「あなたはこの結末を”絶対に”予想できないだろう」海外で称賛された映画『ザ・メニュー』物語結末までネタバレ
映画『ザ・メニュー』作品情報
上映日:2022年11月18日(米国/日本)
制作国:米国
公式サイト
公式サイト(日本)
対応言語:英語
別名
The Menu
撮影場所
サバンナ、ジョージア州、アメリカ
製作会社
Alienworx Productions
Hyperobject Industries
あらすじ
超高級レストランの1食20万円の12名限定の豪華ディナーの招待客に選ばれた二人のカップルはシェフが用意していたのは料理以上のサプライズがあることを知らずに島に上陸してしまう。
キャストスタッフ
監督
マーク・マイロード
脚本
セス・レイス
ウィル・トレーシー
マークマイロード監督といえばゲームオブスローンズの監督として有名でさまざまなテレビシリーズドラマの監督を経て。今作The menuは初の長編映画監督作品であり、その完成度の高さかを称賛されている。
キャスト
ラルフ・ファインズ… シェフ・スロウィック
アーニャ・テイラー=ジョイ…マーゴット
ニコラス・ホルト …タイラー
ホン・チャウ …エルザ
ジャネット・マクティア… リリアン
ポール・アデルスタイン … テッド
ジョン・レグイザモ… 映画スター
エイミー・キャレロ …フェリシティ
リード・バーニー…リチャード
ジュディス・ライト… アン
レベッカ・クーン… リンダ
ロブ・ヤン.. ブライス
アルトゥーロ・カストロ… ソレン
映画『ザ・メニュー』物語ネタバレ
マーゴット(アニヤ・テイラー=ジョイ)と恋人のタイラー(ニコラス・ホルト)が、ある秘密のレストラン「ホーソン」に招待され島に向かうボートに乗っている。
そのボートには料理評論家のリリアン・ブルーム(ジャネット・マクティア)と夫のテッド(ポール・アデルスタイン)彼女の発言の影響力は凄まじくタイラーはマーゴットに、このレストランも彼女の批評次第で栄枯盛衰が決まるのだと言う。
そして大富豪のアン(ジュディス・ライト)とその夫リチャード(リード・バーニー)。ビジネスマンのソーレン、デイヴ、ブライスの三人。映画スター(John Leguizamo)と秘書のフェリシティ(Aimee Carrero)が同じ船で島に向かっていた。
船は島に到着し、全員が下船して甲板で給仕たちに迎えられる中、レストランのキャプテンであるエルザ(ホン・チャウ)はマーゴットを怪訝な顔で見つめると彼女は招待客ではないと伝えられる。実はタイラーは当初招待するはずだった恋人と別れたため代わりにマーゴットを連れてきたと説明するがエルザは異様に狼狽していた。
エルザは、島は12エーカーの森で、海にも面しているので、今夜食べるマンリアクラム?は今朝収穫したもので、現在燻製処置している乳牛の肉は152日間熟成させていると説明される。(この日数はこの日に合わせて仕込まれ153日を越すとダメになってしまうらしい)
次にエルザは、ゲストそれぞれのアレルギー(ナッツ類、貝類、グルテン過敏症など)を知っていて、それに合わせてメニューを計画していることを話す。
そして、この島に住み込みで働くスタッフ全員が住む寝床を案内されるが、清潔な場所ではあるがそこは無骨な軍の兵舎のような2段ベッドで明らかに何名かは不思議そうな表情をするがエルザは、「ここのスタッフは、世界一のレストランをつくるという共通の使命のもとに働く家族のようなもで朝6時から5時間、収穫、採集、発酵、屠殺、刻み、マリネ、蒸し、燻製、焼き戻し、液化、球形化などの下ごしらえ、その後礼拝前の準備に4時間。夕食の時間は4時間半。その後、厨房を2時間磨かなければならない。シェフは最高水準の仕事をこなしていますし、私たちはホーソンで働けることを光栄に思っています」とまるでカルト宗教の信者のようなことを言う。
