「何でここまで自分を追い込むのか?」
3月22日に放送されたプロフェッショナル仕事の流儀「庵野秀明スペシャル」の内容全てのネタバレ文字起こししています。Q後の鬱、両親と欠損、何故シン・エヴァ劇場版制作期間が長かったのか?いままで謎に包まれた全てが解ります!これで見逃し配信する必要がありません。
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もくじ
「今までのエヴァの作り方では3作の延長にしかならない」
庵野監督は語る。
「それが嫌だ。」
「限界以上のものを」
「想像以上のものを」
だがそれに付き合わされるスタッフは辛い。
熱海合宿で多くのアイディアスケッチを見ようともしない庵野にアイディア出しをしても何を聞かれても
「わからないから」
とぶっきらぼうに答えるシーンは「なんだこいつ?」と思ったが、スタッフみんなは呆れながらもどこか納得しているようだ。
「この人がいないとエヴァができない」とわかっているのだろう。鶴巻監督ですら何も言わない。(が、庵野監督がいないところで「何も言わないんだもんなー」と苦笑いで愚痴るシーンもある)
2017年農村シーンの撮影開始
冒頭から驚かされるのだが、2021年3月に上映されたシン・エヴァンゲリオン劇場版の農村シーン。
2017年からすでにシンジの農村シーンのモーションキャプチャー撮影をしていたと言うことに驚かされた。
通常の絵コンテではなく、俳優に演じさせるモーションキャプチャーで全てのシーンが作られているが庵野監督は「絵コンテは既成概念から外れる為にあえて作らない」と言うことらしい。
普通の作り方はつまらない。
こだわりはアングル。
周囲のスタッフも困り顔だ。
声優たちは語る。
庵野監督は少年少女、
庵野監督は少女のような少年
だけど
庵野が作らないとエヴァではない。
プロフェッショナルスタッフに激怒
ある時、庵野監督がカメラマンに怒る
「俺だけ撮るな」
「他の人ももっと撮れ」
「エヴァは一人で作っていない」
「他の人が困っているからいいんだ。」
そして
「今までと同じ撮り方をするな」
「面白い取り方をして面白くしてくれないと僕の作品が面白く見えないから」
とプロフェッショナルスタッフにも伝える。
パリ冒頭シーンを鶴巻監督が作ったが納得せず「あとは俺がやらないと」「構成から作り直す」モーションキャプチャーシーンで傍観していた監督がいきなりアイディアに火がついたかのように動き出す。
そして一気に加速する。
なぜ撮影許可を出したのか?
2018年3月19日
1年間で築き上げたモーションキャプチャーシーンのプリヴィズと
呼ばれる芯になる場面をいちから作り上げ始める庵野監督」
プロフェッショナルのカメラスタッフにも「何かアイディアがないかと問う。」
気を良くしたのか初めて庵野監督はプロフェッショナルスタッフを誘ってお酒を飲みに。
質問をする。
「なぜプロフェッショナルの取材を許可したのか?」
庵野監督「商売だから」
「アニメで名をなしたと言う自負は?」
庵野監督「ない。そんな自慢できるものではない。人にとって良かれもある逆もあるじゃないですか?」
それ以来庵野監督は編集室に閉じこもる。
朝から深夜まで閉じこもる。
「トンネルだけでをつなげてシンジの心情を現そう」
閃いたアイディアを提示。
だが
「何か遠くに行ってしまった感じがする」
と言って黙ってしまう。
スタッフの意見に心を折られる
9ヶ月かけて作った冒頭Aパートを全て作り直すと会議で発表。プレヴィズで作った作品の試写でスタッフから出た意見に
「廃墟を歩くシーンが長い」
「正論だが説教くさい」
このシンプルなこの素直な意見にガツンときてしまったらしい。
『自分の命より、作品』
『自分の命よりも良い作品を作りたい。』
『結婚してからそう言っていられないが』
『そんな思いはいつもある。』
それから庵野は姿を消す。
秘密の製作所に行って冒頭Aパートの脚本を作り直しているらしい。
エヴァを作っていて辛いか?
