『騙された。本当に騙された。最高だ!』海外で大絶賛されたホラー映画『ザ・フィクション/TRUE FICTION(2022)』物語エンディングまでネタバレと海外の感想を紹介。
もくじ
映画『ザ・フィクション/TRUE FICTION(2022)』あらすじ
作家志望で孤独な図書館員、エイヴリー・マローンは、主人公である隠遁作家ケイレブ・コンラッドのアシスタントに抜擢され歓喜する。
しかし、ケイレブの人里離れた屋敷に連れ去られたエイヴリーに与えられた唯一の仕事は、ケイレブの次回作の下敷きとなる恐怖の心理実験に参加することだった。
映画『ザ・フィクション/TRUE FICTION(2022)』スタッフキャスト
監督
ブレーデン・クロフト
脚本
ブレーデン・クロフト
キャスト
サラ・ガルシア…エイブリー・マローン
ジョン・カッシーニ …ケイレブ・コンラッド
ジュリアン・ブラック・アンテロープ… ピーター・ラヴィーン
ジュリアン・リッチングス … レニー・ルパート
キャサリン・ゲル… アリソン
ジェイソン・シュナイダー … コルトン / ドライバー / サードマン
リーモン・ジョシー… ヘンリー
映画『ザ・フィクション/TRUE FICTION(2022)』物語エンディングまでネタバレ
映画は作家志望で図書館職員をしているエイブリー(サラ・ガルシア)は今回有名作家ケイレブ・コンラッド(ジョン・カッシーニ)のアシスタント募集の面接を行なっている。彼女は”何でもする用意がある”と自信満々に答えている。
翌日、エイブリーが図書館で仕事をしていると、採用されたと連絡が入る。
有頂天になったエイブリーは、バッグに荷物を詰めほとんど言葉を話さない運転手の運転で人里離れた山小屋に行く。携帯電話も手放した。
コンラッドに会うためにドレスアップしたエイブリーは、彼が現れないと、レコードをかけて家の中で踊りまくる。見知らぬ人の家でやるのは冗談だと思うが、やがてケイレブが現れ挨拶をされてエイブりーはパニクる。ケイレブはこれから新作を作るにあたり”恐怖を理解し、そこからインスピレーションを得るための恐怖の実験「ゲーム」を行いたいという申し出に食い気味に同意するのだった。
早速始まったゲームだったが、別に不思議はことはなく1日は普通に過ぎてしまう。というのもエイブリーは視覚聴覚などを遮断する拘束衣のような感覚遮断スーツを着用させられると、パッチワークのビデオを見て、寝ている姿がビデオに撮られただけだ。
しかし翌日から何か違和感が生まれ始める、寝室を調べたがもちろんカメラは見つからない。床から悲鳴のような声、ドアから飛び出そうとすると、鍵がかかっていることに気付きパニクったエイブリーに対しケイレブは冷静に、家の中でじっとしていることが彼女の仕事だと説明する。が、聞き分けのないエイブリーはは下から女性の声がする!と叫び倒したことで、ケイレブはエイブりーを引き連れて鍵のかかっていたドアを開け階段で地下に降りる。
地下室には切り傷と血だらけの女性が鎖で繋がれていた。エイブリーはこの女性は!?とケイレブに聞くがケイレブは
「女性?どこに?私には何も見えないが」
とまさかの返答。女性のいる隅っこを指差し続けるエイブリー、見えないものは見えないと存在を否定し続けるケイレブ、エイブリーは一瞬、気が狂いそうになったと思うがこれも全てケイレブのゲーム(実験)の一環。エイブリーはパニックになり、あわてて階段を上がって2階では鍵が見つからず、また窓も割れない。
彼女は1階に降りて執筆中のケイレブにナイフを向けながらゲームの意図、謎の女性について問いただすが、彼は問題ない彼女=アリソンは女優だから、実験だと、のらりくらりと答え。その時、下で女性の悲鳴が聞こえ、エイブリーは彼女が殺されたと想像しますますパニックに陥る。そのタイミングで鉄仮面の男が現れ彼女を追いかけるがエイブリーは仮面の男を滅多刺しの返り討ちにして殺すのだった。
返り血で顔中血だらけになりながら、彼女はケイレブに会い、自分の大好きな作家がそんな裏切りをするわけがない、目の前の男は偽物だと言い出すと、ケイレブはここにいる他の者も全員役者であることを明かす。
そんな告白を受けてもエイブリーはまだ彼が本物のケイレブだと信じることができず、嘘発見器の機械に彼を置く。が彼が本物のケイレブであることを証明する。
