「名作ドラマを観れた事に感謝したい」
U-NEXTでHBOMAXのドラマ「チェルノブイリ」を視聴した感想とキャストを紹介。史上最悪の原発事故で発生直後から戦慄の数日間をリアルに描き作品賞、脚本賞など多くのエミー賞を受賞も納得の見事な作品について紹介していきます。
日本では視聴ができないと思っていましたがU-NEXTの独占配信のおかげで夢が叶いました!
本当に面白いドラマがここに!
『VODはNetflixだけじゃないなとオリジナルドラマの凄さを実感。』
最近Netflixのオリジナルドラマが不発のため、友人に薦められるがままアマゾンプライムオリジナルドラマ「ザ・ボーイズ」を視聴した結果、数年ぶりに2シーズンを二日間で一気見するという最高の経験ができました。
そのままAmazonオリジナルドキュメンタリ作品の「世界一過酷なレース、エコチャレンジフィジー大会」も10エピソードもある壮大なボリュームで描かれた過酷なレース模様、超美麗映像の数々、司会がなんとベアグリルスという豪華さに度肝を抜かされまして。
他のオリジナルドラマも観てみたい!
と思っていた矢先に登場したのが「HBOMAX」。
しかし日本の登場は未定のまま「U-NEXTがHBOMAXのドラマを独占配信」決定されたためエイリアンシリーズのリドリースコット監督作品ドラマ「レイズド・バイ・ウルブス」(感想はこちら)を視聴して感動。
そして、その勢いのままドラマ「チェルノブイリ」を視聴したのですが、
今までのドラマランキングで
ぶっちぎりの1位の面白さでした!
(ちなみに1位は「オルタードカーボン」2位は「キングダム」(感想はこちら)どちらもNetflixオリジナルドラマでした)
視聴直後の気持ちが昂った状態で一気に記事書いていつも見直さないので誤字脱字凄いと思いますがぜひ。
とりあえず現時点で日本でHBOドラマシリーズはU-NEXTから視聴する他ないです。2180円の月額料金は痛いですが、アマプラのNHKオンデマンド(990円ぐらい)を解消すればまぁいいかって感じです。
まだ一度もU-NEXTに登録していない人は初回登録から31日間無料お試し期間があるのでHBOドラマシリーズは全て無料で見放題可能!なので早めにどうぞ。
もくじ
U-NEXT/HBOドラマ『チェルノブイリ』感想
今まで知らなかったのも無理はなくこのチェルノブイリは日本ではWOWOW「スターチャンネル」かアマゾンプライムで1話500円支払わないと視聴できませんでした。
しかしその強気の値段も納得の面白さなのです。チェルノブイリは2019年のドラマエミー賞で作品、監督、脚本賞を受賞したほどの作品だったからですね。
「面白すぎて鼻血出た」
まじで凄いです。
脚本賞受賞も納得の見事な脚本
一番凄いと思ったのは脚本です。
チェルノブイリ原発の事故発生直後の現場の混乱とその場にいた人全ての動きをリアルに描き、その後レガソフ博士による原因究明、シチェルビナ副議長との共闘と友情、そして隠蔽体質の政府との戦いまでを「史実に基いた作品」なのですが、原因究明するために奮闘する博士をサポートする「原子力研究所職員の女性ウラナ・ホミュック」が実は史実には存在しない「架空の人物である」ということに驚かされます。
エンドロールで明かされるのですが、「レガソフ博士には多くの賛同した研究者や協力者がいたが、彼らをまとめてホミュック博士を作り上げた」と書かれています。
劇中ではホミュック博士は400キロ離れた研究所で唯一遠く離れたチェルノブイリ原発で普通ではない事故が起きた事を発見、政府に進言するも無視されたため、独自調査を行い現地入りして当初現実を受け入れない政府に向けてレガソフ博士と共に協力することでシチェルビナ副議長の信頼を得ることに成功した立役者でもあります。
さらにチェルノブイリ原発現場でKGBから監視を受けていたレガソフ博士の代わりに「ホミュック」は瀕死の原発所員、消化活動をした消防士、看護師、医師など多くの生の声を集めレガソフの告発の助けとなる事故発生前後の秒単位での人の言動をまとめた驚異的な資料を作り上げ、さらに告発前の彼の折れそうな心の背中を押す役割をします。
常に客観的に物事を見据えてなんとかしたいがどうすることもできないと絶望しかけるレガソフ博士と社会主義国家の責任の重圧と正義の間に揺れるシチェルビナ副議長の間に入って話をまとめてくれるため、この物語には絶対に必要だった存在でもあるホミュック博士がまさか架空の人物だったとは。。。凄いですよね。
なんとなく彼女を架空の人物としたのは意味があったような気がします。社会主義国家で常に監視の目にさらされていたレガソフ博士に表立って援助はできなくても見えないところで助け合った科学者の友情が見え隠れしているような気がします。顔や名前は見えませんが、素敵な友情だと思いました。
チェルノブイリ原発事故とは?
