「ゴールデングローブ受賞も納得の傑作」世界が大絶賛した映画『哀れなるものたち(原題:Poor Things)』物語ネタバレと海外の感想評価まとめを紹介していきます。赤子の脳を移植された女性ベラが様々な出会いや経験を得て想像以上の成長を見せる物語は、残酷で美しく演技、脚本、音楽全てに引き込まれていきます。
もくじ
映画『哀れなるものたち』の作品情報
映画のタイトル:『哀れなるものたち』(原題:Poor Things) 監督:ヨルゴス・ランティモス 公開年:2023年 上映時間:2時間21分 ジャンル:コメディドラマ、サイエンスファンタジー 制作国:イギリス、アイルランド、アメリカ合衆国 主なキャスト:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー 興行収入(日本円):情報なし
映画『哀れなるものたち』受賞歴
- 第80回ヴェネツィア国際映画祭 – ゴールデン・ライオン賞 – 受賞
- ゴールデングローブ賞 – 主演女優賞(エマ・ストーン) – ノミネート
- ゴールデングローブ賞 – 作品賞 – ノミネート
- BAFTA賞 – 主演女優賞(エマ・ストーン) – ノミネート
- BAFTA賞 – 作品賞 – ノミネート
原作に関する情報
原作のタイトル:『哀れなるものたち(原題:Poor Things)』
原作の著者:アラスデア・グレイ
映画化に際しての特記事項:ヴェネツィア国際映画祭での初公開、原作との比較では映画はよりコメディドラマとサイエンスファンタジーの要素を強調
本の評価:
製本の苦労も忍ばれるメタフィクションの傑作
2011年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、編者の序文でいかにしてこの本を作ったかの理由が簡潔にもっともらしく語られる(この辺はシャーロック・ホームズの贋作のようで面白い)。後ろの脚注も編者のものと説明される。
続いて、ある医師が若い頃体験したとされる奇怪な話が全体の3分の2を費やして詳述される(この辺はこの当時の伝奇小説を彷彿とさせる禍々しさで面白い)。
更に最後の3分の1で前の話に出てきた女性が先に書かれたことは全て嘘であると、暴露する(この辺はポー以降の合理的精神で書かれた感じで興味深い)。
しかし、最初の3分の2の話と後の3分の1の話が両方とも1人称で主観的に書かれていて、どちらが嘘でどちらが本当かは判然としない。これはどういうことか。
ここからは私の個人的解釈ですが、この当時の英国で自己中心的な考え、欺瞞、偽善、が蔓延りそれらが至って虚しい世界大戦に繋がっていったという編者を装う著者グレイの当時の英国への暗喩的批判ではないかと思いました。小説の構成を破壊するかの如き一番最後に出てくる34番目のやたらに長い脚注がその考えを補足してるようにも感じました(脚注が重要な意味を持つ所はナボコフの「青白い炎」の影響でしょうか)。
だから題名の「哀れなる者たち」とは戦争に突き進んだ当時の世界にたいする揶揄であり哀惜であるようにも思いました。
という解釈も哀れなる私の主観的なものなので100%信用しないでください。
夥しく挿入されるイラスト、凝った目次、写真等、版元や訳者の苦労が忍ばれます。最初は図書館から借りて済まそうかと思ってましたが、面白かったので買うことにします。2読3読できる面白さでこの内容でこの価格は安いと思いました。
あらすじ
『哀れなるものたち』は、ヴィクトリア時代のロンドンを舞台に、不思議で風変わりな科学者ドクター・ゴドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)によって蘇生された若い女性ベラ・バクスター(エマ・ストーン)の奇妙な旅を描く。ベラは新たな人生を歩む中で、自由と独立、そして性的解放に目覚める。
キャラクター紹介
- ベラ・バクスター(演:エマ・ストーン):主人公で、蘇生された若い女性。新たな人生で多くの経験をする。
- ドクター・ゴドウィン・バクスター(演:ウィレム・デフォー):ベラを蘇生させた科学者。彼女の保護者的存在。
- ダンカン・ウェダーバーン(演:マーク・ラファロ):ベラの恋人。彼女と共に冒険を繰り広げる。
