スティーブンキング親子原作の並行世界・ループ・布石・謎・謎な良質ホラー映画イン・ザ・トール・グラス狂気の迷宮のストーリーのネタバレと視聴後の感想評価を紹介。
まさかの並行世界・ループ・不可解な謎・謎・謎は視聴者に最高のカタルシスを与えてくれること間違いなし。
スティーブンキング原作ものとしてはトップ5に入る見事なミステリーホラー作品となっています。
とにかくここから先は長文で細部まで書かれたストーリーのネタバレが続きます。感想も壮絶にネタバレをしているので、以下に当てはまる方はこのまま戻って他の映画のネタバレ記事をご覧にあるとよろしいかもしれません。
- スティーブンキングは大好きだ!
- 良作ホラー映画見たい!
- 死霊館1作目以降グッとくるホラーを見ていない
- Netflixオリジナルでオススメないの!?
- 正直Netflixオリジナル作品は期待していない
といった疑問や感想をお持ちの方はこれ以上見ないでください!今度時間と心に余裕がある時に「満足できるホラー映画」となっているのでこのままブラウザを閉じてこの映画を楽しみにしていた方がいいです。
本当に。
久々のNetflixオリジナル作品のヒット作になりそうで
予告も秀逸で今作の印象を上手く操作してくる内容となっています。
イン・ザ・トール・グラス狂気の迷宮ストーリーネタバレ
草の迷宮へ
妊婦のベッキーと”兄”のカルは残り2400kmの車旅の途中です。
ベッキーは吐き気を感じて途中下車して休憩中、すぐ脇にある背の高い草の奥から「トービン」と名乗る男の子が「助けて」「何日も迷子なんだ!」と叫んでいる。
そこに「呼んじゃダメ!」という女性の声が重なり違和感を感じたベッキーはカルに「何か変だ」と伝えるがカルは軽い気持ちで草の中に走って行ってしまう。その間もトービンは「まだ助けに来ないの?」と声を掛け続けカルは「どこだ?大丈夫だ」と返答しているうちにベッキーとの距離が離れてしまった。
互いに離れてしまったので声を掛け合いながら近づこうとするが距離は縮まるどころか右で話し声が聞こえると思った次の瞬間には左から声が聞こえたりと不可解な事が起こります。二人は互いにジャンプして手を叩こうとして1度目のジャンプで互いの距離が10mもない事がわかり安心します。そしてもう一度ジャンプをしたがなぜか互いの距離が30m近く離れていることに気がつき「何かがおかしいと気がつき、パニックになります。
互いに走り叫びますが近づくことすらできません。
カルが叫びパニックを起こして転ぶと目の前に「フレディ」と書かれた首輪をした犬の死体が転がっています。
カルは声を出しますがベッキーのために「なんでもない」と声を掛けます。
互いの声はすぐ近くなのに出会えません。
草の迷宮に囚われてしまったようです。
トービンの登場
ベッキーが声をかけ続けているとロスが草むらの奥から登場。
ロスは「トービンの父」であると言い妻と子供を探しているらしい。ベッキーは怪しみながらもロスと行動を共にする。
カルが泣き叫んでいると「大丈夫」とトービンが登場。どうすればいいんだ?と聞くと「”高い草”は死体は動かさない」と答えます。
カルがトービンに何故ここにいるんだ?と聞くと「あなたと同じ」
「男の人の声で、助けて。そう言っていたから入ったんだ。その繰り返しさ」
そして「君の妹、死んじゃうよ」とトービン。さらに「会いにくる?」と言うのでカルは付いて行きます。
場面が変わってロスとベッキーが歩いていると、足元に薬のビンとカバン、そして血のついた髪の毛が。恐怖を感じていると突如女性が目の前に現れる。
高い草の主?に出会う
トービンに言われるがまま付いていくと月明かりに照らされた5m以上の「巨大な種?岩の塊?(正直ピーナッツにそっくり)」が埋まっている場所に出る。トービンはその岩に触れて「気持ちいいよ」と言い、カルに触れるように促す。カルが触れようとすると遠くからベッキーの叫び声が聞こえます。