なんとなく「チェルノブイリ原子力発電所が爆発した」ってほんの少しでも知識があればこのドラマは楽しめるのでご安心を。
さっくりとチェルノブイリ原発事故を説明すると
1986年4月26日午前1時23分に当時ソビエト社会主義共和国連邦チェルノブイリ原子力発電所で原子力事故が発生。
原因は諸説あるが
・制御棒など根本的設計の欠陥
・運転員への教育が不十分だった
・特殊な運転を行ったために事態を予測できなかった
・低出力では不安定な炉で低出力運転を続けた
・計画とは異なる状況になったが実験を強行した
・実験のために安全装置を無効化した
・死亡者 33人(4,000人 (IAEA公式見解、異論有))
と言われています。詳細はこちら(チェルノブイリ原子力発電所事故)
いまだに不明瞭な点も多く「この原発は技師、技師長、所長の三名が起こした事故である」と政府は言い逃れしている。
劇中のセリフを借りると毎時間「広島原爆40発分の爆発が起きているぐらいの放射線が発生している」程最悪の事故が目と鼻の先で起きているにもかかわらず、現場指揮者は「後々責められるのを恐れて事故だと認めず事実とは異なる数値を上司に報告」
原子力発電所所長は「その嘘を信じ、政府高官相手にもそのまま伝え安全だと連呼」
鵜呑みにした政府高官は会議で「大丈夫安全です」という始末。
結果原発目の前で被爆した住民には何も情報が出されず国外で放射線が確認されたため隠蔽できないと判断した政府によって避難指示が出たのは原発事故から36時間後という遅さであった。
この事故によって30年経過した今でも500万人もの人が汚染された土地で生活をしていること、そして政府はすでに原発事故の被害者への補償責任を放棄している。
この史上最悪の環境汚染はなぜ発生した?ではなく発生後何が起きたのか?を中心に描かれています。
これらを踏まえた上で当時チェルノブイリでは何が起きたのか?なぜこのようなことが起きたのか?政府は?住民は?警察は?消防員は?軍人は?そして現場作業員はなぜ何人も命を落とすような作業を行ったのか?
ここまで隠蔽体質の政府の監視を逃れ当時チェルノブイリ原発事故現場にいた一人の博士の告発テープを吹き込んだ後、自殺するシーンからドラマ「チェルノブイリ」が始まります。。。
冒頭から引き込まれる連続する面白さ
謎のテープを吹き込んだ博士はKGBの目を盗んでテープを隠した後、自殺をします。
その日、その時間は2年前にチェルノブイリ原発事故が発生した時刻と一緒でした。彼はなぜ同じ日時を選んで自死を選んだのか?
