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「原作読めば映画が10倍面白くなる」アメリカで公開直後から2400万ドル突破の大ヒット中のアニメ映画『バッドガイズ(原題: The Bad Guys)』の原作の児童書籍はどのような内容なのか?映画と原作との違いは?原作者アーロン・ブレイビーとは?など映画バッドガイズが10倍面白くなる!観たくなる内容です。
もくじ
原作を読めば映画が10倍面白くなる!
2022年4月に全米公開(日本公開は2022年10月予定)された長編アニメ映画『バッドガイズ』が公開直後から大ヒットを記録して週末興行収入で「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」を王座から引きずり落としいきなり1位を獲得する快挙を成し遂げます。
全く聞いたことのないアニメタイトルが一位を取ったので驚き調べたのがこの記事を作るきっかけになっています。。
そして映画は普通に面白い。
だとしてもこういう映画は初登場で1位を獲得するだろうか?と疑問に思い調べてみたら、映画バッドガイズは児童書が原作で、しかもその原作児童書は世界で1600万部(2021年12月時点)を突破している超人気児童書で現在15巻まで出版されていました。
これは一度読んでみないと。ってことで調べると15巻まで英語版は出ているのに日本語訳されているのはたったの2巻のみ。でも小学生の子供たちの絵本から脱却の時期だし是非読んでみたいと思いAmazonでポチってみました。
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読んで驚いたのは、原作は余白が多くさらっと読めてしまうのですが、映画では語られていない作者が読者に伝えたいことや魅力がたくさん詰まっていて、原作を読んでから映画を観ると10倍面白く感じられるということです。(内容詳細は後述します)
映画がいきなりスマッシュヒットした理由も、原作児童書が1000万部売れてしまうのも納得。しかしこの書籍、日本では超が付くほど知名度も人気も低く。Amazonだとほぼ新品クラスの美品中古が「20円」で売ってるし、15巻中2巻しか翻訳されていない今なら逆に今すぐ買って映画に備えるのもありだと思う。
原作児童書『バッドガイズ』とは?
日本公開を2022年10月に控えたアニメ「バッドガイズ」はこの原作を読んでいるだけで大化けする面白い映画なのだ!と言うことを紹介するため頑張って解説していこうと思います。
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バッドガイズは2015年に出版された子供向けグラフィックノベル(絵本寄りの本)として出版、オオカミのウルフ、ヘビのスネーク、ピラニアのピラニア、サメのシャーク、タランチュラのレッグズが肉食獣と言うだけで世間から怖がられている「バッドガイズ(悪い奴ら)」な印象を打破するために、「ヒーローズクラブ」を設立し奮闘する姿をユーモラスに描いた作品。
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困っている人たちを”彼らなりに”一生懸命頑張って助ける活動をして良い人に見られたい彼らは頑張る。でも、彼らはどう足掻いても肉食獣で前科というか元々の本能で彼らは普通に人間を食べたりしまくった過去を持っている。というわけで、どんなに頑張って笑顔を振り撒こうがどうみても”肉食獣が食べたがっている”ようにしか見えず逃げられる、命を助けたのにヒーロー扱いどころか「殺されると思った」など、数えきれないほどの種族の壁にぶち当たりながらも懸命に「ヒーロー」になれるように努力する姿を描いている作品。
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この彼らの肉食獣で人間食べまくったりする悪い奴ら(バッドガイズ)だけどヒーローになりたい彼らのお茶目な頑張りが世界中で人気に火がつきニューヨークタイムズベストセラーリスト(児童書、絵本部門)で掲載36週目についに1位を獲得後もなんと120週間もの間リスト入りし続けるほどに根強い人気を誇り2022年12月時点で1600万部を売り上げるスマッシュヒットを続けるモンスター児童書シリーズです。
