気になっているなら今すぐに、観るべき。
私はNetflixのドキュメンタリー作品は大量に観てきた。
しかしこの「ハイパーハードボイルドグルメリポート」はずば抜けて面白い!
何がどのように面白いかを視聴後の勢いで紹介します。
もくじ
ハイパーハードボイルドグルメリポートあらすじ
『誰でも腹が減る』
ならどんな人間も「ご飯を食べるはずだ」
じゃぁ彼らは何を食べ、何を考えているのだろうか?
『飯は問う』
何故これを食べるのか?美味しいのか?
『飯は答える』
「これがいい、他にない、他に方法が?」
そこにあるのは何か…
絶対に今まで見たことのない人たちのご飯を。
彼らは何故そのご飯を食べるのか?
彼らは何故そうなったのか?
ご飯を通じて紐解いていく。
あなたの目で見るべきだ。
絶対に今まで見たことのない人たちのご飯を知ろう。
感想:世界でも唯一無二の着眼点
何が凄いのか?
まず先に。
Netflixのおかげで様々なドキュメンタリーを見てきた。「DOPE(ドープ)」ではドラッグを供給する側・取り締まる側両方のリアルを楽しめた。「イカロス」ではロシアの政府ぐるみのとんでもないドーピングの話にゾッとした(しかもまだ解決していない)。「世界の現実旅行」では世界中の奇妙な祭り習慣や、日本福島のリアルな放射能汚染の現実を。「OUR PLANET」では最新技術で彩豊かな美しい世界の景観や自然を心から楽しめ癒された。
世界中の様々なリアルを知ることができるのがドキュメンタリーの良いところであり、映画やドラマにはない筋書きの無い美しく悲しい現実を見るのは「常に新鮮な驚き」を提供してくれるから大好きだ。その時の気分で左右されることもないから特に。
しかし、「あの人たちのご飯」を追求する番組はない。
「ハイパーハードボイルドグルメリポートだけが”あの人たち”のご飯に着目した唯一の作品である」
世界に誇れる見事な作品を作った人達に感謝したい。
どんな人たちのご飯の話?
大量の人を殺し食べた過去を持つ元少年少女兵は何を食べるのか?
構成員数万人の台湾マフィアのボスの食事は?
毎日が殺し合いの恐怖のメキシコ系ギャングと黒人ギャングは?
麻薬密売人は何を食べる?
極寒の雪国に暮らすカルト教団の子供達は何を食べるのか?
数百回国境越えをした男たちは何を食べる?
アメリカの刑務所を出所してまず食べるものは何か?
ネパールで火葬を生業とする人は?
物乞いの親を持つ子供達は何を食べるのか?
どう?普通じゃないでしょ?
見たことないよね。
しかもただのグルメ番組ではない。
ドキュメンタリー作品でもあるからとんでもないことばかり起きる。
普通じゃない人たちの
普通じゃない生活環境の中で
食べる食事が全てを物語っている。
怖いかもしれないけど、第一話から見るべきだ。
余計なナレーションがない
ハイパーハードボイルドグルメリポートは余計なナレーションは入らない。
文字で視聴者の想像力を働かせることに尽力している。
司会の小籔千豊さんはVTRを見ながら「相づちをうつ程度しか喋らない」
「へぇ、そうなんだ、怖いわぁ、ありえないわぁ」などである。
それでいい。彼が良い。
例えば、エピソード1の元少女兵の女性は200円で体を売りその後150円のカレーを食べる。とても美味しそうに。
ん…?
ご飯が高い?彼女の体が安い?どっちだ?
何かおかしいが、答えは出てこない。彼女は黙々と食事を続ける。
ナレーションも沈黙している。
そしてディレクターは聞く
「君は今幸せ?」
今それ聞くか!?
いつだってそんな感じ。ある程度の街の歴史、彼女達の生い立ちはわかるが、それ以上はわからない。明らかにカーテンの向こう側で麻薬を楽しんでいる人たちを映すことも聞くことも答えることもない(もしかしたらカットしているかもしれないが)淡々とその場で起きている食事を中心に質疑応答が行われるのだ。
だから面白い。
奥が気になってもそれでも話は続く。
どう?最高じゃない?
「誰を・何を信用すべきか?」
例えばエピソード3のシベリアカルト教団村での出来事
ロシア政府・教会は自信をイエスの生まれ変わりと称している時点でアレだが、カルト教団認定をしている。やばそうだ。
だが、その村にいるのは平和と自然を愛している姿であり、周囲の人達に迷惑を掛けないようにひっそりと暮らしているようにも見える。
宿泊施設も経営しておりディレクターは歓迎を受け食事を楽しむ。
信者の子供達も、都会からこの地に帰ってきた子もおり、平和に暮らしているようにも見える。
しかし、
近所の雑貨店にディレクターが行くと
信者ではない主人がいて話を聞くことができた。
元々先住民が100人近くいたが、この教団が移り住んだことで皆この土地を放棄して引っ越していった過去を持つのである。
「何故出て行く必要があったのか?」
「何故彼女はここにいるのか?」
それは番組では語られない。
”語れない”のかもしれないが。
一歩間違えれば、ロシアの奥地にひっそりと平和に暮らす世界に優しい教団のお話になりそうな番組構成を最後の最後に「バッサリ」切り捨て、想像の余地を多大に残すのだ。
誰が善で悪か?