冒頭5分の謎の自殺。
ここから一気に物語がジェットコースターの下りに差し掛かり面白くなります。
チェルノブイリ原子力発電所。
「何が起きた?」
「爆発です」
「お前が原因だ」
「!?」
「文句あるのか?」
「いいえ・・・」
場面が変わってチェルノブイリ原発。
すでに爆発が発生した直後から物語は始まります。
もちろん視聴者も意味不明ですが、原発作業員はもっと意味不明のようで混乱を極めています。
とりあえず技師長は責任逃れのために部下に責任をなすりつける&現実を認めずに危険な行為と知りながら爆発した現場を見てこいと指示する冒頭から始まる混乱した現場のシーンから始まります。
小林化工の水虫薬の中に睡眠薬が入った事件もこんな感じで当初は隠蔽しようとしたんだろう〜なー。なんて思ったりしながら視聴していると、とにかくよくある現場仕事の無能な上司そのまんまが「とにかく原因は俺じゃない、お前らだ、責任を取れ」「原子炉が爆発?ありえないお前が実際に見てこい」(見に行った作業員は速攻被爆して死亡)ありえない言動の連発です。
「現実逃避した挙句に責任逃れのために虚偽報告する」
という最悪の行為をするあたり、リアルで面白い。
それをさらに鵜呑みにする(いや、鵜呑みにしたい)発電所所長と原子炉技師の幹部二人はその報告をそのまま政府高官に・・・腐ってたのは責任者の上司二人もだったり。
嘘の報告をしている間も独自の判断んで排水を行って少しでも被害を減らそうと命をかけて挑む作業員との差。涙が出そうになります。
到着する消防員。何も知らされておらずただの火災だと思い消化作業をしますが黒鉛と呼ばれる炉心を覆っていた破片を革手袋で掴んだ同僚の手がズタズタに引き裂かれたようなひどい火傷を負うも、誰一人原因がわからないため360度から最悪の煙を身体中に浴びながら消化を続け。。。
その火災を見守る野次馬の露出した顔に死の灰が降り積り被爆し続ける描写。
この街はもう終わりだ。
みんながそう思うはず。
ですが物語はここからさらに面白くなるんです。
正義、国家、正しいのは?
「それは嘘だありえない」
社会主義国家における最高議長である「ゴルバチョフ議長」への報告の際、部下の報告を鵜呑みにした副議長の報告に異議を唱えレガノフ博士。
一歩間違えれば銃殺されてもおかしくない高官の言葉を遮る行動も勇気ある行動だと思う。
「チェルノブイリの原発報告はもっと最悪のはずです。たった胸部X線1回分?いいえ違いますその量だと400万回分の被爆量です。」
このわかりやすい報告のおかげで権力者の副議長とともにチェルノブイリいりすることができた博士は人を守ために知恵を絞り高官軍人、嘘だらけの原発所長を相手に戦いを挑んでいく。
放射線の恐怖を徹底的にリアルに
この物語の敵、というべきか
この目に見えない放射線の害を「直視できない程リアル」に描いている点にも注目してほしい。
このドラマを見終わった後に「福島原発」大丈夫か?本当に?と心配になるほどにこのドラマでは「放射線被害にあった人達の最悪の症状をリアルに描いている」のだ。
放射線は一切目には見えないが、被爆していく様子を徹底的に詳細に描いている。
「視聴者にも分かるように」消化活動をしている間に徐々に赤く焦げていくのが分かる、珍しい石だともった消防員の手が一瞬にしてズタズタになる謎の被爆症状を見て私たちにもどうしようもない恐怖が襲ってくる。
無知な私でもなんとなくわかる。
この光はやばいやつだ。
何かが起きている。
何かが彼らの顔を破壊している。
看護師「面会は30分以内、そして絶対に触れちゃダメ。」
入院していた消防隊の様子がおかしい。体全体私たちが想像する100倍ぐらい酷い火傷を負っている。
これはまだ良い方の描写である。
彼はこの3倍ぐらい酷い状態で搬送されていくシーンがあるが、それは人の形をした赤黒い何かになっているのを容赦無く見せてくる。
放射線はやばいんだな。
見ていれば誰だって分かる。
広島爆弾の40倍?
原発現場の野次馬に行った隣人親子の顔がおかしくなっている。
それどころかあの橋にいた人は全員死亡したようだ。
遅すぎる集団避難。博士曰く「5年以内に死ぬだろう」っておいおい。
最悪だ。
これがこの物語全編を通じて感じる恐怖の原因だろうか。
「明日は我が身だ」
忘れてはいけない、福島原発も同じだと言われていることを。
私たちの住む日本でも福島原発が何度も何度も爆発しているのに「問題ない」と言い張る東電幹部の言葉がこの人たちと被ってしまう。
色々と恐怖を感じる。
が、チェルノブイリはこのドラマを通して世界中に警告を与えている可能性を感じました。
「チェルノブイリ」登場人物とキャスト紹介
この物語の面白さをどう伝えられるのか?