「ごめんね、もう遅かったね」とトービンが言い暗転。
夫登場そしてベッキーと再会
カルとベッキーの乗った車があった(車は数ヶ月経ったかのようにホコリを被っている。)停車されていた目の前の教会に入るが誰もいない。
そして目の前にある高い草が怪しいと睨んだ夫は高い草の迷宮に入り込みます。
サバイバルの心得があるのか、定期的に草をまとめて縛って目印を作りひたすら歩き続けますが、彼が立ち去ると「縛られた草が一人でに緩まって元通りに戻ろうと動きます」不可思議な現象が始まります。
そして歩き続けていると、彼は違和感を覚えます。
道に迷わないように太陽に向かって歩いていたがいつの間にか太陽の位置が変わっていることに気がつきます。彼のサバイバルの知識も高い草の魔力の前には無意味だったようです。
そして疲れ果てて寝転んでいたところ、突如トービンが目の前に現れます。そして「聞こえた?」と聞き耳を澄ますと不可解な気味の悪い声が聞こえるだけで怪訝な顔をしているとトービンは「トラビス」と呟きます。
「何故俺の名前を知っているんだ?」
と激昂するトラビス。
「ベッキーに本当に会いたいの?なら付いてきて、離れないでね」
と言い走り去るトービンに付いて行くと目の前にあったのは「ミイラのようになってしまったベッキーの亡骸」だった。
「死体になったら草は動かせないんだ」謎の一言を残してトービンはいなくなります。
悪夢は繰り返す
一夜明けて
目を覚ましたトラビスはどこから声が聞こえました
「誰の車だろう?」
「道に出ちゃダメだよ」
「フレディを連れて行ってくれ」
トービンに似た声が聞こえます。
トラビスは「トービンなのか?助けてくれ!」と叫びます。
「母さん僕の名前を知っている人が迷っているよ!?」と言いますが、母親はトービンを止めますが、犬のフレディは吠えながら高い草に突っ込んでしまいます。トービンはフレディを追い、母親はトービンを、一家を追って父親が高い草に入ってしまいました。
は、と気がついたトラビスは
「トービン!草の中に入るな!」と叫びますが、「もう入ったよ!」と返事が。
父親と母親が共に行動してトービンを探しますがトービンを探すことができません。そのまま家族全員がはぐれてしまい夜になります。勝手に離れた家族に対して苛立ちながら歩き続けると目の前にあの謎の巨大な種のような岩石がありました・・・。
ベッキーとカル再び
トービンは叫びます「誰かいない?道路に出られないんだ!」
必死の声を聞きカルとベッキーが草に入ります。同じ光景を見ているのでしょうか?
そしてトラビスの場面。
そしてカルとベッキーが互いに叫んでいる声を聞きトラビスは歓喜します。トラビスからすれば前の夜に死んでいたはずのベッキーの声が聞こえて歓喜します、しかしカルとベッキーからすればなんでここにトラビスがいるんだ?と訝しみます。そこに「フレディが死んでるんだ!」とトービンの声が聞こえることでトラビスは閃きます。
死体は動かせない。
トラビスは叫びます。
「トービンそこから動かずに叫び続けろ!俺たちがそこに行くまでだ!カル!ベッキートービンの声に迎え!今なら大丈夫だ!」
そしてトービンの元にカル・ベッキー・トラビス・トービンの4人は無事に合流することができました。そしてカルとベッキーが2ヶ月間もの間目的地のサンディエゴにいないことが分かります。
不可解な電話
トラビスがトービンを肩車して遠くに見える教会の方向に向かい4人は歩きます。
お腹の赤ちゃんの名前は「ジーニー」にしようとしていることが分かり四人は和みますが、ベッキーの携帯に電話があります。電話に出ると
「カルからトラビスを守って!
