もくじ
映画『サイレント・ナイト(2023)』物語ネタバレ
ブライアン・ゴドラック(ジョエル・キナマン)はギャング同士の抗争抗争に巻き込まれ命を失った息子のテイラーの敵を討つため、単身乗り込み復讐を開始するが、ギャングのリーダープラヤ(ハロルド・トーレス)に喉を撃たれ返り討ちに合う。
病院に運ばれたブライアンは一命を取り留めるが、声帯を失い声を失う。妻のサヤ(カタリナ・サンディーノ・モレノ)の献身でブライアンは徐々に回復し退院する。しかし自宅が近づくにつれ、息子テイラーが失われた悲しみが再び復活し、どうしようもない悲しみと怒りに打ちのめされる。
ブライアンは酒に逃げ、サヤとの交流を一切止め、ガレージに閉じこもるが、フラッシュバックに悩まされ苦しみ続けていた。
ある日、フラッシュバックに悩まされていたブライアンは、この悲しみを怒りに変え、復讐を決意する。テイラーの殺人事件で助けてくれたデニス・ヴァッセル刑事(スコット・メスキュディ)のオフィスからプラヤ率いるギャングの顔写真や情報を全て盗み出すと、自宅のガレージに飾り復讐の準備を開始する。ブライアンは2022年の12月24日に印をつける。今から一年後、ちょうどテイラーの命日に、ギャングを皆殺しにする計画だ。
その後、ブライアンは筋トレを始め、動画で護身術を学び復讐の準備を始める。だが、元はただの電気技師であるブライアンは懸垂は一度しかできない。それでも、ブライアンは全ての感情を怒りに換え、トレーニングを始める。
その間、ブライアンは復讐に取り憑かれサヤとは一切交流を持たなかった。そのため、サヤは実家に帰ってしまう。
復讐の訓練は続く、ナイフを使いトドメを指す方法、銃の訓練、ギャングを狩るための新しい車、そしてドライビングテクニックを習得する。(ギャングたちは車に乗った状態で銃撃戦を繰り広げるため、運転技術は必須項目)ブライアンの体は、徐々に鋭く研ぎ澄まされていく。
静かな聖夜の復讐開始
ブライアンは、プラヤのギャングのアジトを監視し、メンバーの情報を収集する。昼間ギャングの一味を狙うが、他のギャングに邪魔された挙句、びびって動けず失敗してしまう。
気を取り直し、ブライアンはギャングメンバーの屋敷に忍び込み、一味を家のガレージに拉致する。
ギャングを拷問し情報を吐かせようとするが、油断したところに反撃されてしまう。ブライアンは怪我を負いながらもなんとかギャングの一人を制圧する。
ブライアンはギャングのアジトの一つに、プラヤとそのギャング皆殺しにすると記したクリスマスカードと、悪事の証拠の入ったUSBメモリなど多くの情報を送りつけ宣戦布告する。
2022年のクリスマス・イブ
プラヤのギャングのメンバーを一人ずつ殺し、プラヤの本拠地に彼らの指を送りつけると、止めに部下のスマホで録画したメンバー殺害動画をプラヤに送りつけ激怒させる。ブライアンは次に街を走るギャングに目をつけ、並走しながら銃撃を繰り返しギャングを殺していく。
プラヤのアジトにたどり着いたブライアンは、多くのギャングを殺しながら突き進むが、絶体絶命に陥る。そこにヴァッセル刑事が現れ二丁拳銃でギャングを皆殺しにし、二人は互いに銃を向ける。
二人は無言で頷くと銃を下ろし、チームでギャングに立ち向かう。
そこに現れたプラヤの女がサブマシンガンで二人に襲いかかる。二人は間抜けな彼女の掃射に対応できずそれぞれ撃たれてしまう。ブライアンが物陰から近付き女を殺そうとするが、涙ながらに助けて欲しいと懇願され、銃を下ろしてしまう。その瞬間、女が隠し持っていた銃で二人は撃たれまくり致命傷を受けるが、女を撃ち殺す。
エンディングネタバレ
ブライアンとヴァッセル刑事は床に倒れるが、ブライアンはなんとかついにプラヤの部屋に辿り着く。しかしすでに満身創痍のブライアンは歩くのもやっとの状態だった。そこにプラヤが現れ、彼も二丁拳銃でブライアンを撃ちまくり、ブライアンはかなり被弾する。
ヴァッセル刑事がプラヤを撃って倒れたところを、ブライアンは馬乗りになりプラヤの首を絞めて殺す。
二人は天井を見上げ寝っ転がる。ブライアンは天井に飾り付けられた飾りの中に、息子のテイラーがまだ生きている別の未来を見た気がした。そこでは、彼はテイラーが成長して大学を卒業し、ブライアンに孫を抱かせていた…。
サヤはブライアンが書いた手紙を開く。そこには、結婚生活で冷たくなったことを謝り、愛してくれたことに感謝し、誰もテイラーの死を正すことはできないとわかっているが、死ぬ気で頑張りたい。といったことが書かれていた。サヤはその手紙をテイラーの墓に持っていくと、ブライアンが以前お墓に置いた列車のおもちゃが動くテイラーのお墓から立ち去り物語は終了する。
海外の感想評価ジョン・ウー復帰作はファンにどう受け入れられたのか?
