映画『ランユー 情熱の嵐』ネタバレ!閉鎖的な中国でゲイが見つけた本当の愛とは?




「天安門事件を生きたゲイカップルの真実の愛を探す旅の果てを見届けよう」映画『ラン・ユー』物語エンディングまでネタバレと海外の感想批評を紹介。恋愛映画の食わずぎらいがこれで治るかも、この映画ほど美しい恋愛を描いた作品は見当たらない。

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映画『ランユー 情熱の嵐』作品情報

上映日
2001年11月22日(香港)
制作国:香港 中国
言語:中国語
別名
ラム・ヴュー(Lam Vũ)
Lan Yu
制作会社
Kwan’s Creation Workshop
Yongning Creation Workshop

あらすじ

若いゲイの苦学生ラン・ユーがお金のために年上の成功したビジネスマンのチャンと関係を持つ。ハンサムなプレイボーイのチャンは、快適でありながら閉鎖的な中国で嘘をついて女性が好きだと隠すか、誠実でありながら儚さと破壊をもたらす学生とオープンな生活のどちらかを選ばなければならない。

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スタッフ・キャスト

監督
スタンリー・クワン
脚本
ジミー・ンガイ
原作
匿名(不明)

陳捍東 (チェン・ハントン): 胡軍 (フー・ジュン)
藍宇 (ラン・ユー): 劉燁 (リウ・イエ)
林静平 (リン・ジンピン): 蘇瑾 (スー・ジン)
劉征 (リウ・ジェン): 李華彤 ( リー・ホァトン)
咏紅(ヨンホン、捍東の妹): 盧芳 (ルー・ファン)
大寧(ダーニン、咏紅の夫): 張永寧 (チャン・ヨンニン)
老太太(捍東の母): 趙敏芳 (チャオ・ミンフェン)
衛東(ウェイトン、捍東の弟): 李爽 (リー・シュアン)
牛媽(ニィウマー、陳家のお手伝い): 張少華 (チャン・シャオファ)
張姐 (チャンジェ、捍東の友人): 杜鶴(ドゥ・ホァ)
劉大力 (リウ・ダーリー、捍東の友人): 劉景毅 (リウ・ジンイー)

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映画『ランユー情熱の嵐』物語ネタバレ

1980年代後半、

中国北部の貧しい建築学科の学生ラン・ユー(リウ・イー)は、どうしてもお金が必要で知人の李に相談すると売春が一番手っ取り早いと教わる。そして李は実業家のチェン・ハントン(フー・ジュン)にランユーを紹介し一夜1000元(約2万円)でランユーを買うのだった。(李はチェ・ハントンの部下で、彼の性癖を知る数少ない人物のひとりだった)。

それから数ヶ月後の年末の夜に偶然出会った二人は再び共に過ごす。この出会いは少年にとって性的なものだけでなく、恋愛感情をも目覚めさせラン・ユーはチェンに恋をし、裕福なチェンはラン・ユー金と高価なプレゼントを贈り二人は恋人同士のようだった。

しかし、チェンにとってはラン・ユーも性処理相手の一人であり、ラン・ユーがいない時は彼の送り迎えの時に出会った体格の良い若いスポーツ選手を家に連れ込んでいた。タイミング悪く彼に会いたい一心で連絡をせずにチェンの家を訪れたランユーはチェンが連れ込んだ男を見て傷心してしまう。

1989年6月4日、中国の天安門事件で身の危険を感じたチェンはラン・ユーに会いに大学に向かい無事に再開する。この再開は二人にとっては大きな意味を持ちランユーはチェンが会いに来てくれたことに号泣し二人の関係に新たな一歩を踏み出す。

チェンはラン・ユーに車と新築の高級別荘を与えた。そこで二人は密かに暮らし始める。ラン・ユーにとっても最高の日々であったが、チェンの父は政府のトップ官僚、そしてチェンはその一人息子であるためお見合い結婚を迫られることが多く。今回もロシアとの商談を成功させるために同席した通訳兼ビジネスパートナーのリン・ジンピンと結婚しないといけないことをラン・ユーに伝える。もちろん結婚すればこの場所とは違う場所に住むことになるが、私がはランユーが本当に好きなこと、そしてこの家はランユーのものだから自由に住んで良いとも伝える。しかし二人それぞれの想いはすれ違い口論した挙句チェンの結婚を機にランユーはこの家を引き払いチェンと連絡を絶つ。

それからしばらくして、偶然訪れた空港でチェンとランユーは再会する。連絡先を交換してランユーの家で彼の手料理を食べながら二人の近況を話し合い、ランユーには彼氏がいること、アメリカ留学をする予定のこと、チェンはリンと離婚をしていることを話す。夜もふけラン・ユーがタクシーを呼ぼうとするとチェンは

”抱きしめたい”

二人は再び一夜を過ごす。

しかしの会社は、ロシアと行っていた密輸入とマネーロンダリングの容疑で捜査の手が伸びており懇意にしていた銀行の頭取逮捕の知らせを受け、長い懲役を受ける前にチャンはラン・ユーの夢だったアメリカ留学の背中の後押しのため彼のためにパスポートとビザの取得をしてプレゼントする。