『哀れなるものたち』は、ユーモアと風変わりさ、そして深い人間性を探求する映画で、ヨルゴス・ランティモス監督の独特な世界観が存分に発揮されています。エマ・ストーンの演技は特に高い評価を受け、その複雑な役柄において類稀な演技力を見せつけています。観客は、ベラの目を通して、新たな世界、新たな自己発見の旅に引き込まれます。
IMDbの感想評価
- The Weirdest Masterpiece I’ve Seen in Many Years – 10/10
- 「異色の傑作。ヨルゴス・アンティモスのビジョンが明確で深い印象を受けた。」
- Nourishing greatness! – 10/10
- 「テリー・ギリアム風のディストピアンな描写が際立つ。エマ・ストーンの演技が素晴らしい。」
- A Bizarre Masterpiece – 9/10
- 「ユニークなスタイルで語られる、自由意志と抑圧された社会についての物語。」
- Love it or hate it stuff, for me, it was love, uncomfortable love. – 9/10
- 「奇妙でカオス的な内容だが、エマ・ストーンの演技が光る。」
- “Poor Things”: A Cinematic Triumph of Dark Comedy and Bold Storytelling – 10/10
- 「ダークコメディと大胆な物語が融合した映画。」
メタスコアの感想評価
- The Guardian (Peter Bradshaw) – 100/100
- 「すべての要素が興奮を呼ぶ。」
- IndieWire (Ryan Lattanzio) – 100/100
- 「ヨルゴス・アンティモスのキャリア最高の作品。」
- The Telegraph (Robbie Collin) – 100/100
- 「トリアンフした適応。」
- Total Film (Jane Crowther) – 100/100
- 「おどけて悲しく、官能的で美しい。」
- The Hollywood Reporter (David Rooney) – 100/100
- 「エマ・ストーンの演技が目を引く。」
タイトルの意味や象徴
映画『哀れなるものたち』のタイトルは、主人公の複雑で哀れな運命を象徴しています。映画内で、タイトルはキャラクターの人生の遍歴と彼らが直面する社会的な課題を反映しています。このタイトルは、キャラクターの心情や映画のテーマに深い意味を持ち、観客に思考を促す重要な役割を果たしています。
映画『哀れなるものたち』物語ネタバレ
ロンドン、美しく若い女性(エマ・ストーン)が橋から飛び降り自殺すると、ゴドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)という科学者が彼女の遺体を回収する。ゴドウィンの治療により生き返った彼女は”ベラ”という新しい名を与えられ、新しい人生を歩み始めるが、まるで幼児に戻ったかのような振る舞いをする。
ゴドウィンは、マックス・マッキャンドルズ(ラミー・ユセフ)とメイドのプリム夫人(ヴィッキー・ペッパーダイン)を助手として雇うが、マックスはベラに一目惚れする。美しい大人の外見のベラの言動は子供そのもので、歩き方も少しぎこちなく不思議に思いながらも、マックスは彼女の知性を高める手助けをすることを決める。
ある日マックスがベラに世界中の広さの話をしたところ、ベラはまだ一度も出たことのない屋敷の外に出ることに興味を持ち始める。マックスは、ゴドウィンを説得してベラと三人でピクニックに向かうが、外の世界へ興味を持ったベラは帰り道の馬車の中でもっと外を見たいと発作的に降りようとする。何度も止めるがベラは何度もゴドウィンに襲いかかり叫び続けたため、彼女を落ち着かせるためにクロロホルムを嗅がせて眠らせて連れ帰る。
ベラの言動に違和感を感じたマックスはゴドウィンに尋ねると、ベラはかつて引き取った橋で自殺した女性の遺体だったが、彼女が妊娠しているのに気がつき、好奇心の赴くまま赤ん坊の脳と遺体の脳を入れ替えベラと名付けた人体実験の産物だったと話す。そのためベラの言動は幼く、ゴドウィンのことを父親だと思っているのだ。
昏睡から目が覚めたベラは、偶然股間を触ると快感を得ることを発見し、自慰行為を止められなくなる。そのことを知ったゴドウィンは、マックスに、ベラと結婚するように提案し、マックスは自分にも気持ちがあることを認め、ゴドウィンの条件である同居を条件に、最終的にベラに結婚を申し込む。
