映画『フレンチ・ディスパッチ(原題: The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun)』のあらすじ物語結末ラストまでネタバレしていく記事となっています。雑誌フレンチディスパッチ最終号に掲載された1つのショート記事、3つの壮大な記事をウェス・アンダーソン節を炸裂させつユーモアたっぷりに紹介していく内容となっています。
もくじ
映画『フレンチ・ディスパッチ』キャスト
モーゼス・ローゼンターラー(ベニチオ・デル・トロ)
ルシンダ・クレメンツ(フランシス・マクドーマンド)
ローバック・ライト(ジェフリー・ライト)
ジュリアン・カダジオ( エイドリアン・ブロディ)
J・K・L・ベレンセン(ティルダ・スウィントン)
ゼフィレッリ( ティモシー・シャラメ)
シモーヌ(レア・セドゥ)
アーブサン・サゼラック(オーウェン・ウィルソン)
息子を誘拐された警官(マチュー・アマルリック)
ネスカフィエ警部補(スティーヴン・パーク)
アーサー・ハウイッツァー・Jr( ビル・マーレイ)
エリザベス・モス(ギヨーム・ガリエンヌ)
誘拐犯(エドワード・ノートン)
エルメス・ジョーンズ( ジェイソン・シュワルツマン)
囚人(ウィレム・デフォー)
アップシュアー・クランペット( ロイス・スミス)
ボリス・ショマーズ(クリストフ・ヴァルツ)
ルパート・フレンド(ヘンリー・ウィンクラー)
ミステリアスな女性( シアーシャ・ローナン)
映画『フレンチ・ディスパッチ』物語結末ネタバレ
ナレーター(アンジェリカ・ヒューストン)が、アーサー・ハウイッツァー・ジュニア(ビル・マーレイ)がフランスの町アンニュイ・シュル・ブラスから雑誌「リバティ」を設立した経緯を語るところから始まる。
ハウイッツァーの元には漫画家のエルメス・ジョーンズ(ジェイソン・シュワルツマン)、コピー編集者のアルムナ(エリザベス・モス)が働いている。ハウイッツァーは自分がもうすぐ死ぬことを知っているので、次号が『The French Dispatch』の最終号となり、自分の死後は発行を停止することを決めているが、3本の長い記事と短い旅行記事を1冊の雑誌に収めるにはどうしたらいいかと考えていた。
これから紹介する物語はディスパッチ最終号に掲載されている記事である。
“サイクリング・レポーター”アーブサン・サゼラック著
ディスパッチの記者の一人、アーブサン・サゼラック(オーウェン・ウィルソン)は、アンニュイでの生活について書き、ネズミや猫が大量にいること、犯罪が横行していることを鋭く批判しつつ書いていた報告書に目を通したハウイッツァーはサゼラックがアンニュイで起こっている悪いことや汚いことに言及しすぎではないかと考えていた。
ストーリー#1 – コンクリートの傑作(芸術と芸術家)
J.K.L.ベレンセン(ティルダ・スウィントン)は、投獄された芸術家モーゼス・ローゼンタラー(ベニチオ・デル・トロ)に関してプレゼンテーションを行う。
モーゼスは、彼のミューズであるシモーヌ(レア・セドゥ)という名の看守の絵を描いているところ。ベレンセンは、モーゼスが若い頃(トニー・レヴォロリ)ひどい境遇にあり、犯罪に手を染め最後は2人のバーテンダーを無残に殺害したこと。刑務所で彼はシモーヌと性的関係を持つが、彼は彼女を愛していると言うが、彼女は愛しているとは思えないこと。また、モーゼスは自殺願望があり、いつか毒を盛られることを期待してマウスウォッシュを飲んでいることを紹介する。
もう一人の受刑者ジュリアン・カダジオ(エイドリアン・ブロディ)は、モーゼスの作品に大きな関心を寄せており彼が最も気に入っているのは、シモーヌを描いた抽象画だ。モーゼスの反対にもかかわらず、カダジオはシモーヌの助けを借りて、その絵を売るようにモーゼスを説得する。
3年後、出所したカダジオは、美術品展示家の叔父、ニック(ボブ・バラバン)とジョー(ヘンリー・ウィンクラー)に、モーゼスの作品を展示するよう話を持ちかける。
モーゼスはシモーヌの絵の他に、七面鳥のシンプルなナプキン画を描いたが、それがとんでもない金額で売れ、やがてモーゼスは美術界のセンセーションとなってしまう。そしてカダジオは、叔母のモー・クランペット(ロイス・スミス)に、モーゼスのために刑務所内の美術展の資金を援助してもらうことになる。
展示会でカダジオは、モーゼスが自分の作品を建物の壁に描き込んでいることに気付き、このままでは持ち帰れない(売れない)じゃないかと愕然とする。カダジオはモーゼスを侮辱し、激怒したモーゼスは車椅子で彼を追い回す。結局カダージオは絵画をそのまま受け入れ、エンヌイ郊外の美術館に空輸することになる
モーゼスの手柄で刑務所内の暴動を食い止めたことが認められ保護観察付きで早期釈放される。
