「人喰い衝動に苦しむ二人に幸せは訪れるのか?」サスペリア監督の新境地映画『ボーンズ アンド オール』物語結末までネタバレと海外の感想評価とまとめと紹介。
ある日無意識に食人衝動が発症し友人の指を食べてしまった少女マレンが出生の秘密を知るために母を訪ねるも行く先々で同じ衝動に苦しむ人、楽しむ人などの同族たちと出会う中、美少年リーと出会った彼女は一緒に平穏な暮らしを求めるが…
吸血鬼の新解釈とも言える新たな視点から生み出された“食人衝動”という不可解な病を見事に調理したこの作品はおすすめです。
もくじ
映画『ボーンズ アンド オール』作品情報
上映日:2022年11月23日(アメリカ)
上映時間:2時間11分
制作:イタリア/米国
公式サイト
公式サイト(日本)
言語:英語
ケミクレル・ヴェ・ハー・シェイ
撮影場所
アメリカ・ケンタッキー州メイズヴィル
制作会社
Frenesy Film Company
Per Capita Productions
The Apartment
あらすじ
カニバリズム(人を食べる行為)衝動を抑えきれず悩む少女リーとマリーがこの衝動の謎を解くための旅を始めるが、謎の男が2人を追いかけていた。
スタッフキャスト
監督
ルカ・グァダニーノ
脚本
デヴィッド・カジガニック
キャスト
テイラー・ラッセル… マレン
アンドレ・ホランド… マレンの父
エリー・パーカー… ジャッキー
マデリン・ホール… キム
クリスティン・ダイ… アテンダント
マーク・ライランス …サリー
ティモシー・シャラメ … リー
ショーン・ブリジャーズ … バリー・クック
アンナ・コブ…カイラ
デヴィッド・ゴードン・グリーン…ブラッド
映画『ボーンズ アンド オール』物語結末ネタバレ
バージニア州の高校
マレン(テイラー・ラッセル)は友人のシェリー(ケンドル・コフィー)から週末に自分の家にお泊りに来ないかと誘うがマレンは父親が許してくれないと言うためこっそり抜け出すことを提案する。
マレンは父親のフランク(アンドレ・ホランド)が寝静まった後、マレンはこっそりシェリーの家に向かいキム(マデリン・ホール)とジャッキー(エリー・パーカー)と四人で女子会を楽しむ。そこでマレンは母親のことを聞かれるがマレンは答えることができずにいるとキムが匂いのついたマニキュアを見せるとマレンはその指をつかむと指に噛み付く。泣き叫ぶキムの声でシェリーがマレンを引き剥がすとキムの指はぐちゃぐちゃに噛み砕かれ千切れかけていたが、マレンは慌惚な表情を浮かべていた。叫び声で我に帰ったマレンは家に逃げ帰ると父フランクは血だらけのマレンを見て何が起きたか理解し今すぐに準備して3分以内に家を出るぞと告げる。
マレンとフランクはメリーランド州に逃げるが一夜明けるとフランクはマレンが眠っている間に彼女を置き去りにしていなくなっていた。残されたのは少額のお金と録音テープでそこにはフランクの声でマレンが人肉を食べようとしたのは今回が初めてではないこと、この発作を持つ彼女を守れないこと、マレンが3歳の時にベビーシッターを噛み殺していること、フランクがその死体を隠したこと、8歳のとき、キャンプで男の子に同じことをしたことが吹き込まれていた。
同族の男サリー
その録音を聴きながらマレンは失踪した母と出生の秘密を探すためにオハイオ州へ向かう。初日の夜、何か気配のようなものを感じその先にいる老人が近づいてくると、男は自らをサリー(マーク・ライランス)と名乗るとマレンの匂いで“自分も食人鬼“であることを自己紹介する。サリーはマレンについてこいと一軒家に案内すると、2階の寝室で発作を起こし倒れている老婆を見せる。サリーはもうすぐ死ぬ匂いが分かりここにマレンを連れてきたのだという。見殺しにする老婆、この後に行われることを悲しみ涙するマレンだったが、サリーは子の人肉への飢えは満たされなければ無くならないと伝える。