後日ちゃんは父親が死んで、自分を守ってくれる後ろ盾と資産を失ったチャンは長い懲役刑に直面することになる。ラン・ユーはすぐに行動を起こし自分の貯金、チャンから譲り受けた別荘の売却代金、今までもらったプレゼントを持ち出しチャンを法的にも経済的に救うのに十分な資金を集めチャンを救う。ちゃんはこの青年こそ本当に自分の最愛の人であり、運命の人であることを悟るが翌日ラン・ユーは建設現場の事故であっさりと亡くなりチャンはラン・ユーの遺体の前で大声で泣く。

3年後、チャンはまだラン・ユーを失った悲しみから癒えずにいた。

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海外の感想評価 IMDb 7.1

9/10
ゲイメインの映画としては、さすがに熱い!!中国産です。

生ぬるい苦悩を期待したのですが、代わりに80年代から90年代の中国を描いた素晴らしいドラマがありました。
素晴らしいメロドラマであると同時に、この作品は熱いゲイ映画でもある。正面と背面の全裸、セックスもある。男たちは無毛でセクシーだが、リアルだ。キスもたくさん。
そして、あなたはずっと、「これは本当に中国で撮影したのだろうか?中国ではこれを許可しているのだろうか?」だと思うがその疑問に答えるとこの作品は「サンダンスのウェブサイトによると、これは中国で撮影されたもので、インターネットにのみ掲載された短編小説が元になっている」とのこと。
新中国でのゲイ・ライフに興味があるなら、ぜひ見てほしい作品です。

10/10
爽やかで自由なラブストーリー

「ラン・ユー」は、中国映画がますます痛烈になり、スペクタクルに頼らなくなり、政治的環境から見てより大胆になってきていることを示すもうひとつの例である。監督のスタンリー・クワンは、この痛烈な映画を作る勇気があるだけでなく、雰囲気のある、穏やかで静かな、そして光り輝く写真を使ったラブストーリーを作る才能も持っているのです。彼は俳優から控えめな演技を引き出し、決してカリカチュアライズすることなく、主題が持つ固有の繊細さに常に敬意を払っている。ゲイの建築学生ラン・ユーは、北京の閉鎖的なビジネスマン、チャンと交際することになる。二人が追い求める関係は、繊細でありながら情熱的で、センセーショナルな演出ではなく、真実味を帯びた控えめな情熱である。チャンの「正しい結婚」のために脇に追いやられ、離婚やその他の損失を招いた後にチャンは本当の愛 「ラン・ユー」を探すために戻ってくるという筋書きです。二人の関係の変化は、同性間の愛がより広く受け入れられるようにと、大きな声で語りかけている。結末を明らかにすることは、観客への冒涜である。「悪者」もいなければ、偏見や非難もない。この友人たちは献身的で、同性愛嫌悪を単に外国の重要でない言葉に見せている。この映画は、抑制された、知的で繊細に作られたストーリーのお手本である。俳優陣も一様に素晴らしく、私たちの心を掴んで離さない。お薦めです。

8/10
よくできたドラマで、少し驚きもあった・・・。

一般的に私はメロドラマがあまり好きではなく、「ラン・ユー」は古典的でサーク・リーグのメロドラマなので、この映画が好きとは言えません。親密さや、ゆっくりと発展していく関係の描写はとてもよくできていますし、この映画は明らかに思慮深く才能ある映画作家の作品です。ドラマチックな展開とは別に、乾いた日常を映し出し、ゲイの関係の正常性(あるいは正当性)を、おそらくまだその関係を受け入れつつある文化の中で、確実に強調している。夕食のシーンは、美しく撮影され、演出されたもので、際立っている。
監督のスタンリー・クワンは、『ROUGE』や『ACTRESS』など、芸術的に注目される作品を数多く発表しており、世界中で高い評価を得ていることは特筆すべきことです。ハリウッドのメロドラマ作家ダグラス・サークと日本の現代劇作家小津安二郎に大きな影響を受けたというクワンは、この作品でその両方の影響を受けていることがわかります。クワンはまた、少数の(しかし増えつつある)アジアの映画作家の1人であり、このこと(そして彼の芸術的影響)を指摘することは、この映画の全体的な重要性を理解する助けになる。
今日、最も創造的で魅力的なゲイ映画が、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカから生まれているとすれば(私はそう信じている)、この映画は間違いなくその波の中でベストのひとつに入るだろう。一見の価値ありです。

まとめと感想「驚くほどあっさり楽しめた」

驚いた、私が恋愛映画を見るとは。そして素晴らしい恋愛映画を見てしまった。日本で4kリマスターで上映されると言うことで慌てて視聴したが、あらすじだけで興味を持って余計な情報を仕入れずに見たのがまた良かった。

閉鎖的なイメージを持つ中国でゲイであることをオープンにすることはできず、でも存在するマイノリティの生き辛さを描く暗い作品ではないのに驚いたこと、海外のレビューにも書かれていたがこの作品に悪者が登場しないこと、シンプルに二人のゲイの関係だけにスポットを当てており、余計な三角関係になることもなく、ただただ二人が本当の愛に気付くまでを描いているのが良い。ドロドロしていたらとっくに見るのをやめていただろう。

恋愛映画なんて私が過去にこっぴどく振られて以来見るのが苦痛だったが、このような素晴らしい作品があるのなら少しづつ食わず嫌いをなくす必要があると感じた。せっかくだからこの作品に感動した人が他にいるのならコメントで「この作品もおすすめ」と教えてほしい。

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