映画『Sisu』物語ネタバレと感想評価「フィンランド人の強さシスが興味深い」




「なんだこれ、クソ面白いぞ」2023年全米公開された映画『SISU』物語結末までネタバレ!金塊を手に入れたフィンランド人退役軍人と残忍なドイツ軍将校の追跡を描いた歴史アクション。追うものと追われるものというシンプルでわかりやすく、映像アクションはスタイリッシュでゴア表現バッチリで見応えのある作品です。

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映画『Sisu』物語ネタバレ

1944年末、ラップランド

ラップランドの荒野で退役軍人のアタミ・コルピ(ヨルマ・トミラ)は金の採掘を続けている。彼の頭上をひっきりなしに戦闘機が飛び交い穏やかな夜が訪れたことはない、ある日いつものように穴を掘っていると、巨大な数十キロ近い金の塊を見つけ言葉を失う。この金を換金するためには街に行く必要があるが、危険な紛争地帯を横断する必要があるため注意が必要だ。旅の準備を始めるため川で水浴びをしているアタミの身体中は傷だらけで彼が過酷な戦争を生き延びた歴戦の勇者であることが窺える。準備を終えたアタミは愛犬と共に街に向かう。

街に向かう途中に、戦車、トラックに乗ったナチス親衛隊隊長ブルーノ・ヘルドルフ(アクセル・ヘニー)、その部下のウルフ(ジャック・ドゥーラン)率いる30人小隊に遭遇する。ナチスドイツ軍の彼らは退却途中で通りかかった集落から略奪を行い、男や子供は全員殺し女はトラックに乗せて陵辱をしている最悪の連中だった。ブルーノはアタミに興味は持ったものの互いに無視して別々の方向に向かう。

何事もなく通り過ぎたと思ったが、途中小休止をしていた別のナチスドイツ軍の兵士たちに捕まり、アタミを銃で脅すと彼の犬を的にして銃を撃ち始める。兵士の一人が馬にくくりつけた鞍袋に隠されていた金塊を見つけた瞬間、アタミはそこにいた五人の兵士をナイフで瞬殺する。戦車に乗り先行していたブルーノは銃声に違和感を覚えて戻ってくるとアタミに殺された兵士の亡骸の手に金の塊が握られていることに気がつきアタミを追跡することに決める。

ブルーノの乗る戦車がアタミを見つけると問答無用で砲撃を続け銃を撃ちまくる。アタミが道から外れて逃げたのを確認すると戦車は砲撃を止める。アタミが馬を走らせていると地雷を踏んでしまい吹き飛んでしまう。この場所が地雷原だと気がついたアタミは愛馬の死を悲しみ金塊を拾い集め始める。ブルーノ小隊が到着して彼を包囲するが、アタミは石ころを投げて地雷を爆発させると次々に他の地雷が誘爆をはじめ、爆炎が煙幕がわりになりアタミの姿が見えなくなる。

ブルーノの指示で四人の部下がアタミを追跡するが、30m走る前に地雷を踏んで粉々に吹き飛んでしまう。それぐらい地雷が敷き詰められているこの道の安全を確保するため、ブルーノは集落でさらった女性二人を隊列の先頭を歩かせ地雷避けに進軍を開始する。ブルーノは馬の亡骸の近くでアタミのドッグタグを見つけ、彼はかつてフィンランドの司令官としてロシア軍と戦い家族や部隊を失っても単独で大軍相手に奮闘し、敵軍を皆殺しにした伝説の兵士、不死身の男、と呼ばれる男だと知る。

傷つき疲れ果てたアタミは戦車の残骸で傷の治療を行い睡眠を取る。朝になりブルーノ小隊が軍用犬を率いているのを見たアタミは、ドイツ軍の車両の下に潜り込むと燃料タンクに穴を開けガソリンをかけて自分の匂いを隠す。燃料漏れに気付いた小隊が止まった瞬間に川に逃げ込むがブルーノ小隊に見つかり川に飛び込み逃げる。ブルーノは浮上したところを殺そうとするが、一向に姿を現さないため兵士を水中に送り込むが、水底に潜んでいたアタミに首を裂かれ喉から盛れた空気を奪われてしまう。アタミはドイツ軍3名の兵士を殺して対岸に着くが、ブルーノに愛犬を捕獲されてしまう。