行かせてはいけない!
永遠に同じ間違いを繰り返すことになる!」
それだけ言うと叫び声が聞こえ通話が切れます。声の主はベッキーの声のように感じますが正体は不明なまま、先を急ぎます。その後ろでは何者かの目光っていました。
刺客
産気づいたベッキーは不可解な幻覚(赤い空、カラス、草に巻きつかれた赤ん坊とベッキー)を見ながら意識を失います。三人が駆け寄ると突如ロス(トービンの父)が現れて「私は一度道路に出ている、出口を知っているから一緒に行こう」と言うため付いていくことになる。
5人で色々と話をしているとロスが「私は家族よりも素晴らしいものと出会ったのだ」と言い草を分けると目の前には「例の巨大な岩」が・・・。
そして執拗に岩に触れるといいと迫り、カルが触れようとすると「だめ!」と言う叫びとともにトービンの母親ナタリーが現れます。
ナタリーによればロスが私を襲ったと言い彼らと進みたいと言うが、ロスは「少しだけでも触ってくれ」「触れればわかる」と執拗に迫りナタリーに襲い掛かります。
トラビスがロスに飛びかかりナタリーとトービンを逃そうとしますが肩を折外します。ロスはナタリーを捕まえ異常な怪力でナタリーの頭を潰して殺してしまいます。
脱出
その隙に、逃げた5人は何故か生きていた犬のフレディを追いかけているうちに廃墟となったボーリング場に逃げ込みますが、互いに溜まりに溜まった鬱憤を言い合いカルはベッキーを兄弟以上に愛していること、トラビスを前から嫌っていたことが分かります。そしてボーリング場の屋上で周囲を見渡していたところトラビスが足を踏み外し落ちかけましたが、カルが手を掴み九死に一生を得ましたが、一瞬の間の後カルは手を離してトラビスは地面に落下します。
その一部始終を見ていたトービンはボーリン場から飛び出してしまいます、カル・ナタリー・ベッキーが追い掛けますがトラビスがいないことに気がつき、カルがトラビスに何かしたと勘付いたベッキーはカルの手を振り払いボーリング場に向かいます。
落ち込んだカルに忍び寄ったロスから逃げようと逃げますが、いつの間にか目の前にいるロスに首を絞められて殺されてしまいます。死の間際にロスが見たのは等間隔で並んだ自分の死体でした。今まさに死にかけている彼から離れれば離れるほど腐敗が進み骸骨になった死体もあることから、彼はなんども繰り返しこの場所で殺され続けていることが分かります。
そして場面が変わってベッキーはロスに捕まり、突如現れた草のお面をした人外のもの達に担がれて岩のある場所に連れ去られます。そこで彼女は電話をかけて「カルからトラビスを守って!」と伝え電話を切ります。突如現れた陣痛、子供が生まれそうです。様々な幻覚を見ながら彼女は気絶します。
出産そして・・・
意識が朦朧としながらベッキーは問いかけます。
「子供はどこ?」
「ほら、ここにいるよ」
「水を飲んで」
「とても可愛いんだ」
「ほら、とっても健康だ」
「もっと食べて・・」
「私は何を食べているの」
「これは草だよ、タネも食べたよ」
「もっと食べて・・」
「この・・味って___」
「まるで・・自分味?」
目の前にはロスがいました。再び気絶します。
再び脱出
岩のそばで気絶しているベッキーを見つけたトラビス。命に別状はなさそうです。そこにトービンが現れて「父さんが赤ん坊を殺していた、カルも殺していた。もう終わらないんだ」嘆きます。
何もかもが上手くいかないトラビスは激昂して「ロス!出てこい!怖いのか?」と言った直後ロスが現れトラビスのお腹を刺します。次はお前だとトービンを抱えて岩に触れさせようとしますがベッキーがロスの目を潰し救出します。
