映画では描かれなかったエルヴィス・プレスリー死亡の少し恥ずかしい真実とは?




「死因はトイレで踏ん張ったから」映画『エルヴィス』では語れない39年後に明かされたキングの教えたくない死亡した本当の理由を解説。複数の薬物検出と暴露本、勇気ある医師の告発、その裏では1人の医師が常軌を逸した処方を続け起訴された話など知ると少し悲しくなるお話を解説していきます。

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プレスリーの本当の死因は「薬物」

エルヴィス・プレスリー
Image: Everett Collection.

死亡した原因については様々な陰謀論などもあるが、検死の結果公式発表でエルヴィス・プレスリーの死因は処方薬の極端な誤用による心臓不整脈」と発表されている。

え?誤用?

そうなんです、心臓麻痺で死んだと劇中ではナレーションされていましたが、実はエルヴィスの直接の死因は心臓麻痺だったのですが、そこに至るまでに「医師の極端な処方箋の誤用」があったことについては最近まで伏せられてきた事実でした。(この辺をこれから解説していきます)

映画「エルヴィス」が本物のプレスリーの死に様を詳しく描かないという事実は、彼の作品に初めて触れる観客にはふさわしくないと考えたのかもしれません。確かに劇中あの流れで医師の処方箋の誤用によることが死因です。なんてナレーションが流れたらあのままサスペンス映画になってパーカー大佐や医師たちへの糾弾話になってしまいますからね。

あえて「心臓麻痺」で終わらせたのは良い決断だったのかもしれません。

しかし、映画『エルヴィス』を視聴し終わった視聴者からすればそんなのは納得することはできませんよね、ということで、ここから先は様々なメディアで紹介されていたプレスリーの死因について詳しく追っていきます。

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映画では描かれなかったエルヴィス・プレスリー死亡の真実とは?

エルヴィス・プレスリー
Photo: Everett Collection.

ムーラン・ルージュのバズ・ラーマン監督のエルビス・プレスリーを描いた大作伝記映画『エルヴィス』は3時間近くかけてキングの生涯を(パーカー大佐の主観で)語りますが、エルヴィスプレスリーの死の詳細には全くというほど触れていませんでしたその理由は少しだけ謎に満ちている部分があるからです。

エルヴィスが死亡した日時、場所、状況、発見者

現時点で判明している話をまとめて解説していきます。

現時点でエルヴィス・プレスリーの死因や詳細

死亡日時
エルヴィス・プレスリーは1977年8月16日、42歳の若さでこの世を去った。搬送されたバプテスト記念病院へ搬送され、担当した医師が午後3時30分死亡を確認した。(死亡確認した医師の名前は伏せられている)

死亡した場所
テネシー州メンフィスにあるグレースランド邸のバスルーム(トイレ付きのユニットバス)

発見時の状況
意識を失ってうつ伏せになっているところを、当時の恋人ジンジャー・オールデン(エルヴィスの映画にはなぜか登場しない)に発見され、2015年に彼女が出した回顧本で「顔中にシミがあり紫色なっていた」「便器に座っている状態で体が硬直しそのまま前に倒れていた」「目は前を向いたまま、真っ赤に充血していた」と詳細を語っている。

死亡した原因詳細(2018年に発表された新たな説)
あれから何十年もの歳月を経て2018年に新たに発表された彼の死因(公式ではない)は
長年の麻薬使用者であり、睡眠薬、抗ヒスタミン薬、バルビツール酸塩、そして最後に、処方箋グレードの鎮痛剤によって引き起こされる激しい便秘を治療するために下剤を乱用していました。彼の最後の瞬間に、エルビスはおそらく排便を通過するのに非常に激しく緊張したので、その努力は彼の心臓に極端な量の圧力をかけ、心停止をもたらしたとも言われている。(後述するが、公式発表をしたフランシスコ博士は遺族のために薬物は関係ない心臓発作と発表したと言われている)

2018年に死因が発表?なんで?

心臓発作じゃないの?薬物関係ないの?と色々思うところがあるかもしれませんが、これから映画では語られなかった映画『エルヴィス』の死後について時系列で説明していきます。

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1977年:死亡調査発表「薬物関係はない心臓不整脈」

実は海外記事「How Did Elvis Presley Die? The True Story Behind the Movie’s Final Moments(エルビスはどのように死んだのか?死の裏話)」では驚くほど当日のことが細かく描かれていたので一部抜粋して紹介します。

病院に運ばれたプレスリーに対し医師が蘇生を試みたが、その日の午後3時頃、死亡が確認された。数時間後、3人の医師が彼の遺体を検死した。

検死に立ち会った病理学者で主任検死官の一人、ジェリー・フランシスコ博士(PBSによると、解剖に立ち会ったが、解剖はしていない)、数日後にこのスターの正式な死亡診断書を発表し、死因は薬物と無関係の心臓不整脈であるとした。さらに「エルビス・プレスリーの死因は心臓病であり、彼の血液から検出された処方薬はその一因ではなかった」と、フランシスコは当時American Medical Newsに語っている。

心臓不整脈とは
心臓の血液を送り出す力が落ちるため、疲労感や息苦しさ、意識が遠くなるようなめまい、ふらつきを生じ、重症の場合、失神や突然死をきたすことがある

この、疲労感、息苦しさ、意識が遠くなる、ふらつきなどの症状は劇中で描かれたプレスリーに発症していた症状と似ている(映画ではこの心臓不整脈が直接の死因であるという公式発表を基に描いたのだろう。

ここで興味深い映像がある、彼の最後の1977年に行われた最後のコンサートのシーンである。

映画の最後にも描かれていたが、ピアノに座る前に彼は喋るだけも辛そうにも見えないだろうか?