ジョン・ウー復帰作としてかなり期待されていた本作ですが、実際のところ、見た人はどう思ったのでしょうか?
IMDbとメタスコアの両方からリアルな「サイレント・ナイト(2023)」の評価をお届けします。
IMDb 6.0/10「今年のベスト」
8/10
今年のベストのひとつ
ジョン・ウーの「暴力的で静かな夜」は大胆な実験が功を奏す 12月1日に公開されるジョン・ウーの新作は、海外のアクション映画ファンが彼を崇拝する理由を体現する要素を多く備えているが、他のウー作品とは一線を画す特徴がある。実際、現代のあらゆる長編映画とは一線を画している。その特徴とは、この映画にはセリフがないということだ。台詞がない」というのは、台詞が限られているという大げさな意味ではない。文字通り、セリフがまったくないのだ。
この大胆な映画的試みは悲惨な結果を招きかねなかったが、そうではなかった。実際、この映画の魅力には欠かせない。このユニークな視点は、実際、この映画の核心である生硬さと暴力的なアクションのスリルを失うことなく、この映画をより高い芸術へと高めている。この映画の成功は、あまりによくできていて、演技が考え抜かれた構成になっているため、観客が、言葉による表現が欠けているようにさえ思えないのに、決してそれを待ち望まないという事実にある。この作品を見終わった後、私は台詞がないことを思い出さなければならなかった。それは、『きよしこの夜』全体を通してのしっかりとしたストーリーテリングへの賛辞である。
ジョン・ウーはアクション・シーンの見事な演出で知られている。彼の『殺し屋』(1989年)は、20世紀最高のアクション映画のひとつとされている。この映画は、彼の卓越した作品群を土台に、顎を落とすような車での追跡シーン、混沌とした銃撃戦、内臓に響くような手と手のぶつかり合いなどが盛り込まれている。これらは磁気的な精度で撮影され、手ぶれ補正も排除されているため、興奮を誘う仕上がりになっている。
敵を抹殺できるように肉体と格闘技術を高めようとする彼の試みは、この映画の残酷なリアリズムの一部である。この作品は非常に暴力的だが、それもすべてジェットコースターの一部だ。彼はただひとつの大義に突き動かされている男であり、私たちは彼の痛みを感じる。
7/10
話さないで、全部アクション
ジョン・ウーはそれをとても簡単に見せる。この映画で語られるのは1パラグラフにも満たないが、ウーはアクションとドラマを表現し、それは素晴らしいものだった。
この映画は、ジョエル・キナマンの俳優としての腕前を物語っている。復讐に飢え悲嘆に暮れる父親という役を、言葉で説明することなく完璧に演じきっている。
また、キッド・カディの役者としての才能も物語っている。彼は的を得ていた。
やはり映画を見に行ったのだ。ストーリーを聴きたければ、インターネットにはポッドキャストがたくさんある。
ジョン・ウー、おかえりなさい!
