、映画の最大の弱点は、キャラクターの開発の浅さです。主要人物たちは一面的に描かれ、彼らの心理的な変化や内面的な葛藤が十分に表現されていません。これにより、観客が物語に感情移入することが難しくなっており、登場人物たちの運命に対する共感や関心を引き出すことができていないのです。特に、映画の中核をなすはずの人間関係と社会的なダイナミクスが、表面的で予測可能なものになってしまっています。
さらに、映画の物語展開にも問題があります。場面の繋がりが不自然で強引であり、物語の流れに一貫性が欠けているため、観客を没入させることができていません。映画は、緊張感を生み出すことに部分的に成功していますが、その緊張感が物語の深い洞察や重要なメッセージにつながっていないのです。
また、映画はビジュアル的には印象的ですが、それだけでは物語の欠点を補うには十分ではありません。映画の視覚効果や撮影技術は、物語の欠如した深みを補うものではなく、しばしば観客の注意を物語自体から逸らしてしまっています。
総じて、『コンクリート・ユートピア』は、その野心的なテーマとビジュアルにもかかわらず、キャラクターの発展の欠如、物語の流れの弱さ、そして感情的な共感を生み出すことのできない脚本により、期待を満たすことができなかった作品であると言えるでしょう。映画は、一連の面白みのあるアイデアを提供してくれますが、それらを十分に発展させ、観客に強い印象を残すことはできていません。
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