目が潰れたロスが怒り狂いますが、トラビスが抜いた高い草でロスの首を絞めて殺害します。
殺害後にトラビスはベッキーに近付きますがベッキーはすでに亡くなっていました。嘆き叫び倒しベッキーはフラリとと巨大な岩石に向かいます。「ダメだよ!二度と出られなくなる」とトービンは警告しますがトラビスは岩に触れます。
突如として岩の周囲が赤く染まり、何かを得たトラビスはトービンに近付き「付いてこい」と彼の手を引き走ります。立ち止まり彼は言います「俺は出ることができない、だがお前はここにいてはいけない、ベッキーもだ。二度と入っちゃダメだ」そう言ってトービンに何かを渡し抱きかかえられて置かれた場所・・・
そこは教会の裏部屋でした。
扉を開けると道路が見えます、
そして今まさに冒頭のシーンのカルとベッキーがトービンの声を聞いて高い草に入る間際でした。
輪廻を止める
「ダメだ!入っちゃダメだ!」
カルとベッキーの前に立ちふさがり説明をしますがその間にも「助けて!出られないんだ!」と声がするため、迷っているベッキーにトラビスと別れ間際にもらったキーホルダーを見せて言います「トラビスにもらったんだ」「説明は後でする、とにかくここを離れて!」と説明をします。
ベッキーは自分が持っているキーホルダーと比べて何かを察してカルを止めて「ここは何か悪い感じがする」と車にトービンを載せます。
「街の警察署に行くわ」とベッキー
「なんでだ?先に進まないと”養子の受け入れ先”はどうするんだ」とカル
「私がこの子の家族だから」
そうベッキーが言うとカルは頷いて車をUターンさせて走り去ります。
そのすぐ脇の高い草の中で全てを聞いていた汚れ果てたトラビスはお腹を抱え満足そうな顔で倒れこみます。
空から風になびく高い草の草原を映して終了。
以上
イン・ザ・トール・グラス狂気の迷宮:ネタバレ感想。
ホラー作家の巨匠、スティーブンキングと息子のジョー・キングの共同著書が原作。
”高い草”と呼ばれる2mを超す高い草が密集した自然の迷宮に迷い込んだ6人の男女と一匹の物語。高い草に入ったが最後、死んでも何度でも行き帰り何度でも同じ工程を繰り返すことになり脱出することができません。唯一の脱出方法は謎の巨大な岩に触れて”高い草の仲間”になったトラビスの助けが必要、もちろん岩に触れたトラビスは永遠に草に捕らわれてしまう為絶対に犠牲が必要になる究極の選択ができる仲間がいる必要があります。
この物語が面白いのは時系列が謎で並行世界と永遠に続くループものということを最後の方まで上手く隠したこと、いきなりカルとベッキーが死んであれ?他の登場人物が出るのか?と思ったらあれ?フレディって?死んだんじゃ?え?トービン?えええ?と思っているうちにパズルのピースがハマっていき謎が解けていくのは楽しすぎて仕方がなかった。
考察が苦手な私には理解しきれない謎が残ったのが、冒頭のカルを岩に誘導した汚れたトービンは「岩石に触れちゃったトービン」なのか?あの時は全滅したってことか?トラビスが見たミイラベッキーは複数ある脱出に失敗したベッキーなのか?色々と謎が残りましたが、全ては並行世界とループで解決してしまうのでこれ以上悩みはしませんがw
オチも愛による犠牲によって脱出するタイプで個人的には大好きだった、、だが、妹ラブすぎる兄カルが生き残ったのはどうなのか、彼の嫌いなトラビスとは永遠に出会うことはないのだからカルの狂気は永遠に出ることもなく、妹ベッキーを幸せにフォローするのかなぁ。・・・愛しすぎるからやっぱり不安の種が残るあたり。。。怖いぜ。
そんな映画でした。
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