弁護士の男ダンカンとのセックスマラソン
ゴドウィンのもとを訪れた弁護士のダンカン・ウェダーバーン(マーク・ラファロ)は部屋で自慰行為にふけるベラを見て下心を持つ。そこでダンカンは、ベラと旅行に行こうと言葉巧みに誘い、その気になった彼女はゴドウィンに自分の意思を伝えると、マックスは渋々とだが同意し、ベラが激怒して部屋を訪れたマックスにクロロホルムを嗅がせて気絶させた後の処理を手伝う。
ベラとダンカンはリスボンに旅行に訪れると、ダンカンとの絶え間ないセックスを楽しみ、様々な食事を楽しみ、生まれて初めてのお酒に頬を赤らめ、未知の世界を心底楽しんだあとは、再びセックスマラソンを繰り返す。
途方もない性欲と体力に負けダンカンが眠りこけている隙にベラは生まれて初めて一人で街に繰り出し、新しい視点を楽しむ。その日の夜、ダンカンはベラを誘い、上流階級の人々との食事を行うが、ベラにとっては退屈そのものでダンカンと口論になる。別の夕食時、お酒を知ってしまったベラはベロベロに酔っ払ってダンスを始め、ダンカンもそれに加わるがベラに目をつけた別の男と喧嘩を始める。その後いつものようにセックスを始めようとスカートをたくしあげると彼女は勝手に太ももにタトゥーを入れるなど自由気ままに行動を起こしていることを知りダンカンは泣きじゃくる。
ロンドン、マックスはゴドウィンが食事をしながら、ベラがいなくなり寂しがっていることに気が付くが、変態科学者のゴドウィンはフェリシティ(マーガレット・クオリー)という別の女性にベラと同様の人体実験を行うが、不思議なことにベラほど早く発達せず赤子のままだった。
ダンカンはベラをコントロールできないことに苛立ち、彼女を大きなトランクに入れて、アレクサンドリアに向かうクルーズ船に一緒に乗船する。
船の中で目覚めたベラは乗客のハリー・アストリー(ジェロッド・カーマイケル)とマーサ・フォン・カーツロック(ハンナ・シギュラ)と出会い、彼らから哲学の話を聞かされ、その考え方に共感し興味を持ち本を読むようになる。
しかし、ダンカンは自由奔放に好奇心を向けるベラを見て、自分のものにならないと危惧し、マーサを排除しようとするが船員に拘束されてしまう。ベラはハリーから多くのことを学び知見を広めていくが、アレクサンドリアに到着したところでハリーから、港の足元では奴隷のような扱いで酷使され死んでいる下層階級の遺体を見て、初めて見る人の死に驚き泣き叫ぶ。
娼婦になったベラ
ベラは眠りこけているダンカンのお金を集めると、下層階級への寄付のつもりで船の乗組員に渡して立ち去るが、船員たちは自分たちのポケットにねじ込み笑みを浮かべるだけだった。
目覚めたダンカンは有り金全て失っていることに気付き、ベラとダンカンはマルセイユで船から降ろされてしまう。
金を失ったダンカンは寒空の中座って頭を抱えていた。状況を理解していないベラは近くの売春宿を訪れるとマダム・スウィニー(キャサリン・ハンター)に声をかけすぐに部屋に向かい、たくさんの男性が彼女の部屋を訪れ相手をする。ベラはダンカンにお金を渡し、気持ちの良いことをしてお金がもらえる程度にしか理解できていないベラに対して激怒する。そんな中、ベラがゴドウィンが万が一のためにと、ベラの衣服に縫い付けていた隠し金があることを思い出し見せたことでダンカンは怒り狂いお金を奪ってどこかに立ち去る。
そのままベラは娼館で働くことになり多くの男性と出会い抱かれ続け、そこで共に働くトワネット(スージー・ベンバ)という娼婦仲間と親しくなり、一緒にアカデミーに通うようになる。
エンディングネタバレ「愚かなるものたち」
精神的に不安定になったダンカンは精神病院に収容されていた。ダンカンから事情を聞いたマックスは、ゴドウィンが重病で寿命が僅かだとベラに手紙を送り、ベラは久しぶりに屋敷に戻る。
マックスはそこでベラに行ったゴドウィンの人体実験について伝え、ベラは全てを知った上でゴドウィンに会って和解する。
ベラはマックスとも関係を復活させ、ゴドウィンの勧めで正式に結婚式を挙げることになる。しかし、式が始まろうとした時、ベラの元の女性の夫であるアルフィー・ブレッシングトン将軍(クリストファー・アボット)が現れ、法律に則り妻である彼女を取り戻しに来たと伝え、ベラを自分の家に連れ帰ってしまう。