それでもエイブリーは信用せずケイレブに真実を認めさせるため、彼の指を切り落とすと、ケイブリーが俳優であることを告げると、エイブリーはエージェントに電話をかけ、誰がケイレブを演じているのかを吐かせる。
エンディングネタバレ「まさかの逆転オチ」
ようやく目の前の男がケイレブ・コンラッドであり、彼が女性に嫌がらせをすることに喜びを感じる作家であることを理解した彼女は、反撃に出ることを決意します。
地下室の女性は俳優であることが明らかになり、エイブリーは自分が遊ばれていたこと、彼女は彼を地下室に鎖でつなぎ、彼の引き出しを調べに行くと、彼がネタのために彼女を殺そうと計画していた小説の草稿を見つける…本当に実験”ゲーム”で誰も怪我をしていないし血を流さず恐怖を煽ってそのリアルな反応を作品に生かそうとする作家魂が炸裂しただけの実験に過ぎなかったのだ・・しかしエイブリーはあまりに追い込まれ過ぎた結果サイコパスが発動してしまっただけなのだ。
一方、怒ったケイレブは手首を切って自由になり、エイブりーと戦うが、エイブリーは玄関の鍵を手に入れ、逃亡し自分の体験を本にして大ヒットを記録、そのためにインタビューを受けている。自分が経験したことよりひどいというジョークまで飛び出し、エイブリーがもう以前のような気弱な女の子ではないことを示唆して映画は終わる。
海外評価100点は本当だった
Rotten Tomatoes辛口レビューサイトで批評家と一般視聴者との評価がそれぞれ出るのだが、批評家はまさかの100%が肯定的という結果が出ている。
しかし、この作品は海外で2019年に公開されているのであれから3年経っても一般レビュアーのコメントがないってことは、普通に誰も見ていないか、宣伝されず単館公開だったということだろうか・・。一応批評家のコメントを一部抜粋して紹介。
ホラー映画のひねりにうんざりしている人でも、『ザ・フィクション』にこだわれば、あなたを驚かせること請け合いだ。
クロフトはゆっくりと忍び寄るカメラワークで物語を構成し、ガルシアは呆然とした状態から徐々に復讐心に駆られていく様子を見事に表現している。
『ザ・フィクション』は驚くほどタイトルに忠実で、脚本・監督のブレーデン・クロフトは、映画の主人公と観客の両方にとって、何が現実で何が現実でないかの境界線を曖昧にし、興味深い、しかししばしば混乱を招く心理ゲームを作り出した。
ブラデン・クロフトは、スティーブン・キング自身が誇りに思うであろう、魅力的なプロットと雰囲気のある物語を作り上げた。
『Peeping Tom』(1960年)と『Misery』(1990年)の間に位置する『ザ・フィクション』は、あらゆる作り物の作品における作者と偽物の間の複雑なつながりを慎重に交渉する、緊張感とツイストのある二本立てに近い作品である。
ここには論理の居場所はない。
スコア:B
作家とミューズの緊迫した相互作用は、ホラーがその素顔を現す前にガス燈をつけ、操り、誤った方向に誘導するときに最も効果的になる方法について、常に反射的な解説を提供している。
不揃いで雑で、旅に引っ張る前に手を求めてくる…奇妙な作品だが、面白い。
すべてを理解したと思うたびに、いくつかの新しいひねりがあなたの間違いを証明する。
爽やかで複雑かつ野心的で、時には純粋に狼狽えるようなパワーゲームだ。
まとめ感想「ホラーまで変化する時代」
気弱な女性が一方的に蹂躙されるスプラッター映画だと思ったら、追い込まれ過ぎて発狂してみんな殺しまくるサイコパスになったという逆転映画だったでござる。第三者の殺人鬼でもなく、ヒロインがキラーになる面白い作品ではあると思う。ケイレブなん?偽物なん?女優?目の前に女性つながってるよ?見えないのは俺だけ?え?という前半のゲーム体験は一緒に混乱できたし最高に面白かった。
が、個人的に、本当に個人的になんだけど、彼女はそのまま勘違いしたまま死んで欲しかったなーと。勘違いでみんな殺しまくって大ヒットで彼女が一番のサイコパスでしたーってオチはなんだかなーって思った。私を驚かす男なんて全員死ねばいいってのはちょっとね。
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