朝になると、マロンはサリーと同じように匂いを感じ老婆の元に向かうとサリーは老婆の遺体を食べ始めており、マレンは無言で近づくと一心不乱に老婆の遺体を食べ始める。一息ついたサリーは今まで自分が食べた(あるいは殺した)人間の髪の毛で作った長いロープを見せ互いに口から胸まで血だらけの状態で会話をした後、サリーがシャワーを浴びている間にマレンはバスに飛び乗りその場を立ち去るが、サリーはその様子を眺めていた。
同族の青年リー
マレンは、別の状態で停止し、彼女はいくつかの製品を万引きしようとする店に行く。そこで彼女は、酔っ払った男(ショーン・ブリジャーズ)に付き纏われている母親を見かけ、店の店員リー(ティモシー・シャラメ)に声をかけリーは男に詰め寄るがびびって逃げたため、酔った男はリーを追って外に出て行ってしまう。少し経ってマレンが店を出ると近くの廃墟から匂いを感じて様子を見ていると、リーが上半身裸で顔と首を血で汚した状態で出てくるのを見かけ、マレンはリーに自分も同じ食人鬼だと伝えると、リーは殺した男のトラックにマレンを乗せて男の家に一晩泊まる。
翌日、二人はリーの家に向かい妹のカイラ(アンナ・コブ)に会うがカイラはリーが人肉を我慢して静かに暮らすという約束を破ったことを責められ、リーはマレンが母のもとへ行くのを手伝うと伝え旅を開始する。
人は骨まで食べる
旅の途中、ふたりは互いに愛し合うようになる。のどかな草原で休憩していると突然ジェイク(マイケル・スタールバーグ)とブラッド(デヴィッド・ゴードン・グリーン)という2人の男が現れジェイクは食人鬼だが、ブラッドはそうではないらしい。ジェイクは焚き火を囲みながら二人に、人は「骨ごと」食べることで、食人は普段肉を摂取しているとき以上の感情を抱くようになることを話す。夜もふけジェイクたちが眠りにつくとジェイクのトラックを盗みを行う、目を覚ましたジェイクが追いかけてきたがそれよりも早く二人は車をかっ飛ばして立ち去る。
マレンとリーはカーニバルに立ち寄り観覧車の上でキスをした後、マレンはリーに“お腹が空いた“と告げられたリーはカーニバルの屋台スタッフでゲイの男(ジェイク・ホロウィッツ)に目をつけコミュニケーションを取り親密になった二人は店を閉めた後に会う約束をする。
リーがスタッフをトウモロコシ畑に連れ込んでいるのをマレンが見にいくとをリーはスタッフのモノを背後からしごいている最中でスタッフがイクタイミングで素早く喉を掻き切るとマレンを誘って一緒に食べる。落ち着いた二人はスタッフは家が近くにあることを知りマレンが様子を見にいくとスタッフの帰りを待つ妻と幼い子供の姿を見てマレンは自分がしたことの過ちに気付き狼狽する。
一人旅になったマレンは、祖母のバーバラ(ジェシカ・ハーパー)の自宅を訪れるとしぶしぶマレンを中に招かれる。バーバラからジャネルは精神病院に入院していると説明し、場所を教える代わりに二度とここを訪れないと約束する。
マレンは母ジャネル(クロエ・セヴィニー)が入院している病院へ辿り着く。彼女はあまり喋らず、食人衝動を抑えきれず両手を食べてしまい手首から先がなくなっていた。喋らない彼女の代わりに看護婦は、ジャネルが数年前に書いた手紙をマレンに渡す。そこには、自分が食人鬼となったこと衝動を抑えられず娘のマレンを危険に晒してしまうことの恐怖や後悔が描かれていた。読み終わる直後、ジャネルはマレンを食べようと襲いかかってきたため看護師が抑えている間にマレンは逃げ出す。二人は口論した後リーのもとを立ち去る。
一人になったマレンが道を歩いていると、目の前に止まった車からサリーが現れずっとマレンを追っていたと伝える一緒に行動しようと誘われるが断るとぶっきらぼうに車を発進させ立ち去る。さらに歩いた先でリーの妹カイラと偶然出会い二人の父親のことを聞くと再会したリーから自分とカイラを虐待していたので彼を殺して食べてしまったと告白、そして2人は和解すると普通の生活を送ろうとする。