さらに島を歩き芝生を渡ってレストランに向かう途中、タイラーが丘の上にあるコテージについて質問する。エルザは、このホーソーンの経営者でありシェフのジュリアン・スロウィックが住んでいるが、スタッフでさえも中に入れないと言う。
つにレストランの扉が開けられアンとリチャードはすでに着席していた。すべてのテーブルの奥にはオープンキッチンがあり、店員たちが一生懸命に働いている。エルザは、「シェフは、自分の作品の美しさの一部は、まさにそのはかない性質であると強く感じている」ので、料理を写真に撮らないようにと皆に言います。
タイラーは厨房を見たいと言い、マーゴーを連れて小さなジェルを作っている副料理長に話を聞きに行く。タイラーはパコジェットを使って作ったのかと尋ね、自分のグルメ知識を自慢する。副料理長はタイラーを名前で知っており、スタッフの誰もが一緒に食事をする人のことをすべて知っていると言う。タイラーが席に着くと、マーゴットは、副料理長はタイラーの名前を知っているが、タイラーは自分の名前を聞かなかったと指摘する。みんなにワインが配られ、スタートする。
シェフのスロウィック(ラルフ・ファインズ)が厨房に登場しメニューの始まり”the mess”の試食を始め料理を作った副料理長を咎めると副料理長は突如拳銃自殺をする。
銃声が響き渡り客がパニックを起こしリチャードが逃げ出そうとするがスタッフに捕まり指を一本切り落とされてしまう。落ち着いたスロウィックはこれも全てメニューの一部だと説明。この場に招待された12人は理由はそれぞれあるが、我々スタッフも今夜全員死んで終わると説明する。そして唯一招待されていたいマーゴットは予定外の存在のため客と一緒に死ぬか、スタッフと一緒に死ぬか選択を迫る。マーゴットの様子からスロウィクは彼女は接客業従事の経験者であること、そして、タイラーの彼女でもなんでもなくただのエスコート役ということを明かされる。
次のコースは”Men”s Folly”は男性客に45秒の逃げる猶予を与えるが結局全員捕まってしまう。残った女性客が女性副料理長にこんなふざけたディナーを止めるように助けを求めるがそもそもこの招待客もスタッフ全員で集団自殺する最後をスロウィックに提案したのは自分だと伝え皆を凍り付かせる。
タイラーはそもそもこの料理のラストで死ぬことを事前に知っていたにもかかわらずわざわざマーゴットを選んで連れてきたことに怒りタイラーをぶん殴る。最初から最後までヘタレなタイラーをみんなの前で料理をさせるという屈辱を与え、知識だけのタイラーはうまくいくわけもなく、スロウィクの勧めで首吊り自殺をさせられる。
スロウィックの指示でデザートに必要なモノを用意するように指示されたマーゴットは立ち入り禁止のスロウィクの小屋に忍び込むとエルザに襲われてしまう。なんとか撃退するがエルザを殺してしまう。その後その部屋にあった新聞にスロウィックの以前の姿が掲載されているのを見つけ、無線機で沿岸警備隊に助けを求めレストランに戻ると海上からボートが現れ助けが来たと思ったが、ボートから降りてきたのはスロウィックの部下の一人だった…。
エンディングネタバレ
マーゴットの裏切りを知ったスロウィックに対し、マーゴットは彼の出す料理を貶しまくった後、まだお腹が空いているので、”ファーストフード店で働くスロウィックの記事”を見た彼女はスロウィクにアメリカンチーズバーガーとフライドポテトを頼むとスロウィックは涙を流しながら料理を作り提供する。
皆が見守る中彼女は”おいしい”とスロウィックの料理を誉めた後”持ち帰りにしてほしい”と伝えるとスロウィック自ら料理を詰めて彼女に手渡す。他の客はこの店とメニューと共に死ぬことを受け入れている招待客であるため、帰る彼女に励ましの言葉を送り見送るのだった。
