「竜とそばかすの姫」海外の視聴者のリアルな反応と評価を紹介していきます。
海外の評価は高いと思うかもしれませんが、細田守作品ではミライの未来と同じ評価。
『この映画は『サマーウォーズ』の最も悪い部分を引き継ぎ、それに稀に見るほど、ひどい脚本を加えた続編のようなものだ』と酷評されており海外の様々な反応をぜひ楽しんでください。
一体皆さんはどこが劣ってどこが足りないのか?気になりますよね。一緒に見ていきましょう。
海外のレビューは様々な媒体Rotten Tomatoeなどから集めて翻訳したものです。
日本のアニメ、
映画、ドラマの
海外評価もぜひ↓
もくじ
「竜とそばかすの姫」海外の反応と評価
RottenTomatoesでは100%好意的と評価されていますが、これはまだ有名な批評家によるレビューによってです。まだ一般レビュアーの意見が少ないので今後の評価が気になります。
有名な海外レビューサイト「IMDb」一般のレビューの総合点は10点満点中「7.1点」となかなか評価が低いんです。
ちなみに細田守作品の点数は
・ミライの未来:7.0
・サマーウォーズ:7.5
・時をかける少女:7.7
・おおかみこどもの雨と雪:8.1
・バケモノの子:7.6
と歴代作品の中でも群を抜いて低いということが分かります。
これから紹介するレビューも多くが肯定的に捉えてはいるのですが、過去作には劣る。という意見が多いということですね。
「竜とそばかすの姫」海外「肯定的」な反応と評価
8点: 大人になるっていうのは、現実世界でもヴァーチャル世界でも大変なこと
まず最初に言っておくと、「竜とそばかすの姫」には少なからず欠点がある。
プロットが現実から抜け落ちてしまう場面がいくつもあるし(非常に重要な瞬間にも)、使い古された陳腐な表現に陥ってるところもある。たとえば仮想世界の前提として、人間の内面的な資質を、自分の分身として変換するとか。これはこのアニメの主軸なんだけどね。それはともかく、実際に見て感じるのは、たとえ欠点があったとしても、それは対して問題じゃないってこと。
8つ星と評価したけど、ほんとうは9つ星に近い。
細田守氏は人間の心理を理解しているからだ。
細田守監督の前作「未来のミライ」も見たけど、そこでも人間の心理に対する深い理解が示されており、9つ星と評価した。
「竜とそばかすの姫」は「未来のミライ」よりももっとずっと感動的。
なぜなら、前作はより分析的で、知性に訴えてくるのに対し、本作は純粋に感情レベルに作用するから。アニメを見て感動したっている経験はあまりないけど、これは別物。
キャラクターはすごくリアルで、声優の演技が真に迫ってるからだと思う。
吹き替え版になったらうまく表現できないかもしれないけど、日本語版では切迫して、リアルで、実際に経験しないとわからない悲しみが表現されてる。
ほかにも圧倒的に不利な状況でも自分の信念を貫くことを学ぶことや、どんなに小さなものでも友人からのサポートがあれれば、現状を打破し、素晴らしい結果をもたらすといった、現実問題が扱われてる。
もうひとつ、誰も指摘してなかったけど、これはフランスの物語「La Belle et la Bete(美女と野獣)」を題材にしたもので、主人公は(仮想世界で)ベルBelleと名乗ってる。
『美女と野獣』をそのまま下敷きにしたものではないが、美女の愛が解放の原動力になるという考えが、この映画の核になってる。実際に見ればこのことが必ず分かるはずだから、これについてはネタバレしないようにこれ以上のことは書かないようにする。
10点: このアニメを高評価しない人は、関連する他のアニメを見てないんだと思う
もちろん、すずは一人であの子を助けようとするに決まってる。彼女の母親は見ず知らずの人を助けようとして死んだ。見ず知らずの人を助けようとして死ぬことを誰も止められなかった。これがすずの学んだことなんだ。「竜とそばかすの姫」のこのディテールを知って、それに耐えられないのなら、ストーリー全体と、脚本家が他の関連するストーリーで展開してきたことをまったく無視していることになる。
10点: 美しいストーリー
なんて素晴らしい映画なんだ 久しぶりにこんな素敵な映画を見たよ。
「竜とそばかすの姫」はプロット、音楽、声優、アニメーション映像、すべてが完璧 <3 必見だよ!