このように「プレスリーの死因は心臓病」で世論は決着となっている。しかし根強く彼の死因に薬物が関連しているという話がなぜ出続けるのか?をこれから紹介していきたい。

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1977年:11種類の薬物反応も反応は薄く

実はプレスリーの死後数週間後、彼の血液を毒物検査した結果が出たが、彼の血中からクアールード処方薬(ディラウディド、パーコダン、デメロール、コデインなど)など合計11種類の薬物が検出されたが、フランシスコは報道陣に対して発表した公式死亡記録があるため「彼の死亡について薬物の関与はなかった」と世論は動いてしまった。

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1979年:勇気ある医師の告発で世論は動く

エルヴィス・プレスリー
Photo: Everett Collection.

しかし、プレスリーが亡くなってから2年後、流石におかしいだろうと1979年、法医学者の第一人者であるシリル・ウェクト博士(かつてアメリカ法医学アカデミー会長)がテレビ番組『20/20』に出演した。彼はプレスリーの医療記録を調べ、彼の死を招いたのはこれらの薬物であると主張した。(この放送を見た多くの人がプレスリーの死亡は暗殺、陰謀だなどの諸説、噂話を作り上げるきっかけにもなっている)

この放送からやっと世論は動き出し死後2年経ってから薬物とエルヴィスの関係性を調査、報道されるようになり、1人の謎の専属医師が登場するようになる。

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1980年:20ヶ月に1万錠処方した専属医師が起訴

メンフィスの医師ジョージ・ニコプロスは1967年からエルヴィス・プレスリーの専属医師として治療を始めた、そこで彼はプレスリーが求めるままに規制された薬物を無差別に処方、調剤してプレスリーに与え続けていたことが後日判明する。

血液検査で発見された薬物の全てが彼の処方によるもので、その量はなんと20ヶ月に12000錠という常軌を逸した量を投薬していたこと、彼の旅行カバン3つは薬品でパンパンになっていたという。(調べに対してこの量はプレスリーだけではなく側近や家族、チームに処方するものだと主張、、、だとしても12000錠は逸脱した量である)

エルヴィスの死亡に直接関係はないとはいえ、医師としてどうなの?ということで1981年11月に専属医師ジョージ・ニコプロスは薬の過剰処方の11の重罪で起訴されたが無実になる。(無実になった経緯は不明だが。彼は私がプレスリーに薬を処方しなくても彼は他の人脈を使ってあらゆる薬を手に入れただろう、だから要求するままに処方したと証言している)

それからプレスリーへの過剰処方で2度目の起訴をされたが2回とも無罪になった。しかし1995年にテネシー州医師会から医師免許を永久停止されている。(遅くない?)

だが、キングの過去を傷つけたくないファン、遺族への同情からか彼の薬物中毒が死因だったなどの主張や暴露は逆に誹謗中傷の的にもなるほどに、世論がキングと薬物との関係を望んでいないようだ。

2018年:「薬物による排便困難が原因で心臓発作」発表

それから39年後の2018年、PBS NewsHourのコラムニスト、ハワード・マーケル博士が彼の死後2年後に発表したシリル・ウェクト博士の主張についての詳細を解説した。

彼は、プレスリーの死因は、長年の処方濫用による薬物によって引き起こされる激しい便秘に苦しみながら排便を試みたことによる心臓発作だと発表する。(バスルーム=お風呂というイメージだったが、どうやらトイレで倒れていたという翻訳もあるため、ひょっとしたらトイレで倒れていた、が正解なのかも?)しかしこの便秘は、プレスリーの体内にある薬物のせいで、排便への困難は途方もない苦痛を与えるものだったと説明。そして「エルヴィスが人生の終わり近くに苦しんだ肥満、II型糖尿病と思われる病気、肥大した心臓、不健康で脂肪分の多い揚げ物を食べ続けたこと、そして悪名高い処方箋薬の消費と合わせると、彼を災いの渦に至る完璧な処方箋ができあがるのだ」 と。

こうして当初心臓発作と言われていたプレスリーの死亡についてやっと詳細が浮かび上がることになります。

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まとめ:何故プレスリーの死亡シーンを描かなかったのか?

なぜ死亡シーンの詳細を描かなかったのか?音楽界の伝説的人物がトイレで死んでいくのを見るのは、8500万ドルをかけたとされるこの映画にとって、あまりに暗い結末で、トイレで踏ん張って死んでしまったなんて逸話は彼の経歴に傷を残すそれでしかないですよね。それに、プレスリー家の了解を得ることは絶対になかったでしょうからね。

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