残った招待客、スロウィック、スタッフはマシュマロの上着、チョコレートの帽子を着用させるとレストラン全体に着火し全員で集団自殺をする。
マーゴットは脱出したボートの上で燃えるレストランを眺めながらチーズバーガーを食べ終えるのだった。
海外の評価 IMDb 7.5/10
8/10
素晴らしい風刺
メニュー』は、金持ちとその無能さを風刺した最初の作品ではないし、新しいことを言っているわけでもないが、だからといって、この作品が、一貫した笑いと遊び心と非常にスタイリッシュな方法で、あらゆるものをからかう素晴らしい風刺であることを妨げることは間違いない。
ラルフ・ファインズは、不器用な不安感に満ちた素晴らしい演技で、彼の圧倒的なスクリーンプレゼンスをさらに高めている。アニヤ・テイラー=ジョイは、わざとらしく憎めないキャラクターの中で完璧な観客代理を務め、中でもニコラス・ホルトは、そのキャラクターを滑稽なほど哀れなものにするのが上手すぎるほどだ。
マーク・マイロッドの演出は素晴らしく、登場人物の気取った性格に見合うだけのビジュアル・スタイルがあり、緊張感を高めるのが実にうまい。コリン・ステットソンの音楽も素晴らしく、美しさと不安感のバランスが絶妙です。
9/10
楽しい逃避行
(馬鹿の一つ覚えですみません)この映画はまさに今求められていたものです。ある種の料理や味と同じで、時間をかけないといけない。笑うことを恐れてはいけない。乾いた機知と明白な皮肉がたくさんあるので、笑いを吐き出しましょう。(Taylor-Joy、Houlton、Fiennesが素晴らしい演技を見せてくれました。ネタバレになりますが、ホルトの演技はイライラすると同時に素晴らしいものでした。
テイラー=ジョイとファインズの芝居は、値段に見合ったものだと思います。あなたも単純に、この映画の一番いいところだから、もっとこれらから多くを望んだのでしょう。
ホン・チャウとレグイザモは嬉しい限りです。とはいえ、レグイザモは飲み込みが厳しいですが。彼はまだ喜びを感じています。
ジュディス・ライトをスクリーンで見ることができたのは素晴らしいことでした。彼女は自分の役を完璧に演じていました。
10/10
価値あるグルメを堪能できる
この映画は、とても芸術的で楽しいダークコメディ/スリラーで、賞賛に値します。この作品は、「サクセス・オブ・ザ・イヤー」のようにスタイリッシュで、かつダークな雰囲気のある作品です。ラルフ・ファインズとアーニャ・テイラー・ジョイを筆頭に、豪華なキャスト。コメディやホラーファンには嬉しい、狂気と笑いが混在する作品。楽しいエンターテイメントが満載で、全体的に美味しく、高級料理も食べてみたい。メニューはよく書かれており、2022年のホラー映画界を代表する作品だと思う。
9/10
目の保養になる豪華なごちそう
マーク・マイロッドの「メニュー」は、心をつかみ、風刺的で、耳障りで、心にしみる見事な作品に仕上がっている、味わい深いごちそうだ。この映画は素晴らしい社会批評であり
8/10
完全に狂気じみた、大げさな、しかし見事な風刺劇
これは、誰もが人生で出くわしたことのある「強迫観念」を題材にした映画だ。この映画は、奇妙でユニークな癖のある、一見不気味なスリラー/サスペンスタイプの映画としてスタートするが、徐々にもっと荒唐無稽なものへと発展し、明らかに行き過ぎたものとなっている。緻密に練られたシェフのメニューよりもタイトな脚本で、映画通のおっちょこちょいさんでも、この映画でお腹いっぱいになることだろう。
あらすじでネタバレするのではなく、この映画を見ようか迷っている人の興味をそそるような話をしよう。