再び訪れる庵野監督の失踪にスタッフに不満が漏れると思われたが・・・。
鶴巻監督「ドキュメンタリーとしては面白くなってきましたね」(ニヤリと笑う)
「制作としては洒落になれないスケジュールですが最後だし、後悔したくないからね・・・」
山下いくと「なぜ一緒に作るのか?なんでだろうな・・・やりたいから。でも、このやり方は普通ではないとは僕の口からは言えない」
宮崎駿、安野モヨコ、庵野秀明を語る
宮崎駿監督
「庵野は血を流しながら映画を作る。」
安野モヨコ
「ちゃんと生活できないし生きることを放棄している」
「実は肉と魚が嫌いな超偏食家」
「誰も世話しないから私がやりますーって感じ」
「でも気をつけないとお菓子ばっかり食べますから
「私がいなかったら死んでたと思う」
「自分のこと可愛いと思っているでしょ?」
っていつも思っています。
庵野監督の両親の思い出と鉄人28号
山口県宇部市新川駅のホームのベンチに座り佇む庵野監督
「いつも何かが欠けていた」
「実は家族との旅行をした記憶がない。」
「父は左足を事故で失っていた。」
「世の中全てを恨んでいた。」
失った理由は林業のノコギリでの事故らしい。失った恨みは幼少期の庵野監督位向けられていた。
幼少期は鉄人28号のアニメにハマっていた。
鉄人28号がよく手足を失っているのが好きだった
『親父の足が欠けていたのも原因かもしれない。全部が揃っていない方がいい。とすら思っていた。』
『そんな親を肯定したいと思ってたのかも』
小さくつぶやく。
庵野監督とナウシカと巨神兵
大阪の芸術大学へ。DAICONⅢの自主アニメで頭角を表し手塚治虫も褒めていた。
この自主制作時代の庵野監督の詳細は島本和彦の漫画作品「アオイホノオ」で詳しく描かれています。
28歳の時
宮崎駿は当時の庵野秀明を見て
「宇宙人が来た」
「面白い奴が来た」
爆発物が得意の庵野秀明にいきなり『風の谷のナウシカ』の巨神兵のシーンを任せた程。
「これ、僕の」と当時の原画をペラペラ見せる庵野監督。
「汚い足を机から出してさ「原人の足って呼んでたんだ」と語る駿監督。
エヴァの制作開始と自殺願望
1995年エヴァ制作開始
「人間を描きたいと思った」
「登場人物全員が完璧ではなく、何かが欠けているのが面白い。綺麗なままではダメ」
「かけているから愛おしい」
庵野監督は語る。
「その現場は常軌を逸していた。」
樋口真嗣監督が語る。
追い込み追い込まれ続けたある時、
製作が追いつかなくなる事態になり
線画のようなエンディング。
賛否両論だった。
「庵野監督をどうやって上手に殺せるか」大手掲示板でこのスレッドを読んでしまった庵野監督は
「もうどうでもいいやって思った」
電車に飛び降り1回、屋上から2回飛び降りそうになった。
自殺せずに住んだ理由は「痛みを想像してしまったから、死ぬ間際に痛いのは嫌だったから」らしい。
そんな精神状態の庵野監督に手を差し伸べたのはジブリの鈴木敏夫プロデューサーだった。
とにかく企画を考え続けることを提案
式日?実写映画を制作させる。
そして徐々に回復していったようだ。
エヴァ新劇場版制作の裏話
「エヴァのセルフパロディになってしまう。」
「エヴァは私の全てを入れてしまったから面白いものを作ろうとするとエヴァっぽくなるんだよね」
悩んだ庵野は
決着をつけるべくエヴァンゲリオンを作ることに決め矢先。
恐るべきことが起きる。
庵野さんが壊れた。
(2012年のQ後に発症した鬱の話だと思われる)
カラー公式発表分↓
2012年12月。エヴァ:Qの公開後、僕は壊れました。
所謂、鬱状態となりました。
6年間、自分の魂を削って再びエヴァを作っていた事への、当然の報いでした。明けた2013年。その一年間は精神的な負の波が何度も揺れ戻してくる年でした。自分が代表を務め、自分が作品を背負っているスタジオにただの1度も近づく事が出来ませんでした。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』及びゴジラ新作映画に関する庵野秀明のコメント
他者や世間との関係性がおかしくなり、まるで回復しない疲労困憊も手伝って、ズブズブと精神的な不安定感に取り込まれていきました。
全文はこちらから。
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一切スタジオに来なくなった。
庵野さんにとって壊れるってどんな感じですか?
