「タイトルだけでグッときた人を裏切らない傑作」映画『コカイン・ベア/Cocaine Bear』物語と結末までネタバレ。コカインクマが大暴れよりと同じぐらい、愛すべき間抜けな登場人物達の予測不能な展開とテンポのよさは見事の一言。見ないと損するレベルのおバカB級作品です。
もくじ
『コカイン・ベア』作品情報
上映日:2023年2月24日(アメリカ)
上映時間:1時間35分
制作:米国
公式サイト
公式Facebook公式Instagram英語
撮影地
アイルランド・ダブリン
制作会社
Universal Pictures
Brownstone Productions
Lord Miller
あらすじ
1985年に起きた麻薬密売人の飛行機事故、紛失したコカイン、そしてそれを食べたツキノワグマという実話に着想を得て、ジョージア州の森に集まった警官、犯罪者、観光客、10代の若者たちという異色のグループが、500ポンドの頂点捕食者が驚異的な量のコカインを摂取して、さらなる打撃と血を求めてコカインを燃料にして暴れまわる
キャストスタッフ
監督
エリザベス・バンクス
脚本
ジミー・ウォーデン
キャスト
ケリー・ラッセル… サリ
オールデン・エアエンライク…エディ
オシェア・ジャクソン・ジュニア…デイビッド
レイ・リオッタ … シド
アイシア・ウィットロック・ジュニア …ボブ
ブルックリン・プリンス … ディー・ディー
クリスチャン・コンヴェリー … ヘンリー
マーゴ・マーティンデール…レンジャー リズ
ジェシー・タイラー・ファーガソン …ピーター
クリストファー・ヒヴジュ…オラフ(クリストファー)
映画『コカイン・ベア/Cocaine Bear』物語ネタバレ!
1985年
麻薬密輸業者アンドリューはコカインを摂取した興奮状態で飛行機から大量の積荷を落とした後、ダッフルバッグを持って夜なのにサングラスを装着していざパラシュートで脱出しようとしたがスカイダイビング初心者あるある、搭乗口でジャンプしてしまい頭を強く打って気絶。そのまま落下して死んでしまう。
“アメリカクロクマはナワバリ意識によって人を襲うことは滅多にありません。ただし襲われた場合は死んだふりは通用しないので反撃した方が生き残る可能性は高いです“
とメッセージが流れる。これから現れる凶暴なラリったクマはそんなに恐ろしい存在ではないよと言っているのだろう。
コカイン大好きベア
ブラッドマウンテンを散策するエルザとオラフが自然を堪能していたところに一匹のツキノワグマが現れる。人には襲いかからないから大丈夫だと呑気に写真撮影をしているが、そのクロクマは体を木にぶつけたり蝶々を追いかけたりと何か様子がおかしい。クマの異変に気付いた二人は逃げようとするが二人は襲われエルザは食い殺される。
ニュースが流れテネシー州ノックスビルに麻薬密輸業者アンドリューが“コカインと一緒に降ってきた“とニュースで話題になっていた。地元刑事のボブが調査しコカインの元締めはセントルイスの麻薬王シド・ホワイトのもので、残りの大量のコカインの行方が不明なのが気がかりのようで犬を警察官のリバに預けてブラッドマウンテンに向かう。
コカインを探せ
ジョージア州北東部
中学生のディー・ディーは看護師の母親サリの新しい恋人とナッシュビルに出かけるため、週末の予定を変更した母に腹を立てていた。そんな母親に反抗するため悪友のヘンリーと学校をサボってブラッド・マウンテンの滝を見にいく。学校からの連絡でディーディーが滝を見に行っていることを知ったサリは二人を探しに山に向かう。
麻薬王シドが残りのコカインを回収するため、デイビッドと妻を亡くして落ち込んでいるシドの息子エディの二人を森に向かわせる。ジョージア州に到着したデイビッドがトイレに向かうと、地元のギャング三人組に強盗されるが全員返り討ちにする。気絶したギャングの一人スタッシュが探していたコカインの小包を持っているのを発見し、彼らが見つけたコカインの隠し場所までデイビッドとエディを案内させる。