2/10
期待を裏切る(悪い意味で)
この映画の予告編はどれも、アクション満載の復讐劇であることを示唆していた。しかし、最初の7分ほどでアクションを味わい、次のアクションまで約60分待たなければならない。つまり、104分のうち22分しか作用しないのだ。
私は自分が観に行く映画のタイプについて嘘をつかれるのが好きではないし、おそらくあなたもそれが好きではないだろうから、私はここであなたを助けようとしている。私が見たいのは、この映画の興行収入が、彼らの欺瞞的なやり方のせいで、次の週末にクリップから落ちることだ。
サウンドトラックはゴミのようで忘れられるものだった(覚えている曲はゴミで、覚えていない曲は……まあ、忘れてしまったのだろう)。
他に何が忘れられるか知りたいか?敵役。刑事。妻。息子。この映画全体が忘れられる。
3/10
今夜、妻と二人で期待に胸を膨らませながら映画を観たが、この映画には大いに失望させられた。
ストーリー設定に30分ほどかかった。会話はない。映画の最初の10分でストーリーの大筋がわかる。背景を徹底的に説明された後、鍛え方、銃の撃ち方、効果的な刺し方を30分見ることになる。ここまで来れば、およそ30分の平凡なアクションを楽しむことができる。非常に安っぽいシーンもあり、私にとっては凡作だ。
どうしても観たいなら家で観よう。筋書きを理解したら、アクションシーンまで飛ばしてください。そうすればきっと満足するだろう。
メタスコア53点
50:Movie Nation
ジョン・ウーが大好きだ。ジョン・ウーが引退する前に、もう少し彼のアクション映画を見たい。しかし、ギャングへの復讐賛歌として、『きよしこの夜』は同じコードを何度も何度も繰り返し、パンチの効いた軽妙な台詞がなければ、どれもそれほどミュージカル的ではない。
50:ReelViews
ウーは反暴力を訴えるためにこの超暴力体験を利用しているのだろうか?おそらくそうなのだろうが、そうだとしてもうまくいかない。監督がこの映画でやろうとしていることが何であれ、2023年の映画界に一石を投じることになる。
45:The Globe and Mail (Toronto)
サイレント・ナイト』は無駄に前戯を長引かせ、まさに「いつ花火工場に行くんだ?そして、ウー監督が残り15分というところでようやく火を点けたと思ったら、その結果は、簡単に消えてしまうような火花の弾けるようなものだった。
40:IGN
ジョン・ウーを香港とハリウッドの一流アクション・スタイリストにした魅力も映像の華麗さも、この『サイレント・ナイト』にはまったくない。主人公と同じように、この映画も何かを語ることをためらっているようだ。爽快感を犠牲にし、虚しさに落ち着いている。
30:The Film Stage
オペラのように高揚したバイオレンスを熱狂的に愛するウー監督は、才能ある若手監督たちに影響を与えたかもしれないが、彼の映画は面白い脚本がなければ無味乾燥に沈んでしまう。「きよしこの夜』もまた、喝采を浴びるような作品ではない。
25
サイレント・ナイト』のプロローグが『ハードボイルド』のラスト1時間であるかのような酷さであるのに対して、この映画の序章としてこれほどふさわしいものはない。
25:IndieWire
ジョン・ウーのような巨匠でさえ、『きよしこの夜』のようなアクション映画の派生作品に部分的な活気を与えることができなかったのは残念だ。
25:Collider
サイレント・ナイト』は、クリスマスにちなんだ新しいアクション映画になりたがっている。しかし、『ダイ・ハード』のファンの皆さん、ご心配なく。この作品は足元にも及ばないよ。
Rottentomatoes 批評家:60%支持
- トレーニングシーンは少々退屈だが、ウーは我々が期待するスリルと殺しを提供してくれる。90年代の名作には及ばないかもしれないが、それでもアクションの巨匠によるスリルのある娯楽作であることに変わりはない。
- この映画のキモは、実際のセリフがないことだ。. . . これによってウーは、彼の作品に当初から存在するような、しっとりとした音楽性で自由に物語を語ることができる。
- 12歳が考えた自警団映画で、極端に早く古くなるギミックがある。
- ジョン・ウーの過去作を高く評価する人々にとって、彼のハリウッド復帰は、彼のユニークなスタイルを大スクリーンに蘇らせた。
- 少しどころかかなり外れている。何が悪かったのか理解するのは難しくない。