「一切全てを吐き出しちゃう感じ
全身全霊で作品を作ってたから・・・」
その時の庵野監督を支えていたのは妻の庵野モヨコ
「みんないなくなっても
私はいつもいるから」
「いつもそう言っていました」
「でも全部投げ出しても
また帰ってくるんだろうな」
「仕事が仕事が、って言っても「お前がやりたいことなんだろ?」
って思ってました
「作るのが好きなんだと思います」
4年の歳月を得て庵野監督が再始動する。
「作っちゃったから終わらせる義務があるって思えた」
取材、原画制作を猛烈な勢いで描く庵野監督
「今回で終わると思います。」
「自分の状況にリンクして行くのでポジティブなので。」
鬱状態から抜け出したようだ。
鶴巻監督VS庵野監督
「終了に向けて着々と動いている・・・とはいかないのがエヴァンゲリオンの製作現場だ」
残り4分の1の最終局面の会議。
鶴巻監督「全く何を言っているのか理解できない」
庵野監督「理解できていないとは思わなかった」
脚本の作り直しをすることになった。
静かに酒を飲む鶴巻、山下、庵野監督。
「神様が降りてこない」
謎の言い訳をする
2019年3月パリ奪還作り直し指示
声優の監督をする。
「綾波レイならどうするの?」
この表現で何度もリテイクを繰り返す
もっと自信を無くして、もうちょい
惜しい、もう少し。
日に日に庵野の表情が暗くなっていく。
パリ奪還のマリのシーン全てのシーンが寄りすぎ離れすぎと監督のイメージと全てが真逆とダメ出しする。
「まだチャレンジする余裕あります?」
「やれます」
映画監督に必要なのは「全ての批判を受け止める覚悟」
締め切りギリギリに最後の脚本を書き上げる。
みんなに伝える。
「本当にギリギリだから、もう間に合わない。5月がデッドライン。」
だが、「作り上げるのが最優先」終わらせることへの執念と葛藤が見て取れる。
鶴巻監督「庵野にとって何年でも待ちますってファンの言葉も重荷に感じているのかも。」
エヴァ声優陣のラスト
最後のシーンを次々とクランクアップしていく声優たち。
「あなたが自然に泣いたらそれでいいんです」ミサト役の人に伝える
「好きにやっていいよ」アスカ役の人に伝える。
「さよなら全てのエヴァンゲリオン」実は最後の最後に庵野監督が追加したセリフだった。
緒方さんは言う。
「うん、これでいいんじゃないかな。納得しました。」
庵野監督はつきものが取れたように言う。
2019年12月27日シン・エヴァ劇場版完成
作品に命を込める理由は?
「他にやれることがないから。」
なんでそこまでされるんですか?
「最大限人の役に立てるのはそれぐらい。
世間に役に立てるのはそれぐらいなんです。」
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「本当にありがとうございました。」
初試写会で挨拶を終えると試写会を見ずに後にする庵野監督
なぜ見ないんですか?
『毎回見ないから。
もう次、他の仕事しないと。』
試写後に監督の元に向かうスタッフ、
「面白かったです」
「やってよかったです」
スタッフが口々にする。
最後まで庵野監督を支えた安野モヨコが何かを呟きよりそう。
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庵野監督にとっての
プロフェッショナルとは?
「あまり関係ないかも、プロフェッショナルって言葉がそもそも嫌いなのかも」
庵野監督らしい言葉で終了。
まとめ:庵野監督お疲れ様。
リアルタイムで見れて良かった。
「次の仕事がありますから」
試写会後の庵野監督の言葉が痺れました。
シン・エヴァンゲリオン劇場版を見終わったからこそのこの神掛かったタイミングの放映は見事。
庵野監督が迷い悩み追い込み続けあのエヴァンゲリオンを作ったのだな。文字通り命を掛けて作品を作り上げたこと。すごいという言葉以外出てきませんでした。
できれば3時間スペシャルぐらいにしても良かったかも。世界中の人がこの人の言動をもっと見たいはず。
兎にも角にもまずはゆっくり休んでください。
アマゾンプライムのNHKオンデマンドで近々配信されそうですね。
それまでは師匠の宮崎駿監督の仕事の流儀を見て待つとしましょう。
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シン・エヴァ劇場版の絵本「オチビサン」は実在した?どんな作品なのか紹介
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