カンヌ国際映画祭のプレミア部門に出品され、年内には全世界で公開される予定の「竜とそばかすの姫」は、ティーンエイジャー向けの作品。息もつかせぬ空中戦や、巨大なクジラが液体の空を泳ぐ壮観なシーンなど、そのビジュアルは驚異的で、サイケデリック。
このファンタジーの世界では、ドラッグではなく、ゲームのアバターが現実逃避の手段として機能してる。細田監督は、インターネットとその変化し続ける技術に対して、ポジティブな印象を持っているようだ。このアニメの仮想世界とは、虐げられた人々が、心の奥底に秘めた本当の自分を引き出せるように励ましてくれる存在だと思う。
「未来のミライ」の細田守が仮想空間で遊ぶ、魅惑的なオルタナティブ・リアリティ・アニメーション『美女と野獣』の影響を強く受けた細田守監督の新作「竜とそばかすの姫」(英語タイトルBelle)は、鮮やかなアニメーションで感情を揺さぶられた。
自信のない女子高生が、人気のバーチャルリアリティの世界でセンセーションを巻き起こすというストーリーで、『未来のミライ』でアカデミー賞にノミネートされた脚本家兼監督は、ヒロインと、秘密を抱えた恐ろしい生き物を衝突させている。
ディズニーの名作「美女と野獣」が好きな人は、細田監督のオマージュに気づくだろうが、最終的に細田監督は、使い古されたストーリーに独自の観点を加え、このおとぎ話を家族、アイデンティティ、トラウマのメタファーへと変貌させていて見ごたえがあった。
「竜とそばかすの姫」は最初は単に『美女と野獣』のリメイクのように感じられるが、(ネタバレしないように内容は書かないけど)、ストーリーが進むにつれて、いろいろ驚くことが出てくるよ。
「竜とそばかすの姫(Belle)」は、インターネットに依存した現代社会を描いてる点では特に目新しさはないし、デートや周囲に溶け込むことといった10代特有の悩みを軽やかに表現した点も、ありふれていると言えば確かにそうだろう。
でも、細田監督が描く仮想世界「U」は印象的で、アバターが重力に逆らう魔法空間で、洗練されてきらびやかなメガロポリスを思わせる。すずが自分の分身であるベルとして歌うポップなバラードはキャッチーで、彼女が(文字通り)デジタルな外観の陰で自分自身の本物の声を見つける様子は、興味深いものがあった。
最初は、細田監督は単に『美女と野獣』をリメイクしたいのかな?って思ったけど、「竜とそばかすの姫」はさすがいろいろひねりがあった。
細田監督は真の美しさや、竜が内向的で不信感に陥った理由などを明らかにしながら、おとぎ話のストーリーを独自の解釈で展開している。
このアニメはすずの物語をたどりながら、さらに竜とその背景をきちんと描ききれてない。プロットを完璧にするには、もっと長い上映時間が必要だな、と思った。
(見たら分かると思うけど)プロットに少々破綻があることを除けば、
「竜とそばかすの姫」のストーリーは子供たちが喜んで受け入れる展開で進み、大人が見ても十分楽しめるほど、1コマ1コマに大量のビジュアルアーツが詰め込まれています。
サウンドトラックは、Spotifyでお気に入りになること間違いなし。スタジオ地図をいよいよ、スタジオジブリと同列に語る時が来たような気がします。なぜなら、竜とそばかすの姫は絶品だから。
悠久の時を超えた物語を、オンライン世代に向けて美しくアップデートした作品
「竜とそばかすの姫」は、悠久の時を超えたおとぎ話を、いじめ、虐待、そしてオンラインで人々や自分自身とつながることについてのエモーショナルなストーリーに転換。それを主軸に、細かなディテールとして新しい装いを施すことにより、オンライン世代に向けてアップデートしたアニメ。毎日繰り返し聞きたくなるような、キャッチーなJ-POPのオンパレードで、これも新鮮な体験だった。
「竜とそばかすの姫」海外「否定的」な反応と評価
「竜とそばかすの姫」は細田監督の作品の中で、最も野心的な作品だと思います。
英語のタイトルは「Belle」で、物語は心に傷を負ったヒロインが住む静かな小さな町と、息を呑むほど美しい、刺激的でワイルドな想像力に満ちた未来の世界を交互に行き来します。