エンディングネタバレ
数ヶ月後、マレンとリーは食人衝動を隠し平穏に暮らしていたが、二人の住処を見つけたサリーに襲われてしまう。ナイフを突きつけ脅すサリーの背後から頭にビニール袋を巻き付け自由を奪うが胸を刺されてしまう。マレンはナイフを奪い取りサリーを何度も刺した後、動けなくなったサリーをバスタブに入れ、マレンはサリーの腹に手を突っ込み意識があるサリーの目の前で彼の臓器を取り出して見せつけたところでサリーは絶命する。
マレンはサリーの持ち物からこの場所を特定するためにカイラを殺したことを知る。胸を刺されたリーは、食人鬼は病院に行けず死期を悟りマレンに自分を食べるように言う。マレンとリーはキスをする。
草原で抱き合う裸のマレンとリーの姿が映し出されて物語は終了する。
海外の感想評価 IMDb:7.2/10
8/10
気の弱い人には向かない。映画の前にたくさん食べてはいけない。
映画全体を通して、演出はずっと観客を視覚的に魅了することに成功しています。私はスクリーンから目を離しませんでした。夏のアメリカ北東部の州を見事に捉えています。この映画は80年代後半に作られたので、80年代の曲を期待すると、少しレトロでインディーな感じがするところもある。
この映画は、カニバリズムという非常にデリケートなテーマを深い潜在意識から扱い、この症状を持つ人々が経験する困難を体験させる。
登場人物や彼らの境遇に同情するのは難しく、ほとんどの場合、ぞっとするようなシーンにショックを受け、少し、あるいはかなり気持ち悪く感じることでしょう。
しかし、一旦リラックスすれば(最初の食人鬼のエピソードから14分後)、食人鬼の攻撃よりも、映画の生理的な側面に集中できるようになる。
全体的に、もしあなたが本当に不穏なシーンを気にしないなら、この映画はこの状態を探求する興味深い作品になるでしょう。
この映画をおばあちゃんやお母さんと一緒に観に行かないでください。
5/10
ロードトリップ好きは、途中で食事に立ち寄る
ルカ・グァダニーノの作品の大ファンとして、『ボーンズ&オール』が期待はずれだったというのは悲しいことである。
撮影や雰囲気は美しく、映像の巨匠から期待されるものであるにもかかわらず、この映画は色調の変化に苦しみ、非常に冗長な脚本で、マーク・ライランスの素晴らしい演技に救われるだけである。彼の脅威的な存在感は、この作品の唯一の救いである。
そもそも相性の悪い恋人たちの間に交わされる木訥な会話によって、物語はひどくスローペースで展開される。ティモシー・シャラメは明らかにミスキャストで、彼の甘く柔らかな態度は、彼のキャラクターが持つはずの危険性や内なる暴力性とマッチしていない。
主役のテイラー・ラッセルは美しく、心に残る存在だ。彼女はまた、そのか弱い肩でこの映画の多くを支えている。しかし、未発達な家族の瞬間や繰り返される旅行の冒険は、彼女の個性をあまり作り上げるのに役立っていない。そのため、この映画の核となるホラー的な側面については、ほとんど失敗している。ほとんどの “グロい “瞬間は、ロマンスの中に押し込められ、作為的である。グロいシーンが少なすぎるし、トーンもバラバラで、結局は圧倒される。
傑作「サスペリア」の後、グァダニーノ監督にはホラー面でも期待していたのだが、豪華な風景に吸い寄せられ、緊張感や恐怖感を盛り上げることを忘れてしまったようだ。BONES & ALL」は結局、奇妙なグロテスクシーンに邪魔される退屈なティーンロマンスのロードトリップで終わってしまった。キャサリン・ビグローの傑作「ニア・ダーク」を観直せば、完璧なインスピレーションが得られたと思うので、このまま観賞することにします。
