ダニエルクレイグがジェームズボンドと発表された時国を上げて批判された彼は何を感じたのか?なぜ彼が選ばれたのか?そして5作目の最後に語った言葉とは。初心者にも丁寧に解説するダニエルクレイグとプロデューサーのコメンタリーと共に過去の作品を振り返った作品『ジェームズ・ボンドとして』の感想評価。
少し暇な時、台本のある物語、脚本のある作品に疲れたあなたにこそ見てほしい作品です。
先に書くべきではないような気がしたが、ファンも多いようなので先に言っておくが、私はダニエルクレイグ版007は1作目以外好きではない。
しかしドキュメンタリー作品が好きであること。
なぜ彼はジェームズ・ボンド役を引き受けたのか?
その後15年に渡って演じた007を5作品で辞めた理由は、
それぞれの作品にどのような思い入れがあるのか?
色々と興味はあったから私にとってはドンピシャな内容だったから視聴を開始したこと。
そしてドキュメンタリーを視聴後の今、
「週末に5作目を見に行こう」
と思っていると言うこと。
もくじ
私のダニエルクレイグ版007の印象
007シリーズをまともに観たのはダニエルクレイグ版のカジノロワイアルから。
ダイハードよりも主役は絶対に死なないぜ!みたいなエンタメよりの娯楽大作の印象が強く「すぱい大作戦」みたいなノリがなんとなく合わない印象で避けていた節があったが、最近偶然心も体も疲れてきっている金曜日の夜にどうしても何かを観たいけど・・
「何を見ればいいのかわからない」
そんな状態で藁にもすがる思い出アマゾンプライムを起動。
なんとなく、ダニエルクレイグの007スカイフォールの特集をやっていた。
なんとなく予告を見て「おお、シンプルで面白そうだ」と思ったので「どうせシリーズものを楽しむなら最初から」が発動。
カジノロワイヤルを観た。
イメージを良い意味で壊す作品だった。
オープニングからトイレで殴り殴られリアルな格闘シーンから始まり、007のスマートな印象とは程遠い苦戦した挙句に叩きつけてぶっ倒すシーンに心底しびれたのを覚えている。
全編を通してお助けガジェットとかもなく目の前の困難を鍛え上げた肉体と銃撃と格闘スキルで身体中怪我しながら泥臭くもスマートに進むジェームズ・ボンドは中年の自分が思い描くような「かっこいいおっさん」だった。ラストも「マジか」と思わせるシーンの連続と続編を仄めかすシーンを見て。
シリーズ全部観ようと思った。
その2作目「慰めの報酬」は期待を裏切って面白くなかった。
脚本についていけなかった。支離滅裂でなんのために戦っているのかも曖昧でかっこいいが面白さは70点。
3作目に至っては眠ってしまった。敵役「ハビエル・バルデム」が出てきた時にこのシリーズは終わっているのだなとも思った。まさか映画業界の人気者を敵役に出す安易な配役をシリーズを通していたことに今更気づいたからでもある。
4作目スペクターなんてタランティーノ作品のクリストフ・ヴァルツが出た(なんて安易な配役なんだ)ぐらいの印象。
5作目?興味はあるが見たいとは思ってない。
マッツ・ミケルセン,クリストフ・ヴァルツ.ハビエル・バルデムも誰も彼もが人気すぎて悪役としては魅力的だったが、個人的にはNetflixからマーヴェルまで近年剛力彩芽ぐらいゴリ押しがすごい「アンソニー・マッキー」がを見たくないレベルで嫌になった経験と重なるのだ。
素晴らしい作品に出演し続けるのは名誉なことなのだろうが、そう年内に何回も同じ顔を見ると作品の前に「あの人」という印象が出てきてしまうのでダメだ、それぐらい私の脳みそはシンプルで単純なので人気俳優はポンポン作品を生み出して欲しくはない。
と言うことで、ファンには怒られるかもしれないが、ダニエルクレイグ版007はカジノ・ロワイヤル以外はよく覚えていないのできっとあまり面白くないのだろう。と言う印象だった。
しかし今作に出会ってしまったせいで、5作目が見たくて仕方がない。
だってダニエルが最後に言うんだから「最高の作品に仕上がった」って。
アマプラ「ジェームズ・ボンドとして」を観た感想評価
このドキュメンタリー作品の何がすごいかって46分間もの間、主演のジェームズボンドを演じたダニエルクレイグと長年007のプロデューサーをしてきた二人がとにかく作品、キャスト、スタッフ、脚本、あの時、あのセリフは、と細かい舞台裏を喋りっぱなしという豪華な作品であると言う点。