ただ残念だなと思ったのは、この魅惑的な仮想世界は、インターネット上の夢物語に過ぎず、それ以上でもそれ以下でもないこと。人々は現実世界の苦痛から逃れるために理想化されたアバターに避難していて、ポジティブな感じを受けませんでした。
「竜とそばかすの姫」は、「美女と野獣」の有名な舞踏会のシーンを模した場面を挿入しているが、それは取ってつけたように唐突で、ディズニー作品のような感動の極みには至らない。
インターネットによって人々が新たなペルソナを作りだす、というアイデアだって、ずっと前に『シリアルエクスペリメンツレイン』によって、すでに完璧に提示されたものだ。だから目新しさという点では、まったく評価できない。この映画が特別なのは、「美女と野獣」と「シリアルエクスペリメンツレイン」のどちらかを踏襲しているわけじゃなくて、それらが混然一体となり、本当の自分を受け入れることや、ネット上のコミュニティが古い傷を癒すことをテーマにした青春ストーリーを支えていること。細田監督が踏襲しているのは、京都アニメーションの「聲の形(A Silent Voice)」の感動的なストーリーテリングや、「Carole & Tuesday」の音楽の持つ癒しの力についてのメッセージ。これらをすべての要素を取り入れ、ビジュアル的にも美しい映画を制作。
昔々から伝わるおとぎ話に新たな命を吹き込んだ。
2点: 音楽とビジュアルは素晴らしいが、とにかくひどい映画
最悪の脚本が映画全体を台無しにしてしまった話。
「竜とそばかすの姫」で細田監督が初めて脚本を担当したことは注目に値いするが、次回作では脚本だけは担当しないことを切に願う。
この監督の他の作品(『サマーウォーズ』)はとても好きなのですが、この映画は『サマーウォーズ』の最も悪い部分を引き継ぎ、それに稀に見るほど、ひどい脚本を加えた続編のようなもの。『ルーム』の無意味で、自意識に欠ける、まったく面白くないセリフに匹敵するひどいセリフもいくつかある。
サマーウォーズの場合、意味をなさない場面が少し混じっているだけだが、「竜とそばかすの姫」の場合、ほとんどすべての場面が意味をなさない。
印象的な映像と素晴らしい音楽(私はこの映画の前からこの歌手のファンでした)を除けば、この映画にはまったく良いところがない。
モブキャラの反応は非常に現実離れしていて歯がゆいほど。
細田監督はインターネットや日本のSNSの文化を完全に誤解している(「サマーウォーズ」でもそうだったけれど、でもあのアニメではそれは焦点ではなかった)。
キャラクターのサブプロットは、映画の全体的なテーマや展開にまったく関係がない。
キャラクター(特に脇役)が極端に少なく、主人公は基本的にストーリー全体をとおして受け見的なので好感が持てないし(理由もなくネット上の無関係な人に魔法のように興味を持った時を除く)、彼女が抱いている不安に共感することは難しい。
筋書きは非常に狂っていて、浅薄なテーマを押し付けるような馬鹿げた強引さに、学生映画の筋書きを見ているのかと思ったほど。フラッシュバックも多く、CSIのシーンや東京のシーンでは本当に笑ってしまった。
この作品は、いろいろなことを同時にやろうとしすぎていて、何よりも脚本が最悪。無駄な小ネタ(例:無駄な恋愛小ネタ、文字通り何の役にも立たない無駄な学級ドラマ小ネタ)をカットして、2つか、3つ、大筋の筋書に集中してもらいたかった。
映像と音楽の素晴らしさがなかったら、この映画は10点中1点。
まとめ:竜とそばかすの姫は面白いけど「凄くない」
批評家は絶賛するも、一般ユーザーの意見は意外と辛口。
わかっているのかは不明ですが、大きく誉めているようで実際にはミライの未来と同じ程度の評価でしかない点は面白いですね。個人的にも物語はクソだなと思いましたが、映像と音楽は大きな映画館で見てよかったと思いました・・・が、人にはおすすめはしないなーという点では海外の人たちと同じ評価かもしれませんね。
日本のアニメ、
映画、ドラマの
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