ベラは自身の肉体の持ち主について聞きたかったが、身勝手なアルフィーは、食事をしながらメイドをいじめて笑い、かつて私たちは貴族として下層階級に残酷な仕打ちを行い楽しんでいたこと、そして、お前の妊娠は迷惑だったと話す。ベラは、肉体の持ち主だった妻はこの男とのひどい結婚生活から逃れるために自殺したのだと気づく。
屋敷を出ようとすると、アルフィーは彼女に銃を向け、クロロホルム入りのカクテルを飲むよう命じるが、ベラは彼の顔にクロロホルムを投げつけ気絶させる。ベラはマックスの助けを借りて屋敷に戻るとアルフィーを手術台に乗せる。
ベラはゴドウィンの寝室に向かい、今際の際のゴドウィンとの束の間の会話をした後、彼が眠るように息を引き取るまで、かつて親子のようにしていたように隣で寄り添う。
父の死を見届けたベラはその後、マックス、プリム夫人、フェリシティ(知能が向上している)、トワネットとともにゴドウィンの屋敷でお茶を飲んでいる。その横で、ヤギの脳みそを移植されたアルフィーが草をもしゃもしゃ食べている。その姿を見ているベラは微笑み、物語は終了する。
ヨルゴス・アンティモス監督の紹介
ヨルゴス・アンティモスは、独特の映画制作スタイルで知られるギリシャ出身の映画監督です。彼の作品は、その風変わりな内容と視覚的スタイル、独創的な物語展開で高く評価されています。
アンティモスの映画は、しばしば社会的規範や人間性に対する鋭い観察で知られています。彼の作品は通常、ダークコメディ、サイコドラマ、サイエンスフィクションの要素を含み、観客に強烈な印象を与えます。『ドッグトゥース』は、その斬新な物語と斬新な表現で、特に評価が高い作品です。この作品は、2009年カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で賞を受賞し、ギリシャ映画界における彼の地位を確立しました。
その後、『ロブスター』や『ザ・フェイバリット』などの英語作品で国際的な注目を集め、『ザ・フェイバリット』ではアカデミー賞にもノミネートされました。これらの作品は、彼の独創的なビジョンと、演技指導の才能を示すものであり、映画評論家から高い評価を受けています。
アンティモスの最新作『哀れなるものたち』は、2023年に公開され、ヴェネツィア国際映画祭でゴールデン・ライオン賞を受賞しました。この作品は、彼の特徴的なスタイルである、リアルとサレアルを融合させたストーリーテリングとビジュアルが見事に組み合わさっています。
ヨルゴス・アンティモスは、彼の独自の映画スタイルと、観客の期待を覆す作品で、現代映画界において重要な位置を占めています。彼の映画は、映画の新たな可能性を探求する旅へと観客を誘います。
主演エマ・ストーンの紹介
エマ・ストーンは、その多様な演技力と魅力的なスクリーンプレゼンスで知られるアメリカの女優です。コメディからドラマまで幅広いジャンルで活躍し、数々の賞を受賞しています。
ストーンのキャリアは、コメディ映画『スーパーバッド』でのブレイクスルーから始まりました。その後、彼女は『イージー・エイ』での主演により、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされるなど、才能を開花させます。特に、2016年のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』での演技は高く評価され、アカデミー賞主演女優賞を含む数多くの賞を受賞しました。
ストーンはまた、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』での役柄でアカデミー助演女優賞にノミネートされるなど、ドラマジャンルでもその才能を認められています。また、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』でのビリー・ジーン・キング役や、『ザ・フェイバリット』でのアビゲイル役でも絶賛されました。
ストーンの演技スタイルは、自然体でありながら感情表現が豊かで、観客に深い感情移入を促します。彼女の演技は、キャラクターに深みと複雑さをもたらし、ストーリーをより引き立てる要素となっています。
エマ・ストーンは、その独特な魅力と卓越した演技力で、現代ハリウッドを代表する女優の一人として認識されています。彼女の作品は、幅広いジャンルに渡り、多くのファンに愛され続けています。
海外の詳細な感想評価まとめ