一応小学生低学年と高学年の娘2人に読ませたら一心不乱に読みゲラゲラ笑って楽しんでいた。やはり児童書としてこの作品の威力はスゴい。特に楽しんでいたのは低学年の次女だったので、バッドガイズは絵本を卒業させたい幼稚園や保育園から小学生低学年向けに最適かも。
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なので大人が前置きも無しに急に読まされても…と思うかもしれないが、大人の場合は映画を見た後に読むとまた深みが違うと思う。というのもこの作品は小学生未満の子供たちにわかりやすく物語に入り込めるように最低限の文字数、分かりやすいイラストになっているが、映画では伝えきれていない魅力や、肉食獣として生きる彼らの苦悩がかなり詳細に描かれているので映画では伝わりにくいバッドガイズたちの背景を深く知ることができる。
バッドガイズシリーズについて
海外では
①The Bad Guys
②The Bad Guys in Mission Unpluckable
③The Bad Guys in the Furball Strikes Back
④The Bad Guys in Attack of the Zittens
⑤The Bad Guys in Interstellar Gas
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⑥The Bad Guys in Alien vs The Bad Guys
⑦The Bad Guys in Do-You-Think-He-Saurus?!,
⑧The Bad Guys in Superbad,
⑨The Bad Guys in the Big Bad Wolf,
⑩ The Bad Guys in the Baddest Day Ever.
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11: Dawn of the Underlord (2020)
12: The One?!
13: Cut to the Chase (2021)
14: They’re Bee-Hind You!
15: Open Wide and Say Arrrgh!
の15巻まで出版中。
日本では残念ながら①バッドガイズ②バッドガイズ2「にわとりを救い出せ」の2シリーズしか出版されていない。映画公開に合わせて多少でも人気が出ればひょっとしたら残りも出る?
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そして、バッドガイズ。
映画と原作の違いを解説していきます。
映画と原作の違いとは?
バッドガイズは映画の原作がかなり違う。
容姿の違いはもちろんのこと、彼らの特技や性格、さらに性別までも。一応日本語訳版2冊と映画を見て調べた限りでの違いとなるので熱心な英語版も熟知した原作ファンは突っ込まないでほしい。
小説も映画もどちらも”良い奴”に見られたいと思っていることは同じ。そのため原作ではヒーロークラブを設立して良いことをしていくことを目的に活動するがそれぞれの生態や個性の影響で大体悪いことが起きていくのをユーモラスに描く。
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映画版では仲良し肉食獣たち強盗5人組が今日も楽しく強盗をする。彼らの種族ごとの生態などは関係なく、それぞれの個性がかわいらしく描かれている。どちらかというと”オーシャンズ11”のチーム感が強い。そして彼らは肉食獣というだけで迫害されているため”グッドガイズになりたい”がなれないのでチームを組んで強盗をしているということ。
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そして大事なのは”本当は良い奴であることを知ってもらいたい”という原作では強く描かれている部分が、映画では少しボカされているので老婦人に”良い子ね”と言われただけで尻尾振って喜ぶシーンは原作知っている人以外は?ってなると思う。