登場人物の魅力も紹介していきます。
ヴァレリー・レガソフ
核物理学者。ソ連が独自に開発したRBMK炉の専門家。政府と高官が隠そうとして虚偽の報告をしようとしたところ、当時の最高峰ゴルバチョフ書記長に「異議申し立て」したことでやっとチェルノブイリ原発の危険性を広めることに成功。その後唯一無二の専門知識でチェルノブイリ原発どころか避難誘導にまで口を出して危険人物扱いされKGBにも目をつけられる羽目になる。
ジャレッド・ハリスはイギリスの名優。私の好きなトレーラーパークボーイズのバブルスに似てるって言ったら怒られそう。
ボリス・シチェルビナ
(ステラン・スカルスガルド)
ソ連閣僚会議の副議長。強面しわがれ声が素敵。チェルノブイリ原発事故の責任者に任命され当初下っ端達の虚偽の報告を鵜呑みにしていたが、前述したレガノフ博士の決死の意義によって行動を共にすることに。徐々に彼の知識が現状の最悪を回避できると知り信頼をしていくが、社会主義国家の幹部と善の行動の板挟みに苦しむ。
ステラン・スカルスガルドは「グッド・ウィル・ハンティング」などで有名。
ウラナ・ホミュック
(エミリー・ワトソン)
核物理学者。チェルノブイリから400キロも離れた放射線研究所で誰よりも早く高濃度の放射線が風に乗って飛んでいることを知り政府に意見するも反故にされ単身チェルノブイリ原発の街に乗り込みレガノフ博士の意見の後押し役になり政府のチェルノブイリ原発事故がどれだけ危険かを伝えることに成功する。功労者。
エミリー・ワトソンもご存じイギリスの大女優(「奇跡の海」)。
この方がドラマに出るなんて、なんて贅沢。
アナトリー・ディアトロフ
(ポール・リッター)
チェルノブイリ原発の副技師長。事故当日の現場責任者でありながら、放射線の事故は絶対に起きるはずはないと現場の意見を無視して軽微な放射線量を報告。「問題はないです」を連呼、それを鵜呑みにした(したい)所長と共に政府高官に虚偽報告をした。諸悪の根源その1。が、原発事故当時目の前で爆発をみていたため大量に被爆していた。
ヴィクター・ブリュハーノフ
チェルノブイリ原子力発電所 所長。副技師長の言葉を鵜呑みにして「原子炉は爆発するはずがないのでお前の見間違いだ」とどんな現場の声も無視。さらに周囲の権力者達に虚偽の現状報告をした後、目の前で副技師長がぶっ倒れたのを目の当たりにしても後々現場視察に来たレガソフ博士やシチェルビナ副議長に対しても「問題ない」を連呼するどこの工場にでもいる「隠蔽体質クソやろう」
コン・オニールという役者さんですが、声が強烈。
ワシリー・イグナテンコ
地元プリピャチの消防士で、事故直後に消火にあたる。原子力発電所の知識はもちろんないため遠目から見た事故の雰囲気だけで「大丈夫だ」と妻を安心させて消化活動に向かうが誰よりも前で消化活動したため最悪の状態にまで被爆してしまう。病院に移動後も微かな回復期で油断してしまい愛する妻にも被爆をさせてしまう。
リュドミラ・イグナテンコ
(ジェシー・バックリー)
消防士ワシリーの妻。原発事故がただの火災ではないと違和感を持ち火災現場の野次馬をしなかったため被爆が最小限に抑えられたラッキー奥さん。(一緒に野次馬しようぜって誘ってきた近所のご夫婦は二人ともに最悪の火傷を顔中に・・・)
絶対に触れない約束で面会の許可をもらったにもかかわらず愛の力で無視してハグした結果彼女も被爆してしまう・・・。
まとめ:ドキュメンタリードラマとして最高峰
私たちの身近な場所にある原子力発電所が爆発したらどうなるのか?
これはフィクションではなく本当にあった史実を元にしたドラマである。
だからこそ怖い。
そして怖いののは原子力発電所の爆発だけではなく、保身のために「嘘」をついて逃げ回り責任逃れをする現場の上司、政府高官の存在だ。
いつか私たちにも同じことが起きるかもしれない。
いやもう起きているのかもしれない。
とりあえず現時点で日本でHBOドラマシリーズはU-NEXTから視聴する他ないです。2180円の月額料金は痛いですが、アマプラのNHKオンデマンド(990円ぐらい)を解消すればまぁいいかって感じです。
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