ディーディーが森の中で小包を見つける、中身がニュースでやっていたコカインだと分かった二人は山盛りいっぱい口に含んでみるがあまりの味に全て吐き出して悪態をつく。そこにコカインの匂いに惹かれてクロクマが現れ二人が廃棄したコカインを大量に摂取しているのを目撃して逃げる。サリはブラッド・マウンテンを守るレンジャーのリズとピーターを訪れ三人で山に入る。
愛すべき間抜け達
木にしがみついているヘンリーを見つけた三人がディーディーを探していると、ピーターがコカインの小包で足を滑らせて服に大量のコカインが付着してしまう。そこにコカインベアが現れヘンリーに襲い掛かるが隣のピーターの方が大量のコカインを持っていると勘違いし方向転換してピーターに襲いかかり食い殺す間にヘンリーとサリは逃げる。途中にディーディーが絵の具を垂らした跡を見つけ追いかける。
パークレンジャーのリズは熊に追われながら駐在所に戻り銃に弾を込め、デイビッドに負けて怪我をしたギャングたちにドアを開けさせ目の前のコカインベアを撃とうとするがなぜか目をつぶって撃ちギャングの頭を撃ち抜いてしまう。狼狽している間にクマはもう一人のギャングを奥の倉庫に引き摺り込み、その間にリズは救急車を呼ぶ。
救急隊員のベスとトムが到着しリズを救急車に乗せるがコカインベアが追ってくる。リズは追いかけてくるクマを再び目をつぶり反撃するが当たるはずもなく救急隊員にちゃんと狙えよと突っ込まれる。結局コカインエアに追いつかれて全員ぶっ殺されてしまう。
コカインを探し続けていたボブは偶然屋根の上に隠されたコカインを見つけ屋根の上に登ると、デイビッド、エディがスタッシュの案内で現れるが屋根の上から銃を向けられた三人は何もできないが、屋根から降りられなくなったボブも銃を向ける以外何もできずにいた。
そこにコカインの匂いにつられてコカインベアが現れる。三人は死んだふりをしてやり過ごそうとするが、コカインベアはエディの上に覆い被さり襲われそうになったため、ボブは小包の一つを開けてクマを遠ざけ逃げようとするが、警察官リバの案内でここまできた麻薬王のシドがボブを狙撃銃で撃ち殺されてしまう。スタッシュはどこかに逃れ残った四人はダッフルバックの行方を探す。
エンディングネタバレ
サリとヘンリーは洞窟に続く絵の具を追い続け冒頭で襲われた旅行者の一人オラフとディーディーを発見。しかしその洞窟はコカインベアのすみかでコカインまみれで真っ白になった2匹の子グマがいてコカインベアが現れる前にこの場所から離れるために動き始める。
シド、エディ、デイビッド、レバは洞窟を見つけ中で食べ散らかされたダッフルバックとサリ、ヘンリー、そしてディーディーを見つける。シドは目撃者は全員殺そうとするがそこにコカインベアが戻ってきたため、サリー、ヘンリー、ディーディー、デイビッド、エディ安全な水の中に飛び込むがシドはコカインを諦めきれず残ってコカインを回収するがコカインベアと子グマ達に内臓を生きたまま食べ散らかされてしまう。
無事に逃げたデイビッドとエディは車に戻りリバからボブの犬をエディに渡して世話をすることになった。サリ、ディーディー、およびヘンリーは歩いて家に戻っている。
エンディングの途中で、しれっと逃げたスタッシュがコカインの入ったダッフルバッグを持ってニューヨークへヒッチハイクする様子と、エディがボブの犬を息子のゲイブに渡すが、犬がデヴィッドの切断された指を食べていることに気付いたところ物語は終了する。
海外の感想評価メタスコア:54点
8/10
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うーん、何から話せばいいんだろう。予告編も観ず、レビューも読まず。ポスターとタイトルを見て、”絶対見るぞ “と思っていました。見終わった後、自信を持って言えるのは、まさに「コカイン・ベア」という名の映画があるべき姿だということです。
非常に楽しくてぶっ飛んだスリラーであることはもちろん、この映画はヒステリックだ。私は頻繁にフルボリュームで笑っていました。印象に残る部分と笑える部分が絶妙に組み合わさっているのです。何をやっているのかよく分かっている。