しかも舞台裏、と言っても他の監督やキャストは出てこないし話にほとんど出てもこない、今作の9割が「ジェームズボンド役を15年続けたダニエル・クレイグについて」を中心に話が続くのが特徴である。
人によってはもっと007の奥深さを楽しみたいと低評価をつける人はいそうだが、今作は過去作から最終作品に至るまでの彼の心境の変化などを彼本人の口から、その話し相手にプロデューサーが二人いる感じなので、視聴者も彼の話を聞いているうちにいつの間にか物語が終わってしまうぐらい引き込まれる魅力がある。
普通の映画の舞台裏を映すドキュメンタリー作品では主演俳優はほとんど出てこないのだが・・ずっとダニエルクレイグのイケボで舞台裏を赤裸々に語ってくれるのでどこから切り取っても楽しめる良いドキュメンタリー作品。
Netflixの「僕らを作った映画」は少しは見習ってほしい、ダイハードの舞台裏を紹介するのにブルースウィルスが一切登場しないとか主演級のコメントが一切ないので面白いのに物足らないのである。
アマプラ「ジェームズ・ボンドとして」内容少し紹介
ダニエルクレイグは15年前初めて次のジェームズ・ボンドとして発表された時、イギリス全土で炎上した。
「黒髪じゃないボンドって(笑」
「最悪の配役」とまで。
もちろん素人の私にとってははあ?と言う印象だが、このドキュメンタリー作品では、なぜダニエルクレイグが叩かれるのか?をわかりやすく解説してくれるので初心者の私にとっては丁寧な作品というイメージから始まった。
長年007のプロデューサーをやっている女性はこう言う
「彼を見た時、彼しかいないと思った」
先見の明があるからこそのプロデューサーなのだろう、彼女はアート系の映画でコミカルな配役を好んで演じていた二枚目俳優の中堅俳優ダニエルクレイグを指名する気でいたのだ。
ジェームズボンド役は断ろうとしていたこと。
脚本のせいにしてスムーズに断ろうとしたら脚本が見事だったこと。
どうせやるなら全力でジェームズ・ボンドになろうと決めたこと。
週7日オリンピック選手以上のトレーニングを積んだこと。
長年のボンド像を壊す試み。
セリフ一つ一つへのこだわり。
1作目の水着シーンをパパラッチされた途端にめちゃくちゃ手のひら返して絶賛されたこと。
2作目の脚本ストライキで脚本がない状態で撮影がスタートしたこと。
無名から人気者になった途端に食らった精神的な異常と妄想。
盟友ヒュー・ジャックマンとの舞台共演後の彼のファンへの振る舞いを見て「これで良いんだ」と楽になったこと。
3作目のハルビムとの絡みで男性経験の有無について仄めかすシーンはカットしろと重役に言われたこと。
M役のジュディとの別れのシーンの前後の舞台裏
オリンピックに出演した際の話。
4作目スカイフォール直後に次回作は?と問われた時「次回作に出るぐらいならグラスを割って手首を切る方がマシ」と過激な発言をして後悔し反省したクレイグのハニカム笑顔と5作目に出るのかい?と言う質問に対して「YES」と答えた時の観客の歓声。
大怪我をして9ヶ月の治療をするか、そのまま継続するかの選択時の心境。
スペクターのオープニングの1500人のエキストラとの共演で驚きの演技力を見せたダニエルクレイグのかっこいい一言「さぁ行こう」
プロデューサーが素直に語る
「ダニエル後のジェームズボンドが一切イメージできない」
そして5作目ラストシーンを撮り終えた直後ダニエル・クレイグの台詞・そして涙。
本当に大好きな作品だったんだろうな。
あの涙のシーンは今でも思い出せる。
まとめ:アマプラだけの傑作ドキュメンタリー作品
やはりドキュメンタリーは良い。
「ホラー作品はこの先怖いことがある」
「恋愛作品は三角関係もしくは関係が壊れるのだろう」
先が読める、もしくは想像できる作品に疲れてしまった時にこんなドキュメンタリー作品を見るのは心底面白い。
「先が読めないから」だ。
私と同じようにカジノロワイヤルは面白かった!と言う方から007ファンまで幅広く楽しめるドキュメンタリー作品「ジェームズ・ボンドとして」はアマゾンプライムでだけ配信中っぽいです。
Netflixでは検索に引っかかりませんでした↓
皆さんもドキュメンタリー作品で少しだけ脳みその洗浄をしてみると良いですよ。そんな私もまだまだ心が弱いので心が洗われるような作品ばかりを追い求めていますが。
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