「ニコラス・ケイジ最高傑作だ」世界中で大絶賛!39もの映画賞受賞!『ピッグ/PIG(2022)』物語エンディングまでネタバレ!人里から離れた山奥で暮らすトリュフハンターロブの豚を探しに都会に向かうが、そこには多くの想い出があり、彼はなぜその場所を離れたのか?静かに彼の過去を振り返りつつ彼の深い愛情を知り、最後は涙する。素晴らしい作品に出会えたことにあなたもきっと感謝するはずです。
もくじ
映画『ピッグ/PIG』作品情報
あらすじ
オレゴンの荒野で一人トリュフハンターで生計を立てているロブという男と相棒の豚がいた。穏やかな日々を過ごしていたがある日ライバルハンターの襲撃を受け愛する豚を盗まれてしまった。俺の豚を盗んだ奴は誰だ?
監督
マイケル・サルノスキ
原案
バネッサ・ブロック マイケル・サルノスキ
脚本
マイケル・サルノスキ
編集
ブレット・W・バックマン
監督のマイケル?ミカエル・サルノスキは今作「Pig (2021)」,「 Fight Night Legacy (2012)」 の映画監督以外はテレビシリーズ「Olympia」の監督。来年公開予定の「 A Quiet Place: Day One (2023)」クワイエット・プレイスの前日譚の監督が予定されている。監督作品は全て脚本や原作は監督本人が行っており、今作「Pig」は世界中で高い評価を受け39の映画賞を受賞している。
キャスト
ロブ:ニコラス・ケイジ
アミール:アレックス・ウルフ
アミールの父ダリウス:アダム・アーキン
ローリー:カサンドラ・バイオレット
映画『ピッグ/PIG』物語エンディングまでネタバレ
静かな荒野で一人静かに暮らす男と、豚が一匹。
男の名前はポートランドの元シェフからトリュフハンターに転身したロビン・”ロブ”・フェルド(ニコラス・ケイジ)。オレゴンの森の奥深くにある小屋に住み、自慢の豚を使ってトリュフを狩っている。トリュフハンターは豚だけではなく、ロブ自身も土の味を確かめて確実にトリュフに近づく経験豊富なハンターでもある。
トリュフ若く横柄な男アミール(アレックス・ウルフ)に売っていた、彼は高級レストランに高級食材を卸している仲介屋だ。
突然の襲撃、豚が誘拐
ある夜、ロブは正体不明の襲撃者たちに豚を奪われる。ロブはアミールに連絡し、地元のライバルハンターに話を伺い盗んだのは近所のジャンキーが犯人だと突き止める。しかし彼らに話を聞くがポートランドのダウンタウンに住む人物に豚を渡したと主張するだけで話にならなかった。
ロブとアミールはポートランドに向かい、ロブの古い知り合いのエドガーの主催する地下闘技場に侵入、ロブは情報のためにサンドバック役として出場し殴られることでエドガーから豚の居場所など多くの情報を収集することができた。
翌朝、アミールはロブの料理人としての才能に感嘆の声を上げる。そしてアミールは自分の両親が不幸な結婚生活を送っていたこと、ロブのレストランで食事をした後が一番幸せだったと語り、やがてアミールの母親は自殺したことを伝える。そこでロブはアミールに高級レストラン「エウリディケ」を予約するように頼み込む。そしてロブは、死んでしまった妻ローリ(カサンドラ・バイオレット)とかつて暮らしていた家を訪ね、そこで出会った子供との会話でロブはローリの死によって社会から隔絶された生活を始めていたことが判明する。
ロブの過去
ロブとアミールが高級レストラン「エウリュディケ」に行き、かつてロブのレストランで下ごしらえをしていた料理長のデレクに会いたいと頼む。出会ったデレクは余裕の表情で再会を喜んでいたが、ロブは静かに淡々と、かつてデレクがやりたいと言っていたパブではなく、現代的で保守的で儲け主義のレストランを開いたデレクを厳しく、しかし優しく諭すように批判する。
デレクの笑みが消え、夢と現実に打ちのめされて今があることを認め、そして、ロブの豚を盗んだのはアミールの父親ダリウスであり、その高級トリフを探し当てる天才的な豚の存在はアミールから聞いたと告白する。