『ザ・メニュー』は、芸術と芸術家の結婚をめぐる飽き飽きした会話について、新鮮で興味深いことを語っている。筋書きには、額面通りに受け取っていると簡単に見逃してしまうような、明らかに非論理的で混乱させる要素がある。
全体として、この映画は、分別があり、首尾一貫した、満足のいくスリラーであることを意図していない。その代わり、この映画は私たちの社会における痛烈な現象、つまり、私たちの周りで芸術を生み出す人々に対する見方、消費、追求、そして最終的には執着の仕方についてのコメントなのだ。確かに、この映画はシェフと彼の綿密なメニューについてですが、実際には、あらゆる種類の芸術、すなわち映画制作についてのより大きな論点があります。
この映画は、2022年の映画製作の現状を解説した傑作であると私は信じている。巨大なスーパーヒーロー映画、巨大なスタジオのA++リストのセレブ映画などが唯一の金儲けであり、この映画の製作者はひとつの簡単な質問を投げかけている。
私たちが集団で彼らのBSを呼び、シンプルなパンを求めるまで、どれくらいかかるのだろうか?
このような色調の変化を伴う脚本が、『サクセション』の脚本家/監督からもたらされたとしても、私には何のショックもありません。この映画の作り方の多くは、番組を思い起こさせるものです。鋭いウィット、笑いと呆れの間にある皮肉、ひねり、展開、そしてもちろん、私たちが大切にしている社会通念、しかし根本的には非常識な輝きへの敬意を、ああ微妙に鼻で笑っているのである。
映画好きとしては、今年最も考えさせられる作品のひとつでした。この映画を見ると、天才的な芸術家と狂気のサイコ野郎の境界線は何なのか、と考えさせられます。アーティスト、アート、そしてそれを(文字通り)消費する人々、すべての登場人物に自分を見出すことができる。
8/10
確かにとても美味しいお菓子です
この作品は、本当に素晴らしい作品です。この作品では、レストランでの思い出をナビゲートしてくれるので、ハラハラドキドキしながら笑えることでしょう。
素晴らしいアンサンブル・キャストが登場します。ニコラス・ホルトは、気取った食通を完璧に演じ、ショーを支配している。ファインズは、その名を冠したメニューの謎めいた作り手を、何層にも重なった役柄で見事に演じ切っている。アーニャ・テイラー・ジョイはいつも通り、観客に入り込みやすく、とても見ごたえがある。脚本は彼らに素晴らしい素材を提供し、キャスト全員がそれを簡単に実行しました。
この作品のスタイルと演出は、まったく欠点がありません。正確で、独創的で、とてもクリーンで洗練されているので、視覚的にとても魅力的な映画になっています。
しかし、プロットに関しては、いくつかの粗削りな部分があると言わざるを得ませんし、肝心な点を突き詰めれば、その前提は必ずしも画期的ではありません。この映画は、時に非常に鼻につくし、繊細さは必ずしも得意とするところではありません。しかし、風刺、コメディ、スリラーのバランスをうまく調整するのは簡単なことではなく、この作品ではそれが見事に成功している。
社会に対する鋭い洞察と風刺、クリーンなスタイル、そして素晴らしい演技で、「メニュー」は終わらせたくないごちそうです。
まとめ
全体的には面白いマーゴットは美しいんだけど、顔の主張が強すぎると感じるのは私だけだろうか、彼女はどんな映画にも引っ張りだこになっているのはわかるんだけど、、なんだろう、強すぎるんよ。
それとは関係なく美しい島宗教じみたスタッフ、美しい独創的な料理、料理の物語、から徐々に猟奇的で暴力的な物語になっていくこの前半部分はずっと興味深く見入ってしまったが、後半が普通のスリラー映画になってしまい尻つぼみな感じ。予告編で期待しすぎてしまったのはあるが。
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