- サイレント・ナイト』には紛れもなくクールな前提があるが、真に記憶に残る復讐劇にするには、ジョン・ウーによる血なまぐさい殺戮につながる、もう少し中身のあるものが必要だ。
- 台詞のないギミックは素晴らしいが、ジョン・ウー監督はストーリーを持続させ、アクションに一貫性を持たせるのに苦労している。
- 90年代が自分たちの映画を取り戻したがっている。この手の映画の賞味期限はとっくに切れている。
- 結局、この映画監督の大作とはかけ離れた、決まり文句だらけの低レベルの地下バーナーになってしまった。
- 復讐のシンプルな物語で、ほとんど台詞のないこのアクション映画は、優れた映画作りの恩恵を受けている。
- 20年ぶりにハリウッドに戻ってきた77歳のアクション作家が、サイレント・アクション映画を作った。
- ジョン・ウー監督が彼のトレードマークであるスタイリッシュで大げさなバイオレンスを作り上げているときには、おしゃべりはほとんど必要ない。
- そのユニークな前提の下には、他のリベンジ映画から借りてきた53の要素がある。
- 爆発的なオープニングの後、『サイレント・ナイト』はその唯一の存在理由である大げさなアクションと荒々しい暴力を取り戻すのに時間がかかりすぎる…。
- [ジョン・ウー】は、無表情な主人公の前をスローモーションで飛び交う薬莢で床を埋めるために戻ってきた。私たちもそこまでは求めていなかった…。
- テンポが悪く、アクションが始まっても目を覚ますのが大変な居眠り状態を作り出している。台詞なしというギミックは危険な選択だが、今回はそれが功を奏さず、登場人物の誰ともつながりがない。
まとめと感想「え?微妙じゃないか?」
正直がっかりした。
ジョン・ウーの悪いところが全部出てしまった感じ。
まず冒頭から45分間、ずっとブライアンが悲しみに明け暮れ続けるだけの映像が続く。冒頭5分で息子殺された、ブライアン復讐のために立ち上がる!ってだけで良いのに、なぜか何度も何度もフラッシュバックで苦しみ悶えるブライアンの姿が映し出され、正直この辺でもう、興味を失い始めていた。
そして、ついに復讐開始・・・ではない、来年のクリスマスに向けて復讐の準備開始。彼はただの技師で技術も筋力もない、だから一年かけて死ぬ気で努力するんだ!!ってトレーニングシーンから始まり、よくわからないけど車を新調し、よくわからないけど彼らの悪事をUSBに収めたり、よくわからないけど彼らに宣戦布告して臨戦体制にさせてから復讐を始める、計画性があるのか、バカなのか、ノロノロと復讐開始!!!!
と思ったら、一人だけ拉致して、、、殴って反撃されたり。
さぁ復讐開始!!!!
と思ったら、道の途中で一般市民をいぢめるギャングをナイフで刺して、車の屋根に乗せて、銃で殺して・・・。
じゃあ気を取り直して復讐開始!!
と思ったら、なんか警察とギャングがやり合っている中に中央から援護して、警察死ぬし、よくわかんないけど邪魔して邪魔する。
そしてやっと復讐開始!!
とは言うけど、もう何回も何回もテンポを乱され、ギャングを殺したり、逃がしたり、殺したりなんか良くわからないままボスのアジトにあっさり侵入。
ここから先は、ジョン・ウーよろしく、どんな銃撃を受けても彼には当たらない、当たっても胸の防弾チョッキにだけ当たる奇跡を連発しながら、銃で武装したギャング30人ぐらいをぶっ殺しまくる。
この時点でもう疲れて興味が失われていた。
ああ、ジョン・ウーの価値観はずっと男たちの挽歌なんだなーって。
彼の時代はとっくの昔に終わったんだなーって。
白い鳩はおそらくいなかったが、二丁拳銃は2回出てきた。
途中まで、無傷だったのに、素人の女が持ったサブマシンガンの一斉掃射を受け、一度隠れてやり過ごす→女弾切れリロードする→リロード終了→いまだ!って主人公二人が飛び出しまともに銃弾を受ける→は!?
と、都合良くラスボス前に良い感じに負傷して、戦い開始・・・。
でも正面から勝つんじゃなくて、背後から刑事の銃撃で助けてもらうというね。
ちょっと待て、この二人、被害者と刑事なだけの関係なだけで、希薄な関係者が力を合わせても何も感慨も湧かねーよ!
で、最後は御涙頂戴な、息子が生きていたらーっていう妄想→死ぬ。
終わり
って。
おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいお、
これで終わりかよ!
ってジタバタした映画。
IMDbでは6点と高評価だが、メタスコアは53点と実は低いのが納得。
2024年アメリカ公開映画
ネタバレ↓