勝手にロブの情報を売り渡したアミールに対し関係を解消し単独ダリウスの家に向かう。そこで豚を返すようにダリウス(アダム・アーキン)を追い詰めるが、余裕で冷静なダリウスは豚と引き換えに2万5千ドルを渡すと約束するが、これ以上豚の追跡を続ければ豚を殺すと脅す。その頃、アミールは介護施設にいる昏睡状態の母親を訪ねていた(本当は生きていたことがここで始めて判明する)
ダリウスの家を出るとそこにはアミールがいた。彼は深く反省しロブに謝罪して彼の車として助力を申し出た。するとロブは「トリュフ狩りに豚は必要ない、木を使っているからだ(冒頭土を口に含んでいたのではなく木を吟味してトリュフの場所を探し当てていたことが判明する)」突然企業秘密を明かしたロブに対して驚くアミールに対しロブはトリュフのためではなくただ、彼女を愛しているので返して欲しいと伝える。そしてロブはアミールに豚を取り戻すために、必要なリストを伝える。
エンディングネタバレ「ロブの秘策、豚の行方」
ロブとアミールはローリの遺灰を収めた霊廟に保管されているワイン、旧友ヘレンのパンなどかつての伝や想いのある特別な材料を調達するとダリウスの家に忍び込む。
台所に向かったロブとアミールは数年前、ロブが自分のレストランを訪れたダリウス夫妻のために用意した料理とワインを作りダリウスに振舞う。一口食べ、ワインを飲んだとき、感極まったダリウスは嗚咽を漏らし涙を堪えテーブルを離れる。
ロブが後を追うと、ダリウスは、盗みのために雇ったジャンキーが豚の扱いを誤り、彼女を死なせてしまったことを告白する。ロブはショックを受けその場に崩れ落ち泣き叫ぶ。その姿を見てダリウスは深く反省した様子を見せる。
アミールはロブを森の家の近くのダイナーまで送り届ける。そこでロブは一連の出来事はアミールの不注意にもかかわらず、彼とのコンビを再開することを伝える。アミールと熱く握手を交わし別れ森に戻ったロブは、美しく雄大な湖で血まみれの顔を洗い、小屋に戻ると、ローリが彼の誕生日にブルース・スプリングスティーンの「I’m on Fire」を歌うのを録音したテープを聞いて映画は終了する。
I`m on Fireの歌詞の意味はこちら
海外の評価IMDb「6.9点」
9/10
喪失感、痛み、悲しみを描いた、タフで生々しい映画。
「ピッグ」は間違いなく、通常の映画の常識とは明らかに異なる、離れた映画である。しかし、迷子の豚の物語でありながら、映画はドラマと感情というテーマでつながっている。オレゴンの荒野を舞台に、孤独なトリュフハンターのロブ(ケージの好演)は、自給自足の荒れた生活を送り、ほとんど外に出ず、古いガラガラトラックからドラマを生み出す。しかし、彼の愛すべきペットの豚が彼を支え続けている。ロブは豚を探すため、ポートランドの大都会を旅しながら、ロブが覚えている物事や人々の過去の旅に出る。ニコラスは長髪に顎鬚という無骨な姿で登場するが、ロブは豚を探すためにバーやレストラン、昔の人たちの家を訪ね歩くというファイター的なキャラクターだ。しかし、この物語は、迷子の動物が登場するにもかかわらず、ドラマ、痛み、感情、そして悲しみは、人間の物語に匹敵するものだ。ブタ」は、人とのつながりや愛着が失われたときに、いかに悲しみが生まれるかを教えてくれる、目からウロコの痛快作である。
10/10
ケージを使った驚異的で確実なデビュー作
ピッグは、よりダークで暗い色合いのジョン・ウィックのような外観で劇場に足を運ばせるかもしれないが、その示唆以上のものである。この映画は、自他の喪失とそれがもたらす打撃について、また、他人の魂に手を差し伸べること、特にそれが自分を傷つけた相手であれば、通常の復讐劇を展開するよりも、最終的にはるかに多くの勇気を示すことについて、かなり破壊的かつ深く感情的な映画である。どうしてそうなるのかは言いませんが、この映画はその悲劇的な表情と映画の見た目そのものを獲得しています(帰りに妻に言ったのですが、この色の選択はほとんどトリュフに見えます)。