もうひとつ嬉しかったのは、スタジオが勇気を出して、製作者に思い切りやらせてくれたことです。同じようなトーンを目指した『M3gan』と比較しています。しかし、M3ganはPG-13にトーンダウンされ、ティーンエイジャーも見ることができるようになりました。Cocaine Bear』はR指定であり、絶対にそうあるべきだ。この映画では、猥雑さはないものの、決して我慢しているようには見えません。
私はこの映画で大満足でした。タイトルや前提に興味を持ったなら、きっと満足できるはずだ。(1回鑑賞、2023
8/10
まさに嘘偽りのない内容です
この映画は、あなたが思っている通りのものです。コカインを摂取した熊が森で発狂しているのです。だからといって、良くないというわけではありません。実は驚くほど良いのです。
それくらい良いスリラーです。ほとんどハラハラドキドキで、ハラハラしていないときは大笑いです。
キャストは実はあまり関係ないんです。ケリー・ラッセルは驚異的。Alden EhrenreichとO’Shea Jackson Jr (Ice Cubeの息子)は一緒にいて、素晴らしい化学反応を見せてくれる。
プロダクションバリューはそうなので、超高予算映画でないことは間違いない。でも、見た目は悪くありません。特にアクションシーンの編集はよくできているし、CGIも実はかなり良い。
8/10
先行上映会
なんという乱暴さでしょう。救急車のシーン」だけでも、この映画を見る価値がある。全くもって非常識で、怖くて、面白くて、グロい。クマは本当によくできていて、クマとのシーンのほとんどはバナナだ。映画全体を通して、様々なキャラクターが登場します。それぞれ小ネタがあるのですが、うまく調和しています。少し退屈な展開になると、クマが飛び出してきて、さらに楽しい殺戮を繰り広げるので、いつも楽しくておふざけが多い。演出、特殊効果、演技が素晴らしい。簡単なジョークはほとんど成功し、映画館全体が大笑いしていた。コメディ・ホラーの良作。革命的なものはないが、最終的には本当に楽しいポップコーン・ムービーだ。
『コカイン・ベア/Cocaine Bear』まとめと感想
これは面白い。
コカイン吸ったクマが人間を襲うとか最高かよ!
という期待を一切裏切らないというね。素晴らしいよ。
どんな映画になると思ったらホラー、アクション、コメディが見事に融合した作品だった。
冒頭3分でコカインでぶっ飛んだ馬鹿野郎が頭をぶつけて落下死するシーンを見た誰もが“この映画は絶対に面白いやつだ“と思う期待を最後まで裏切らないし。
登場人物が多いと感じるがそれも大丈夫で。
コカイン欲しい刑事、麻薬王の命令で回収に来た部下と妻を亡くしたばかりの麻薬王の息子、地元のギャング三人組、間抜けなレンジャーたち、シングルマザーと娘とタフガイ振りたいボーイフレンド、救急隊員、そして冒頭のハイカー二人。こいつら全員良い感じに尖って目立ってバカで間抜けで愛しくなるほど上手に描かれ、感情移入仕掛けたところであっさりと死んでいくテンポの良さ、緩急が見事すぎるし、最初から最後まで全くくダレずに見事に着地させてしまうし。なんだかんだで勧善懲悪がはっきりしていてストレスを感じさせないのも“スモーキンエース 暗殺者がいっぱい“を初めて見た時に感動したあれに似ている。
そしてコカインベア、コカインに魅了された可愛いクロクマ、最後に登場する顔中をコカインで真っ白にした子グマ達の可愛さ。
なんてこった、これが面白い良い映画ってやつなんだなと。
ひょっとしたら例の『クマのプーさん 血と蜜』がやたら低評価なのはプーさん扱うならこれぐらい面白い脚本にしやがれよ、という目の肥えたファン達の愛の低評価だったのだろうか。もちろん私は比較するつもりもないしプーさんはプーさんで最高に好きだが、コカインベアは扱う題材から面白そうなのに期待を裏切らない脚本、展開の完璧さは頭ひとつ抜けているのは間違いない。
この監督の次の作品が超期待値上がっちゃったよ。
なぜか世界的に評価が低いのが気になったのでこれから海外のレビューを集めてみようと思う。
良い映画を見た!!!
おすすめ!
2024年アメリカ公開映画
ネタバレ↓