日本語訳だとこのウルフたちは「ヒーロークラブ(原作”Good Guys Club”)」チームを設立しているが、映画では強盗チームである。ヒーロークラブってマーベル臭がしちゃう。
ミスター・ウルフ
小説版では行き当たりばったりな熱い男で、嘘を平気な顔して吐き、勢いで何事も解決するが、映画版ではオーシャンズ11のジョージ・クルーニーな二枚目。いや、絶対オーシャンズ11を入れ込んだだろうなって感じ。声優もジョージ・クルーニーにすればよかったのに。と思うぐらいジョージ・クルーニーな性格が映画版。
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原作版ではいきなり見開きで登場して「俺たちはヒーローになりたいんだ!わかるだろ!?」と読者に向かってメタ発言してくる、映画の冒頭で視聴者に向かって話しかけるシーンは原作をしっかりと把握した上での演出。映画との違いはあまりないが映画の方がクールなジョージクルーニーである。
スネーク
見た目通り、原作のスネークは自身が悪者の蛇であることを別に悪いとも思っておらず。日陰者であることを別になんとも思っていないが、ウルフが半ば強引に良い奴になろうぜ!って勧誘してきたのを半分嫌々行動を共にしている。が、一応奥底では良い奴に見られたら嬉しいかも、ぐらいの願望はある。
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映画版はまさにオーシャンズ11の相棒ブラッド・ピットそのもの。実際強盗を行う際は蛇の特性を生かしたステルス行動や、ロープがわりになるなど頼りになる。性格は明るく陽気で一緒に写真撮ったり、チームを愛しているナイスガイ。もうそう思ったからイメージ覆せないけどやっぱりブラッド・ピットだ。
ピラニア
原作版では凶暴でガサツなピラニア。イワシによく間違えられ、イワシと言われると暴れる。意外と人情派で仲間思い。2巻ではイワシのサンドイッチに紛れて潜入してマヨネーズまみれになることを意外と悪くないと変な性癖を生み出していた。
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原作ではお約束などうやって移動しているの?という疑問を映画版では立派な二足歩行ができる擬人化がなされて解決、そして見た目とは裏腹にムキムキな肉体派で邪魔するやつは持ち前の肉体で薙ぎ倒す特攻部隊。彼も陽気。
シャーク
とある人気の観光地から来た彼の罪状はボカされてしまっているが有名な”ジョーズ”の親類もしくは仲間なのだろう、原作では数多くの人間を食殺しまくった経歴を持つ。1巻では見た目通りの横暴な感じで俺様系だったが、2巻ではクモが苦手で震えまくる弱みを見せたり素直なところ見せたり、変装が得意という個性が生み出されていた。
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映画版では変装の達人でお喋りで表情豊かな面白いキャラに。
レッグス(タランチュラ)
一番改変されたタランチュラ。
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原作では2巻から登場したタランチュラのレッグス。映画も原作もコンピューターの専門家で簡単に警察の重要なファイルをハッキングして閲覧して改ざんもできてしまうなど超プロフェッショナル。しかし、もう見た目でわかると思うが原作では男で皮肉屋だったが、映画では女に性別が変わっている。そして見た目が可愛い。声も可愛い。好き。日本語予告の何ちゃらサマーさんの声も色っぽくて素敵だった。
ちなみに原作で初登場した直後に、仲間達から「なんで服を着ないんだ!?」と総ツッコミを受けるが「俺は生まれたままの姿が好きなんだ」と反論。一応根負けして靴だけ履いて登場したが、「お尻が丸出しじゃないか!」と突っ込まれるなど、原作の世界観は最高にチグハグで面白い。
映画では、ルパート・マーマレード教授と呼ばれるモルモットが出てくるが一応原作2巻でもラストに登場する。あとダイアンも原作2巻では出てこない。
原作者「アーロン・ブレイビー」とは?