ネタバレ有りの海外の感想評価の詳細をIMDbとメタスコアから抜粋して紹介していきます。
[IMDbの感想評価 8.5/10]
メタスコアの感想評価 86点
[メタスコアの感想評価 (86点)]ピーター・ブラッドショー(The Guardian) – 100点
レビュー: 「映画のすべてのフレーム、すべてのイメージ、すべてのジョーク、すべてのパフォーマンスに息をのむ。」
ライアン・ラッタンジオ(IndieWire) – 100点
レビュー: 「『哀れなるものたち』はアンティモスのキャリアの中で最高の作品であり、瞬く間に古典となる。」
ロビー・コリン(The Telegraph) – 100点
レビュー: 「アルダステア・グレイの本からのこのトリウムファントな適応は、最も面白く、最も活気に満ちた、最もセクシーなアイデア全てを引き出し、より文学的なものはそのままにしておく。」
ジェーン・クラウサー(Total Film) – 100点
レビュー: 「面白く、悲しく、下品で、美しい調合物で、同じように驚かせ、刺激する。」
デビッド・ルーニー(The Hollywood Reporter) – 100点
レビュー: 「無礼な喜びに満ち、洗練された機知に富み、急進的なファンタジーと息をのむデザイン要素で満たされた、この映画は宴である。」
ベン・クロール(TheWrap) – 90点
レビュー: 「このベネチアの金獅子候補作品は、その最も荒々しい範囲でさえも賢く、愛すべきものであり、楽しい時間を提供することを保証する。」
ドナルド・クラーク(The Irish Times) – 80点
レビュー: 「彼らの力の全てがこの映画で発揮され、たとえそれがプレイフルな方法で提示されても、その感触は真剣だ。」
ジェフリー・マクナブ(The Independent) – 80点
レビュー: 「ストーンは彼女のキャリアの中でこれまでで最も大胆な演技を提供し、身体的および心理的要求の重い役を演じる。」
ニコラス・バーバー(BBC) – 80点
レビュー: 「ランティモスは熱狂することがあるが、その結果は大胆で驚くべきものであり、しばしばユーモラスである。」
リチャード・ローソン(Vanity Fair) – 70点
レビュー: 「最高の時には、映画は確かに鋭く批判的であり、独特な性質を誇っている。ただし、140分の上映時間は後半になるにつれ、若干の疲れを感じさせる。」
まとめと感想
映画『哀れなるものたち』は、ヨルゴス・アンティモス監督による斬新で挑戦的な作品である。世界中の観客と批評家からは、そのユニークな演出、独創的な物語、そしてエマ・ストーンの印象的な演技に対して高い評価を受けている。
この映画を観て、まず感じ取ったのは、従来の映画の枠を超えた、新しい表現の試みが詰まっていることだ。特に、主人公ベラ・バクスターの成長と自己発見の旅は、観る者に深い印象を与える。エマ・ストーンの演技は、彼女が演じたこれまでのキャラクターとは一線を画し、その変貌ぶりは圧倒的だ。彼女の演技だけでなく、ウィレム・デフォー、マーク・ラファロらの実力派俳優たちが生み出すキャラクターの深みも、この映画の魅力の一つである。映像美、音楽、衣装などの美術面も、この映画の世界観を形成する重要な要素だ。
ただ、その独特すぎるスタイルと物語は、一部の観客にとっては難解に感じられるかもしれない。特に、映画の象徴性やメッセージが直接的でないため、解釈に苦しむ観客もいるだろう。
この映画は、単なるエンターテイメントを超えた、芸術作品としての価値を持つ。映画の新しい可能性を求める観客や、異なる視点から人間性を探求したい人には、特におすすめしたい。『哀れなるものたち』は、映画というメディアが持つ力と可能性を改めて教えてくれる作品である。
あと、最後に、このブログ記事を読んでくれている方々へ、
もし、本当に良ければですが、この記事の目次などの構成について読みやすいかどうかを教えて欲しいです。
映画好きが喜びそうな情報をこれでもかと詰め込んでいるのですが、逆に読みづらくね?となってしまっては本末転倒なので…
気楽に匿名でメルアドも嘘で構いません、
こうして欲しい、こうすれば読みやすいのに。
などの要望や感想が欲しいです。
よろしくお願いします。
2024年アメリカ公開映画
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