1/10
生きながら食われるのがいい
レビューを見ていると、この本が好きな人か、ティムにこだわる人のどちらかだと思います。この映画で描かれているティムの演技よりも、はるかに素晴らしく、詳細な描写がなされている、象徴的なヤク中やジャンキーは、映画の歴史上、数多く存在する。
この映画はひどいもので、20分の内容が2時間以上も続き、ほとんどの映画で文字通り何も起こっていないのです。自分たちがどんなジャンルなのか分かっていないので、どのジャンルにもコミットしておらず、どのタイプの映画としても堅固なものにはなっていません。ロマンスという切り口は悲しいもので、芸術的で深みのあるものにしようとすると、未熟な壊れた子供のように見えてしまい、二人の間に本当のロマンスのように感じられるような会話はありませんでした。
ホラーやゴアシーンはまあまあで、断片的にはよくできていた。サリーは唯一の明るい話題で、素晴らしい演技をしていたし、あの男は良い映画では正当に素晴らしい悪役になれただろう。しかし、これはそうではなかった。この作品の多くは非常に意味不明だが、深くて重要であるという傲慢な偽装に隠れようとしている。
この女の子は、複数の作品に出演していますが、とても平凡です。犯罪的に過大評価されているティミーについては、彼の映画を6本ほど見ましたが、気取ってるか、非常に退屈です。彼は非常に過大評価されていて、クロスドレスを着て人々が興奮する最新の飢餓少年にしか感じられません。最近、大物になるために必要なことが少ないのは悲しいことです。この2人のどちらも、ここでは何のパフォーマンスも見せていない。
ラストシーンを例に挙げると、これはネタバレにならないのですが、衝撃的な瞬間と結末から、丘の上で2人ともトップレスで座り、彼女の横乳を見せびらかすだけという展開になるのです。このような芸術性を追求した映画には、ただただ呆れるばかりです。
人生を無駄にしたり、昼寝に16ポンド払うのが嫌なら、この映画は見逃してください。
まとめと感想「切ないがもったいない」
切なく悲しいが、グロさが足らず、説明足らず、盛り上がりそうで盛り上がらず終わってしまうのが残念だった。
この物語ではカニバリズム(食人)について描かれているため多くの人はショッキングなシーンに胸糞悪くなるかもしれない。少女マレンは自分の中の食人衝動の出生の秘密を知るために母を探すが、旅先で多くの同族たちと出会う。彼らはそれぞれ食人であること隠し平穏を望むもの、楽しみ食すもの、隠れて食すものなどさまざまな生き方を学び彼女はこの衝動とどう向き合うか向き合い成長していく。しかし実際のところ人を殺すことには大きな代償があり、罪悪感と食人欲求、殺された人、残された家族など様々な場面に直面するが、その辺の描写が浅い、浅いのだ。
彼らはなぜ生まれ、人を食べたがるのか?病気か、オカルトか、神か悪魔か、血ではダメなのか、一度の食事でどれだけ食べれるのか、衝動を抑えるのはどれだけ大変なのか、人間の食事を楽しむシーンがあるが寄生獣のように我慢できるのではないか?食人衝動だけで脅威的な力は?生命力は変わらないのか?ただの病気なのか?など見ていれば見ているほどわき上がる疑問は一切解決しないまま、マレンの長ったるい(申し訳ない)なのに短い旅を長い尺で見るだけではあるので退屈と感じる部分も消化不良の部分も多く微妙だった。
ただし、監督は日常ののどかな風景とショッキングなシーンを交互にしかも丁寧にじっくり見せるので、平和な日常との差をより感じられゾクゾクさせてくれる。
だからこそ勿体無い。惜しい。でもこれはおすすめ。
文が意味不明すぎて内容分からん
逆に考えるんですよ。
文章が訳わからないんじゃなくて
映画が訳わからないんですよ。