バッドガイズはオーストラリア人のアーロン・ブレイビー(48)が執筆。彼は作家になる前は俳優として数多くのテレビシリーズに出演。1994年に彼が主演のハーヴェイ・マクヒューテレビシリーズではオーストラリア映画協会最優秀俳優賞を受賞している。
2006年に絵本作家としてデビュー。以降数多くの子供向け絵本を執筆。中でもPig the Pug、The lmathe Unicorn、そして『The Bad Guys』など3つのベストセラー児童書はシリーズ化して現在も執筆が続いている。
2021年の時点でこれら三作品は3000万部出版されている。2019年7月にニューヨークタイムズのベストセラーリストに掲載後、2020年4月まで120週間リスト入りするほど人気の衰えがない見事な児童書作家として不動の地位を獲得、そして現在もその記録は更新中。
バッドガイズのヒットでさらに彼の作品が注目されたため今後も数多くの映像作品が生まれてくる可能性があるので全てではないが代表的な彼の作品をサクッと紹介。
・Pearl Barley and Charlie Parsley(2007)
オーストラリア児童書籍評議会で幼児期賞を受賞
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・Sunday Chutney(2008)
オーストラリア書籍産業賞の最終候補
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・Stanley Paste(2010)
ニューサウスウェールズプレミアム文学賞、など数多くの賞を受賞
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あらすじ
スタンレーペーストは小さい。本当に小さい。そして彼はそれが嫌なのです。
しかし、学校に新しい女の子がやってきたとき、スタンレーは小さいことも悪くないと思うようになります。
・The Dreadful Fluff(2013)
オーストラリアのベストデザインカバーオブザイヤーを受賞
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・Noah Dreary(2013)
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あらすじ
いつも文句ばかり言い続けるノア少年の頭が落ちてしまいました。
・Pig the Pugシリーズ(2015)
現在9シリーズまで出版、このシリーズだけで数百万部突破する人気シリーズ。
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あらすじ
パグと、その仲間のとても我慢強いソーセージ犬の、最高に楽しい絵本。ピッグは世界一欲張りなパグ。いつも機嫌が悪く、無作法で、その態度は誰に対しても分け隔てなく接してくれます。
ソーセージ犬のトレバーは、いつもピッグに遊んでもらおうとしますが、なかなかうまくいきません。そんな中、ピッグはおもちゃを分けてほしいと頼まれ、ついに欲張りな性格が裏目に出て、思いがけないことが起こってしまいます。
果たしてパグのピッグは、最後に教訓を得ることができるのでしょうか?分け合うことを学ぶ、愉快な絵本です。
amazonでPig the Pug シリーズを見てみる
・I Need A hug(2015)
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あらすじ
「私は抱きしめて欲しいんだ。ねぇ抱きしめてくれないかい?」
小さなヤマアラシの願いは一つだけ誰かにギュッと抱きしめてもらうこと。彼は誰かに抱きしめてもらうことはできるのでしょうか?
・Thelma the Unicorn(2015)
Netflixでアニメーション映画として制作中。
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Thelma the Unicornのあらすじ
テルマは、華やかなユニコーンになることを夢見ています。そんなテルマの願いは、ピンクとキラキラの運命的な出会いで叶う。しかし、そこには思いがけない代償が。しかし、その代償は大きく、テルマはキラキラしていない普通の自分が幸せだと気づく。そして、親友がハグをして待っている家に帰ります。
テルマはユニコーン(英語)をAmazonで読む
まとめ:原作を読んだ方が面白いとは珍しい
実は私は原作を読んだ後に映画を見るのは嫌いだった。
特に鋼の錬金術師とか鋼の錬金術師なんかは漫画原作の映画なんて同じような設定で原作の雰囲気をぶっ壊すし、金髪碧眼キャラを日本人が演じたりとダメな点が目立ってしまって仕方がなかった。原作をアニメ化なんてもってのほかで、どう足掻いても漫画になぞった展開と見たことのあるシーンばかりで面白いと感じたことはない。鬼滅の刃の劇場版をなんであんなに褒めるのか理解ができないタイプ。
が、今回バッドガイズに関しては考えを改めた方が良いかもしれないと少し思った。まぁ”猛烈なファンじゃない”という大前提があるからこそかもしれないが、良い意味で原作を破壊して見事に一本の映画に落とし込んで見た目も脚本も個性も面白い素晴らしい作品に作り上げているからでもある。
色々と偶然が重なったのだろう。先に映画見ちゃったこと、ミーハーな性格が災いして世界で超ヒットしていると知ってしまったこと、など色々あるのだが、この原作を読んでおけが間違いなく映画が10倍楽しめるってこと。
観たいなら読んでほしい。絶対に映画を見ながら「ここまで良くぞ昇華させた!」と笑顔が止まらなくなることだけは伝えておきたい。
さぁ、日本公開日も決まったことだし、原作は日本での知名度はかなり低いけど、予習しておくことをおすすめする。
映画『バッドガイズ』の日本公開が待ちきれない人はここでネタバレを読む←
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