そのレベルでは、この映画制作者は、許しや、その傷を開くことがいかに痛みを伴うものであるかを探求することにも厳格である。しかし、この映画を「とても良い」から「今年のベスト」の1つに変えたのは、ロブがレストランでシェフと話すシーンでした。なんてキャラクターなんだ。ケイジはこの人物の悲しみや怒りを大きく表現するのはほんの一握りで、彼は今、部屋に入ってきて少し話すだけで注目を集められる段階にいる。そして、ウルフやアーキンらの脇役も素晴らしく、彼にマッチしている。
まとめると。それでいい、ニコラ。それでいい。
9/10
今年最高の映画の1つ。
“Pig “は、あらゆる場面であなたを混乱させる映画だ。冒頭の瞬間でさえ、その後に続く映画とは全く異なる映画を示唆している。これは時代劇なのか、「First Cow」のような西部劇なのか、それとも「ダイ・ハード」のヒーローが登場するスリラーなのか(近年、ニコラス・ケイジはそういった作品を多く演じている)。実はそのどちらでもない。しかし、初めて脚本家兼監督を務めたマイケル・サルノスキーの崇高なシナリオは、この上なく独創的なオリジナル脚本であり、両方の要素が含まれているのだ。
しかし、『ファイト・クラブ』に出てきそうな序盤のシークエンスにもかかわらず、スリラーやアクション映画を期待しないほうがいい。徐々にケイジが何者であるか、あるいは何者であったかを知り、先入観は失われていく。そう、この作品はキャラクターものでありながら、「食通」の映画でもあり、孤立、孤独、友情についての映画でもあるのだ。
ケイジは常に優れた俳優であったが、時にマニアックな傾向がある。しかし、この作品は完全に孤立した演技であり、ここ数年の彼の作品の中で最高の出来である。彼が誰であるかも知らずに一緒に行く少年を演じたアレックス・ウォルフも素晴らしい(彼は『ヘレディタリー』で息子役を演じていた)。実際には大したことは起こらないが、サルノスキー監督は、キャストだけでなく、撮影監督パトリック・スコラとアレクシス・グラパスの美しい映像、フィリップ・クラインの音楽に助けられ、終始観客を掌握している。この作品は、映画賞のシーズンになれば、非常に良い結果を残すと思います。
まとめ:感想評価「視聴後の多幸感を味わって」
何も考えず、予告も見ずに視聴して良かった。
こんな素晴らしい映画に出会えたのだから。
39もの賞を受賞したのも頷ける。
最近借金返済のためにB〜C級映画を脚本も読まずに片っ端から出演して借金返済したニュースを読んだが、その後に出会った『ジ・アンベアラブル・ウェイト・オブ・マッシブ・タレント(原題)(The Unbearable Weight of Massive Talent)』はニコラス・ケイジっぷりが爆発したニコラス・ケイジ好きな監督がニコラス・ケイジファンに送るニコラス・ケイジのための映画で、ザ・ロックとかフェイス・オフの熱を感じる良い作品だったので、てっきりこの作品が”近年の”ニコラス・ケイジ最高傑作だと思ったが、そんなことはなかった。あっちはコメディでこっちはヒューマンドラマなので比べるのは難しいが感動度合いで言うのなら「ピッグ/PIG」がダントツで面白い。
ロブ役はニコラス・ケイジ以外ではダメだったのだろう。彼以外考えることができないほど見事なハマり役で、本当にそこにロブという人間がいるかのような悲哀を背負った孤独のハンターを演じきっていた。海外評価にもあったがかつての弟子が立派な高級レストランのシェフになっていた彼に向かって厳しくも優しく「お前の夢はどうなった?」と批判して諭すシーンでニコラス・ケイジに対し一体どんな過去を背負ったらそんな表情でそんなセリフが出るのだ?と感動すら覚える。そして徐々に面の皮が剥がれるシェフの本音を聞いた時、鳥肌が立った。凄すぎるだろこの男。と。
これ以上何も言えないし言わない。
この映画をこれ以上私の主観で薄めたくないからだ。
何も言わずにこの映画を見るべきだ。
日本公開が10月7日に全国の劇場公開が決まったようです。お楽しみに。
2024年アメリカ公開映画
ネタバレ↓