一切語られることはない。
全てはあなたの想像力に任されているのだ。
凄いよね。
最後に一つ、エピソード6の刑務所をでたばかりに元囚人は何を食べるのか?で彼はとても人が良さそうだが、彼の監査官は「彼はとても凶暴な人間だから関わらない方がいい」とも言う。
「どっちが本当だ?」
「きっとどっちも彼なのだ」
彼はそうやって人に漬け込んで行くのか?テレビだから上っ面だけが良い男なのか?本当に反省して努力しようとしているのではないか?本当にアメリカ政府が元囚人に対する対策をしていないから彼はまた”仕方なく”犯罪を犯す羽目になるのではないのか?
本当に良い番組だ。
子供達にも教育番組の一貫に見せたいところ。
ご飯を”奢る”のは何か違和感が
みんな色々な事情がある。背景も様々だ。
そしてみんな”お金がない”
”だけど”ご飯を食べている。
そんな背景を知りながら食べるご飯を知りたいのだが、
エピソード2以降。ご飯を奢ってくれないか?
と言われたら”OKOK”と二つ返事で奢ってしまうのだが。
なんか、違和感がある。
もちろん危険な人間との信頼関係を作るにはある程度の袖の下は必要だと思うのだが、それはある程度カットして欲しいかな。
お金を出してあげている時点で何か違うと感じてしまう。
- 黒人ギャングのご飯を取材させてくれ。
- OK,じゃぁ話がある。「俺に飯を奢るんだ」
- OKOK。
- オススメのバーガーショップがあるんだ。
- どうだい美味いだろう?
- 彼はオーガニックにこだわっているんだw
なんか違うんだ。
- 難民の話を聞かせてくれ。
- OK,ご飯を食べるお金がないから奢ってくれないか?
- OKOK
- そこに”うまそうなバーガー屋”があるんだ。
- そこに行こう。
- 満員?
- じゃぁ他にもバーガー屋はあるんだ。
- ばか!奢ってもらっているだから贅沢言うな!
違うんだって。
人のお金を使った時点で
彼らのご飯じゃない気がするんだ。
それだけ。
申し訳ないけど上手く編集して”ご飯に関してのお金のやりとり”だけは隠して欲しい。
危険な土地の危険な人たちと話をするための賄賂ならばんばん映すべきだけど。
なんかすみません。
あんなに見事な番組作っているのに文句言って。
ハードボイルドグルメリポートは打ち切りなのか?
それにしてもエピソード5以降の情報がなさすぎて「打ち切り」疑惑があるそうですが、そんなことはないそうです。
教団の教祖との会食もまだですし、まだまだ知りたいことも多いです。
何より、世界中の動画配信サービスで配信が始まったので
世界がこの番組を放っておくはずがないでしょう。
ハードボイルドグルメリポートは打ち切っていませんよ。
単発企画番組なので新しい情報がなかなか出ないだけのようです。
もちろん危険地帯の取材のため、なかなか先に進めないのかもしれません。
そういえば新しいエピソード6の話はどうなったのでしょうか?
次回新作エピソード6の配信は?
こんなに見事な番組が新作を作らないはずはない。と思ったが、
現時点では次回新作エピソード6弾の制作発表はされていない。エピソード3のカルト教団の教祖も取材はOKだが”時期ではない”と断っているあたり、いつだって新しいネタはありそうだが…
この際Netflixが権利を買い取って新シリーズやってはどうだろうか?
Huluとかアマプラに買われる前にさ。
高品質Netflixオリジナルドキュメンタリー作品として見てみたい。。
できればディレクターズカット版で。
ハイパーハードボイルドグルメリポートOPの音楽は?
沖縄から生まれた女性三人組ロックバンド「Bleach」による
”視界の幅”がオープニングに使われている曲でした。
残念なことに現在すでに「Bleach」は解散しているようです。
解散を惜しむコメントも多く意外なことに海外からのコメントが大多数です。
なんで良いバンドを知ると解散していることが多いのでしょうか?残念です。
まとめNetflix:ハイパーハードボイルドグルメリポート感想:日本が誇るドキュメント作品
見事な作品。
ご飯を見てその人たちの背景を学ぶ。
貴重な作品である。
ぜひ見るべき。
Netflixさん早く買い取って新シリーズを!
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