ベレンセンは最後に、シモーヌが赤ん坊の時に手放した娘と再会し一緒に過ごしていること、シモーヌとモーゼスは最期まで文通を続けていたことを伝える。
ストーリー#2 -マニフェストの改訂(政治と詩)
ルシンダ・クレメンツ(フランシス・マクドーマンド)は、チェスプレイヤーのゼフィレッリ(ティモシー・シャラメ)率いる学生革命家たちの物語を執筆していた。
彼女は彼の両親(セシル・ド・フランス、ギョーム・ガリエンヌ)と会うが、彼は暴力的な争いが続いている町の一角で催涙ガスを浴びる最悪の立地に住んでいた。
ルシンダがバスルームに行くと、ゼフィレッリがバスタブの中でマニフェストを書いているのに驚く。ゼフィレッリの両親は、後に美術品収集家のポール・デュヴァル(クリストフ・ヴァルツ)と会っていた。
ゼフィレッリはその後、他の学生革命家たちと会い、街頭での戦いが続いていること、仲間の何人かが脱走兵であることについて熱い議論を交わす。学生の一人、ミッチ(モハメド・ベルハジーン)は、自分の意見を述べるために前に出る。話している間、ルシンダのナレーションが入り、ミッチ=ミッチが作ったゼフィレッリをからかう芝居を持ち出しつつ、この戦いの他の問題点も浮き彫りにしていく。
その後数ヶ月間、ルシンダは学生たちが抗議行動や活動を計画する様子を観察していた。街頭での行進で学生たちは最高潮になっていた。ゼフィレッリの前にジュリエット(リナ・クードリ)が現れ、ルシンダとの関係と彼女のマニフェストへの参加について咎め彼女を「ババア」と呼んで叱責する。ゼフィレッリは2人の間に入り止めるがその矢先、学生たちによる暴力沙汰を起こし始める。ルシンダはゼフィレッリとジュリエットに、このまま逃げ出し2人は青春をしっかりと謳歌するようにと言い送り出され、ゼフィレッリとジュリエットは恋愛関係になる。
後日。
嵐の中、ゼフィレッリは電気塔を修理するために登ったが、感電して川に落ち、溺死してしまう。
やがて彼は革命的なアイコンとなり、多くの少年たちが彼の髪型や衣装を真似るようになる。
ストーリー#3「警視総監の私室(見所と匂い)」
フードジャーナリストのローバック・ライト(ジェフリー・ライト)は、トークショーの司会者(リーヴ・シュリーバー)のインタビューに答えている。
彼は、他の男性と一緒にいたために自分が刑務所に入ることになった事件を語る。
彼は、犯罪者のための会計士であるアルバート・ザ・アバカス(ウィレム・デフォー)という別の受刑者と仲良くなる。
出所後、ローバックはコミセール(マチュー・アマルリック)と会い、謎めいた伝説の探偵兼シェフ、ネスカフィエ(スティーブン・パーク)が用意する夕食を共にすることになる。その晩餐会は、委員長の息子ジジ(ウィンストン・アイト・ヘラル)が運転手(誘拐犯)(エドワード・ノートン)率いる犯罪者グループに誘拐され身代金を要求されたことで中断される。
ジジはクローゼットの中に監禁され、地元の悪党どもに監視されていた。監視役のショーガール・ギャングのリーダー(シアーシャ・ローナン)と仲良くなろうと会話を続けていくうちに嫌々ながら付き合ってくれることになる。その一方、ジジはは変わった趣味の一つであるモールス信号でメッセージを送り始める。
そのメッセージは傍受され、”料理人を送って”つまりネスカフィエを呼べ。
ネスカフィエは犯罪者とジジのために食べ物を準備する、ジジ嫌って食べない料理を用意し、その中に毒大根を混入させる。潜伏しているアパートに食事を持ち込んだネスカフィエによって犯罪者は毒で死ぬが、運転手(誘拐犯)も大根が大嫌いで食べなかったことで生き残り、ジジを連れ去って逃亡してしまう。ジジは追いついた父親の車に飛び乗り助かり、運転手は崖から落ちて死んでしまう。
この記事を入稿後、ローバックはハウイッツァーに声をかけられる。
ハウイッツァーは、ローバックが悲しすぎると思って省いた記事の一部をくしゃくしゃに丸めていた。ハウツァーはその記事の内容を尋ねローバックは省いた記事を見せる。彼は、ネスカフィエから聞いた、”食べた毒料理は他のどんな料理にも敵わない素晴らしい味がした”この内容をハウツァーは省かないでほしいと頼む。
物語結末ラスト:エピローグ
ハウツァーの死後、スタッフがハウツァーのオフィスに集まる(彼は机の上に死んだばかりの状態で横たわっており、覆い隠されていた)。同窓生が泣き出すが、ハウイッツァーはオフィスで泣くことを好まなかったことを咎められ泣き止む。
彼らは、お別れの号と彼の追悼文の準備を考え出す前に、彼を悼む時間を取る。
まとめ:映画『フレンチ・ディスパッチ』物語結末ネタバレ
いかがでしたか?奇才ウェス・アンダーソン監督が贈るフレンチ・ディスパッチの最終刊のなんとも言えない感情を呼び起こす物語たちのお話でした。
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