ドイツ軍によって焼け野原となった街の残骸の中を歩くアタミは、ガソリンスタンド跡地で休息する。そこに現れた愛犬を抱きしめると愛犬の首輪に手榴弾がくくりつけられていることに気がつき、手榴弾を取り除き愛犬を助けるが爆発に巻き込まれて気絶してしまう。到着したブルーノたちは街灯にロープをかけアタミの首を吊るして動かなくなるのを確認すると、彼の金塊を全て奪って立ち去る。

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エンディングネタバレ

飛び出た釘に足をブッ刺して窒息死するのを防いでいたアタミは窮地を逃れる。翌朝燃料を求めて現れた二人のドイツ軍パイロットの一人を殺害して一人を捕虜として生かすのだった。

金塊を持って立ち去ったブルーノ小隊は、道中墜落した飛行機を見てドイツの敗北が近づいてきていることに気がつき始めていたため、奪った金塊で部下たちは逃がそうと考えていた。一方、アタミは生き残ったパイロットに飛行機を操縦させてブルーノたちの先回りして、まずはトラックの護衛を殺し女捕虜たちに武器を渡して解放した後、協力して兵士たちを皆殺しにする。

残った戦車に乗り込みウルフを戦車から引きずり降ろし、彼に辱めを受けた女たちにウルフの始末を頼む。飛行場に辿り着いたブルーノは苦楽を共にしたシュッツェを殺害し迎えにきたパイロットと共に飛び立つ。飛行機が離陸前に銃を乱射して飛行機の操縦士に重傷を負わせたアタミは飛行機に乗り込むと、ブルーノに手錠をつけ爆弾に引っ掛けて飛行機から落下させてぶっ殺す。パイロットが死亡し、飛行機が不時着する。

ドイツ軍の戦車を奪った女性たちはウルフと戦車をフィンランド軍に届け保護されていた。

沼に不時着したのが幸いだったのか生き残ったアタミは愛犬と再会し、バイクで街の銀行を訪れると大量の金塊をカウンターに出したところで物語は終了する。

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まとめと感想「タイトルの意味を知ってゾクゾク」

シスと聞いたら暗黒卿シスを思いつくぐらいだったが、視聴後に意味を調べてフィンランド人の国民性を表す言葉が”SISU”シスと言うこと、彼らの国民性とは不利な状況であっても諦めない強い心を持つということらしい。フィンランドは常に隣国ロシアからの侵略との戦いの歴史があること、しかし彼らは降伏などせず国民が一丸となって戦ってきた強さを育んできたことを知り、ああ、映画の主人公のモチーフが”シモ・ヘイへ”と知って色々と納得した。

余計な展開や背景は語らず、敗戦濃厚なドイツ軍がフィンランドから撤退する間際に退職金がわりにアタミの金塊を狙い、伝説の兵士アタミがぶっ殺し返す物語を淡々と流すだけ。これがまた良い。余計な情報がなく、追うものと負われるものだけのシンプルな構図でわかりやすく、互いに持っている戦力を出し惜しみしないこと、大国ドイツの兵力と最新兵器による武力vs、SISUを持ったフィンランド人兵士の戦いを純粋に楽しめる。

ガッツリドイツ兵がクソ野郎に描かれているのもスカッとするし、イコライザーやジョンウィックみたいに傷つくけど超強いおじいちゃんもかっこいい。

90分が本当にちょうどよく、綺麗にウルトラCの技を決めて着地も完璧って感じで物語が終わるので”良い映画を見た!”って気持ちにさせてくれる。

今日は良い日だ!って思わせてくれる。

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